COLUMN
朗読動画の作り方|著作権・録音・映像づくりのポイント
朗読動画に使用できる作品の確認方法から、小説や絵本の著作権、ページ・表紙・挿絵を映す際の注意点、顔出しの有無に応じた撮影方法、聞き取りやすい録音、ジャンルに合った読み方、BGMの選び方まで解説します。

朗読動画は、小説や絵本、童話、怪談などを声で読み上げ、映像と組み合わせて届ける動画です。顔を出して本を読むだけでなく、風景やイラストを表示する方法、声だけを収録する方法、外部のナレーターへ朗読を依頼する方法もあります。
比較的少ない機材で始められますが、出版されている本を購入しただけでは、自由に朗読してYouTubeへ公開できるとは限りません。文章の朗読に加え、絵本のページ、表紙、挿絵、キャラクターを動画やサムネイルへ使用する場合は、それぞれの権利を確認する必要があります。
また、部屋の反響や生活音が入っている、BGMが大きい、読み方が作品の雰囲気と合っていないといった状態では、視聴者が物語へ集中しにくくなります。使用できる作品を確認したうえで、録音環境、マイクとの距離、映像の見せ方を整えることが大切です。
本記事では、朗読できる作品の確認方法、絵本や挿絵を使用するときの注意点、顔出しの有無に応じた撮影方法、聞き取りやすい録音、ジャンルに合った読み方、BGMの選び方を解説します。自分で読まず、外部のナレーターへ声だけ依頼する方法も紹介します。
この記事で分かること
✓ 朗読動画に使用できる作品の確認方法
✓ 小説や絵本を朗読するときに関係する著作権
✓ 絵本のページ・表紙・挿絵・キャラクターを使用する際の注意点
✓ 作中に歌う場面がある場合の対応方法
✓ 顔出しする場合の画角・照明・背景の整え方
✓ 顔を出さない朗読動画の画面構成
✓ 聞き取りやすい音声を録るための環境と機材
✓ 作品のジャンルに合った読み方
✓ BGMを付けるか判断する方法
✓ YouTubeオーディオライブラリの基本的な使い方
✓ 外部のナレーターへ朗読を依頼するときの注意点
目次
- 1.朗読動画とは
- 2.朗読動画を制作する前に著作権を確認する
- 3.朗読してよい作品の確認方法
- 4.絵本のページ・表紙・挿絵は動画に使用できる?
- 5.絵本に歌う場面がある場合はどうする?
- 6.顔出しする朗読動画の撮影方法
- 7.顔を出さない朗読動画の画面構成
- 8.聞き取りやすい朗読を録音する方法
- 9.ジャンルに合わせた読み方のポイント
- 10.朗読動画にBGMは必要?
- 11.YouTubeオーディオライブラリの使い方
- 12.朗読の声を外部のナレーターへ依頼する方法
- 13.朗読動画を公開する前に確認すること
- 14.まとめ
1.朗読動画とは
朗読動画とは、小説、絵本、童話、詩、怪談、オリジナル作品などを読み上げた音声に、映像や画像を組み合わせた動画です。
朗読している人の姿を撮影する方法だけでなく、手元、風景、イラスト、字幕などを表示し、音声を中心に構成する方法もあります。視聴者が画面を見続けなくても楽しめるため、移動中や作業中、就寝前に聞いてもらえることも特徴です。
朗読動画の主なジャンル
朗読動画にできる作品や企画には、さまざまな種類があります。
✓ 小説や文学作品
✓ 絵本や児童書の読み聞かせ
✓ 童話や昔話
✓ 怪談やホラー作品
✓ 詩、短歌、俳句
✓ 睡眠・リラックス向けの朗読
✓ 視聴者から募集した作品
✓ 自分で執筆したオリジナル作品
✓ 商品や地域にまつわる物語
✓ 企業や団体の創業ストーリー
同じ朗読動画でも、子ども向けの読み聞かせと、睡眠前に聞く小説では、適した声の大きさ、読む速さ、映像、BGMが異なります。最初に「誰へ、どのような場面で聞いてほしいのか」を決めましょう。
顔を出さなくても制作できる
朗読動画では、必ずしも朗読者の顔を出す必要はありません。
顔を出すと、表情や本を読む姿から親しみを感じてもらいやすくなります。一方、顔を出さずに音声を中心とした構成にすると、視聴者が物語を想像しやすくなることがあります。
顔を出さない場合は、次のような画面を使用できます。
✓ 朗読する人の手元
✓ 作品の雰囲気に合った風景
✓ オリジナルのイラストやアニメーション
✓ 権利を確認した写真や動画素材
✓ 音声に合わせて動く波形
✓ 作品名や章のタイトル
✓ 雨、波、焚き火などの環境映像
使用する画像や映像についても、YouTube動画への掲載や商用利用が認められているか確認が必要です。
朗読動画を制作するメリット
朗読動画は、画面を見ることが難しい状況でも内容を届けられます。
✓ 移動中や家事中にも聞いてもらえる
✓ 映像素材が少なくても制作しやすい
✓ 声や話し方を活かしたチャンネルを作れる
✓ 過去の文学作品を知ってもらうきっかけになる
✓ オリジナル作品を動画として発信できる
✓ シリーズ企画として継続しやすい
✓ 睡眠やリラックスを目的とした動画にもできる
ただし、映像が少ないから簡単に制作できるとは限りません。朗読動画では、声の聞き取りやすさ、部屋の反響、ノイズ、読む速さ、間の取り方が動画の印象を大きく左右します。
また、他者が制作した作品を使用するときは、朗読やYouTubeへの公開が認められているかを、制作前に確認することが重要です。
2.朗読動画を制作する前に著作権を確認する
小説や絵本などの文章は、著作権によって保護されています。本を購入したことと、その内容を朗読してYouTubeへ公開できることは同じではありません。
著作者は、言語で表現された著作物を朗読する「口述権」や、インターネットを通じて著作物を公開する「公衆送信権」などを持っています。そのため、著作権が存続している作品を朗読動画にする場合は、原則として権利者の許可が必要です。
無料公開でも自由に朗読できるとは限らない
「収益化していない」「無料で見られる」「作品を紹介するための動画」といった理由だけで、著作権が存続している作品を自由に朗読できるわけではありません。
会場で行う非営利・無料の読み聞かせと、YouTubeへ動画を投稿する行為では、著作権上の扱いが異なります。オンラインでの公開には公衆送信権が関係するため、対面の読み聞かせに適用される条件を満たしていても、許可が不要になるとは限りません。
参考:著作権情報センター「著作権が制限されるのはどんな場合?」
一部分だけなら必ず使用できるわけではない
作品の一部だけを読めば、必ず著作権上の問題がなくなるわけでもありません。
批評や研究などのために、必要な範囲で文章の一部を引用できる場合はあります。しかし、朗読そのものを楽しんでもらう動画で本文を読み上げる場合、引用として認められるとは限りません。
「短いから大丈夫」「作品名と作者名を書けば大丈夫」と判断せず、朗読動画として利用できるかを確認しましょう。
著作権の保護期間を確認する
日本では、著作権の保護期間は原則として著作者の死後70年です。保護期間が満了した作品は、パブリックドメインとして利用できる場合があります。
ただし、著作者が亡くなった年だけを見て判断できない作品もあります。
✓ 外国で制作された作品
✓ 複数人で制作した共同著作物
✓ 法人名義で公表された作品
✓ 作者名を公表していない作品
✓ 映画として制作された作品
✓ 戦時加算の対象となる作品
保護期間が分からない場合は、自己判断で使用せず、出版社や著作権の管理者へ確認します。
原作の著作権が切れていても翻訳文などは別に確認する
海外の古典や日本の古い文学作品など、原作の著作権が満了している作品でも、手元にある本をそのまま朗読できるとは限りません。
新しく制作された次の内容には、それぞれ別の著作権が存在する場合があります。
✓ 翻訳文
✓ 現代語訳
✓ 再話された文章
✓ 注釈や解説
✓ 挿絵や装丁
✓ 新たに追加された文章
たとえば、原作がパブリックドメインでも、近年出版された本の翻訳文をそのまま読む場合は、翻訳者の著作権を確認する必要があります。
朗読の許可と画像を使用する許可は分けて考える
出版社や著作権者から朗読の許可を得ても、本のページ、表紙、挿絵、キャラクターまで自由に動画へ使用できるとは限りません。
朗読動画を制作するときは、必要に応じて次の利用可否を分けて確認します。
✓ 文章を朗読する
✓ 朗読音声をYouTubeで公開する
✓ 動画を収益化する
✓ 本文を字幕として表示する
✓ 本のページを画面に映す
✓ 表紙を動画やサムネイルへ使用する
✓ 挿絵やキャラクターを使用する
✓ 動画の一部をShortsやSNSへ再掲載する
許可を得た場合は、メール、申請書、利用条件などの記録を保存しておきましょう。公開期間や利用媒体が限定されている場合は、その範囲を超えて使用しないようにします。
3.朗読してよい作品の確認方法
朗読動画に使用する作品は、動画の制作を始める前に、著作権の状態や利用条件を確認します。
朗読に使用しやすいのは、主に次の作品です。
✓ 自分で執筆したオリジナル作品
✓ 著作権者から朗読動画への利用許可を得た作品
✓ 出版社が朗読や読み聞かせ動画への利用を認めている作品
✓ 著作権の保護期間が満了した作品
✓ 動画での利用が認められたライセンス付きの作品
「インターネットで全文を読める」「絶版になっている」「作者が有名ではない」といった理由だけでは、自由に朗読できる作品とは判断できません。
作者と作品名を確認する
最初に、朗読したい作品について次の情報を確認します。
✓ 作品名
✓ 著作者名
✓ 著作者が亡くなった年
✓ 出版社
✓ 翻訳者や再話者
✓ 挿絵を制作した人
✓ 使用する本の発行年と版
✓ 著作権や利用条件に関する記載
同じ作品でも、出版社、翻訳者、挿絵、編集内容が異なる本があります。作品名だけではなく、実際に朗読へ使用する本の奥付や著作権表示も確認しましょう。
出版社や著作権者のガイドラインを確認する
出版社によっては、公式サイトに読み聞かせ動画や朗読配信に関するガイドラインを掲載しています。
ガイドラインでは、次のような条件が定められている場合があります。
✓ 事前申請が必要
✓ 使用できる作品が限定されている
✓ 動画で読める範囲が決められている
✓ 公開できる期間が決められている
✓ 収益化が認められていない
✓ 作品名や出版社名の記載が必要
✓ 絵本のページを映す方法が指定されている
✓ 公開後に動画のURLを報告する必要がある
公式サイトに案内が見つからない場合は、出版社または著作権者へ直接問い合わせます。SNSの投稿や第三者の説明だけで判断せず、権利を管理している窓口の回答を確認しましょう。
問い合わせるときは利用方法を具体的に伝える
出版社や著作権者へ問い合わせるときは、「朗読してよいですか」だけでなく、予定している使い方を具体的に伝えます。
✓ YouTubeへ動画として投稿する
✓ 作品の全文または一部を朗読する
✓ 絵本のページや挿絵を画面に映す
✓ 表紙をサムネイルへ使用する
✓ 本文を字幕として表示する
✓ 動画を収益化する予定がある
✓ ShortsやSNSにも一部を掲載する
✓ 公開期間を限定するか
✓ BGMや効果音を加えるか
許可を得た範囲が「朗読のみ」であれば、ページや挿絵を映すことまで認められているとは限りません。使用したい要素を分けて確認することが大切です。
青空文庫の作品を確認する
青空文庫には、著作権の保護期間が満了した作品や、著作権者が公開に同意した作品などが収録されています。
作品ごとに著作権の状態が異なるため、「青空文庫に掲載されている作品は、すべて自由に朗読動画へ使える」と一括して判断しないようにします。作品の図書カードやファイルの取り扱いに関する案内を確認しましょう。
また、青空文庫の文章をもとにしていても、別の出版社が発行した本の挿絵、装丁、注釈などを使用する場合は、それぞれの権利を確認する必要があります。
参考:青空文庫
自作や募集作品でも権利関係を整理する
自分で書いた作品であれば朗読へ使用しやすいものの、共同制作した作品には注意が必要です。原案、文章、挿絵、音楽などを別の人が制作している場合は、YouTubeへの投稿や収益化について確認します。
視聴者から小説やエピソードを募集して朗読する場合も、応募された時点で自由に利用できるわけではありません。
募集時に、次の内容へ同意してもらえるようにします。
✓ 朗読動画として公開すること
✓ 必要に応じて文章を整えること
✓ 字幕やサムネイルへ一部を使用すること
✓ YouTubeやSNSへ掲載すること
✓ 動画を収益化する可能性があること
✓ 公開後の削除依頼への対応方法
✓ 作者名や投稿者名の表示方法
権利を確認できた作品から選ぶことで、録音や編集を終えてから公開できないと判明する事態を防げます。
4.絵本のページ・表紙・挿絵は動画に使用できる?
絵本は文章と絵を組み合わせて作られているため、文章を朗読する許可だけでなく、ページや挿絵を映す許可についても確認する必要があります。
朗読が認められていても、絵本の全ページを動画へ映したり、表紙やキャラクターをサムネイルへ使用したりできるとは限りません。
絵本のページを映す場合
絵本のページをカメラで撮影して動画へ掲載する行為には、絵や文章の複製、公衆送信などの権利が関係します。
ページを映したい場合は、次の点を確認します。
✓ 表紙から裏表紙まで映してよいか
✓ 本文のページを映してよいか
✓ ページ全体または一部分だけ使用できるか
✓ 読める大きさで文章を表示してよいか
✓ 見開きの状態で映してよいか
✓ 動画内で使用できるページ数
✓ 公開できる期間
✓ 収益化の可否
✓ 出版社名や作品名の表示方法
すべてのページを鮮明に映すと、動画だけで作品の内容や絵を鑑賞できる状態になります。権利者の利益へ影響する可能性もあるため、許可を得ていない状態で全ページを掲載することは避けましょう。
本を持って読む姿だけを撮影する場合
朗読者の顔や手元を中心に撮影し、絵本のページを視聴者が読めない角度にする方法があります。
✓ 本の表紙をカメラへ向け続けない
✓ ページの内容を判別できない画角にする
✓ 本へ照明が反射しない角度を選ぶ
✓ ページをめくるときの映り込みを確認する
✓ 鏡やガラスへの反射にも注意する
✓ 撮影後に一時停止してページが読めないか確認する
ページを見せない場合でも、朗読そのものの利用許可が不要になるわけではありません。映像と朗読の権利は分けて確認します。
表紙をサムネイルへ使用する場合
市販されている本の表紙にも、装丁、写真、イラスト、文字のデザインなどの権利が関係します。
本を紹介する目的であっても、表紙画像を大きく切り抜いてサムネイルの中心へ使用できるとは限りません。出版社が提供している書影についても、使用できる媒体や加工の可否が定められている場合があります。
サムネイルへ表紙を使用したいときは、次の点を確認します。
✓ YouTubeのサムネイルへ使用できるか
✓ 画像の切り抜きや色の変更ができるか
✓ 文字や装飾を重ねてよいか
✓ 収益化した動画にも使用できるか
✓ 出典や出版社名の記載が必要か
✓ SNSで告知するときにも使用できるか
許可を確認できない場合は、作品名を文字で表示し、オリジナルの背景や撮影した朗読者の写真などを使用します。
挿絵やキャラクターを使用する場合
絵本の挿絵やキャラクターには、文章とは別にイラストレーターなどの著作権が存在する場合があります。
次のような使い方も、許可なく行わないようにします。
✓ 挿絵だけを切り抜いて表示する
✓ キャラクターをサムネイルへ配置する
✓ キャラクターへ動きを付ける
✓ 挿絵の色や形を変更する
✓ キャラクターを参考に似たイラストを作る
✓ 生成AIで既存キャラクターに似た画像を作る
✓ 挿絵を背景として長時間表示する
文章の著作者と挿絵の著作者が異なる場合は、それぞれの権利を確認します。
許可を得られない場合の画面構成
絵本のページや表紙を使用できなくても、朗読動画を制作する方法はあります。
✓ 朗読者の顔や手元を撮影する
✓ オリジナルの背景を制作する
✓ 自分で撮影した風景を使用する
✓ 使用条件を確認した写真や動画素材を使用する
✓ 作品名や章のタイトルだけを表示する
✓ 音声に合わせて波形を表示する
✓ 色や光の変化で場面の雰囲気を表現する
作品の内容をそのまま絵にする場合は、翻案に関する権利が関係することもあります。権利が存続している作品では、オリジナルのイラストを新しく制作すれば必ず問題がなくなるとは限りません。
絵本のページを見せることを前提にせず、音声だけでも情景が伝わる読み方と画面構成を考えましょう。
5.絵本に歌う場面がある場合はどうする?
絵本には、登場人物が歌う場面や、歌詞のような文章が書かれていることがあります。
実際に歌うと場面の楽しさやリズムを伝えやすくなりますが、必ず歌わなければならないわけではありません。作品の雰囲気、朗読者の歌いやすさ、歌詞やメロディーの権利を確認して判断します。
歌詞とメロディーの権利を確認する
絵本の朗読許可を得ていても、作中で使用されている歌が別の作詞者・作曲者によるものであれば、音楽の権利は別に確認します。
✓ 歌詞の著作権
✓ メロディーの著作権
✓ 編曲に関する権利
✓ カラオケ音源や伴奏音源の権利
✓ 歌詞を字幕として表示する場合の利用条件
作品名、作詞者、作曲者、音楽出版社などを確認し、使用したい楽曲を誰が管理しているのか調べましょう。
YouTubeはJASRACと利用許諾契約を締結しています。一定の条件を満たすJASRAC管理楽曲を、自分で歌唱・演奏してYouTubeへ投稿する場合、投稿者が個別にJASRACへ手続きしなくても利用できることがあります。
ただし、すべての楽曲や利用方法が対象になるわけではありません。使用する前に、楽曲の管理状況とYouTubeでの利用条件を確認します。
参考:JASRAC「YouTubeなどの動画投稿サービスでの音楽利用」
市販のCDやカラオケ音源をそのまま使わない
楽曲を自分で歌える場合でも、市販のCD、購入した配信音源、カラオケ店の音源などを伴奏として自由に使用できるわけではありません。
作詞者・作曲者の著作権とは別に、レコード会社、演奏者、音源制作者などの著作隣接権が関係します。
✓ 市販のCD音源
✓ 音楽配信サービスから購入した音源
✓ カラオケ店で流れている伴奏
✓ 動画サイトから取得したカラオケ音源
✓ 第三者が制作した演奏音源
使用したい場合は、音源の権利者や配布元がYouTube動画への利用を認めているか確認します。
歌詞だけが書かれている場合
絵本に歌詞のような文章があっても、メロディーが指定されていない場合があります。
著作権が存続している歌詞へ、朗読者が新しくメロディーを付けてよいとは限りません。出版社や著作権者へ問い合わせる際に、次の点も確認します。
✓ 作中の文章を歌唱してよいか
✓ 公式または指定されたメロディーがあるか
✓ オリジナルのメロディーを付けてよいか
✓ 歌詞の一部を繰り返してよいか
✓ 歌唱部分を字幕として表示してよいか
作者自身が作詞・作曲しているように見えても、出版社や音楽出版社が権利を管理している場合があります。推測で判断せず、利用条件を確認しましょう。
替え歌や編曲は別に確認する
既存の楽曲へ絵本の文章を当てはめたり、作品に合わせて歌詞を変更したりする方法も、安易に行わないようにします。
替え歌、歌詞の変更、翻訳、編曲などは、元の楽曲をそのまま歌う場合とは異なる確認が必要です。JASRACでは、編曲、訳詞、替え歌について、作詞者・作曲者の意向を音楽出版社などを通じて事前に確認するよう案内しています。
参考:JASRAC「動画配信」
歌えない場合は朗読として表現する
歌うことが苦手な場合や、歌詞・メロディーの権利を確認できない場合は、無理に歌わなくても構いません。
✓ 「楽しそうに歌いました」などの地の文として読む
✓ 許可された文章を通常の朗読として読む
✓ 声の明るさや間で歌っている雰囲気を表現する
✓ 権利を確認した効果音や環境音で場面を補う
✓ 該当部分の読み方を出版社や著作権者へ相談する
権利を確認できない曲を、鼻歌に変えて似たメロディーで歌うことも避けます。
歌う場合は、歌唱部分だけ音量が大きくならないように調整し、物語の流れを止めない長さにしましょう。子ども向けの楽しい作品では分かりやすい歌唱が合う一方、睡眠・リラックス向けの朗読では、歌わずに穏やかに読む方が聞きやすい場合もあります。
6.顔出しする朗読動画の撮影方法
朗読者の顔を映すと、表情や本を読む姿から人柄が伝わり、視聴者に親しみや安心感を持ってもらいやすくなります。
絵本の読み聞かせでは楽しい表情、怪談では落ち着いた表情など、作品の雰囲気に合わせた見せ方もできます。
ただし、顔を大きく映すだけでは、視線が落ち着かなかったり、照明によって表情が暗く見えたりすることがあります。朗読者、本、背景が自然に見える画角を決めましょう。
顔と本の位置を近づける
本を胸元よりも低い位置で持つと、朗読中に顔が大きく下を向き、表情が見えにくくなります。
顔と本の位置を近づけ、視線が下がりすぎないようにします。
✓ 本を持つ位置を少し高くする
✓ 卓上のブックスタンドを使用する
✓ カメラを目線と同じか少し高い位置へ置く
✓ 本とカメラの距離を近づける
✓ 長時間でも無理のない姿勢にする
✓ 本で口元や顔を隠さない
本を高く持ち続けると腕が疲れ、ページをめくる音や衣擦れも入りやすくなります。ブックスタンドを使う場合は、カメラに映り込んでも不自然でないものを選びます。
カメラ目線を入れるタイミングを決める
朗読中に文章だけを見続けると、視聴者との距離を感じさせる場合があります。一方、頻繁にカメラを見ると、文章を読み間違えたり、目線が落ち着かなくなったりします。
次のような部分で、短くカメラを見る方法があります。
✓ 動画の最初の挨拶
✓ 作品名や作者名を紹介するとき
✓ 章や場面が切り替わるとき
✓ 視聴者へ問いかける文章
✓ 朗読後の挨拶や案内
物語の途中で無理にカメラ目線を増やす必要はありません。作品を読む目線と視聴者へ語りかける目線を使い分けます。
照明は斜め前から柔らかく当てる
部屋の天井照明だけで撮影すると、目の下や鼻の下に強い影ができることがあります。窓を背にすると、顔が暗くなることもあります。
顔の斜め前から柔らかい光を当てると、表情を見せながら落ち着いた雰囲気を作れます。
✓ LEDライトや窓を顔の斜め前へ配置する
✓ 光を直接当てすぎず、ディフューザーなどで柔らかくする
✓ 顔の左右で明るさが違いすぎないか確認する
✓ 眼鏡へライトが反射しない角度にする
✓ 本のページが白く飛ばない明るさにする
✓ 撮影中に外光の明るさが変わらないか確認する
明るい絵本の読み聞かせでは、顔と背景を明るく見せる照明が合います。怪談や文学作品では背景を少し暗くする方法もありますが、顔の表情が見えなくなるほど暗くしないようにしましょう。
作品に合った背景を整える
背景へ物が多く映っていると、視聴者が朗読へ集中しにくくなります。
✓ 本棚や椅子を使った落ち着いた背景
✓ 無地の壁やカーテン
✓ 暖色の間接照明
✓ 作品の季節に合った小物
✓ 子ども向け作品に合う明るい色
✓ 怪談や睡眠向けに合う控えめな照明
作品と関係のないポスター、個人情報が分かる書類、家族の写真、窓や鏡への映り込みなどがないかも確認します。
既存作品のキャラクターグッズやポスターが大きく映る場合は、動画内で使用できるか分からないこともあります。必要のないものは撮影範囲から外しましょう。
適度な余白を残して撮影する
顔を画面いっぱいに映すよりも、頭の上や左右へ適度な余白を残すと、字幕や作品名を配置しやすくなります。
✓ 頭の上を空けすぎない
✓ 顔を画面の端へ寄せすぎない
✓ 本を持つ手元まで映すか決める
✓ 字幕を置く位置を空けておく
✓ 縦長のShortsへ切り抜く可能性も考える
✓ サムネイルに使用できる表情を撮影する
通常の横長動画とShortsの両方に使う場合は、顔や本が中央付近に収まる画角も撮影しておくと、後から縦長へ切り抜きやすくなります。
長時間の朗読は複数回に分けて撮影する
長い作品を最初から最後まで一度に撮影すると、姿勢や声量が崩れたり、読み間違えた部分を探しにくくなったりします。
章、ページ、場面などで区切り、複数回に分けて撮影しましょう。撮影を再開するときは、次の状態を揃えます。
✓ カメラの位置と高さ
✓ カメラの明るさや色
✓ 椅子と本の位置
✓ 服装や髪形
✓ 照明の向きと明るさ
✓ 背景に置いた小物
✓ 本を開いている位置
前後の映像を確認してから撮影を再開すると、編集でつないだときの違和感を減らせます。
7.顔を出さない朗読動画の画面構成
朗読動画は、朗読者の顔を出さなくても制作できます。音声を中心にすると、視聴者が登場人物や情景を自由に想像しやすくなることもあります。
ただし、黒い画面や同じ静止画だけが長時間続くと、動画として変化が少なく感じられる場合があります。作品の雰囲気を壊さない範囲で、映像、文字、光などに緩やかな変化を付けましょう。
手元や本を読む姿を撮影する
顔を映したくない場合は、本を持つ手元、後ろ姿、横から見たシルエットなどを撮影できます。
✓ 本を持っている手元
✓ ページをめくる動作
✓ 椅子へ座っている後ろ姿
✓ 顔が分からない横向きのシルエット
✓ 机、照明、本を組み合わせた俯瞰映像
✓ マイクへ向かって読む口元より下の範囲
手元だけを映す場合も、絵本のページや文章が読める状態になっていないか確認します。指輪、名札、書類、鏡や窓への反射などから個人情報が分からないように注意しましょう。
作品の雰囲気に合う風景を使用する
物語の舞台や季節を想像できる風景を組み合わせる方法もあります。
✓ 森や山などの自然
✓ 雨が降る窓
✓ 夜空や月
✓ 波や水面
✓ 街並みや建物
✓ 焚き火やろうそく
✓ 季節の花や木々
自分で撮影した映像を使用すると、ほかの朗読チャンネルと差を付けやすくなります。
素材サイトの映像を使用する場合は、YouTubeへの掲載、商用利用、加工、クレジット表記などの条件を確認します。「フリー素材」と書かれているだけで判断せず、利用規約を保存しておきましょう。
静止画へ緩やかな動きを付ける
使用できる映像が少ない場合は、静止画へゆっくりとした動きを付ける方法があります。
✓ 少しずつ拡大する
✓ 左右へゆっくり移動する
✓ 明るさを緩やかに変える
✓ 場面の区切りで画像を切り替える
✓ 光や影をゆっくり動かす
✓ 章が変わるときに作品名を表示する
動きが速いと、視聴者が文章へ集中しにくくなります。朗読の内容と関係なく画像を頻繁に切り替えるのではなく、場面や章の変化に合わせましょう。
字幕を表示する範囲を決める
朗読内容を字幕で表示すると、音を小さくしている視聴者にも内容を伝えやすくなります。
ただし、著作権が存続している作品の本文を字幕として表示する場合は、朗読とは別に文章を画面へ複製することについて確認が必要です。
全文を表示しない場合は、次のような情報に絞る方法があります。
✓ 作品名と作者名
✓ 章や場面のタイトル
✓ 登場人物の名前
✓ 難しい言葉の説明
✓ オリジナルの案内文
✓ 動画の最後の関連動画案内
字幕を入れる場合は、背景と文字の色を分け、スマートフォンでも読める大きさにします。文章を細かく表示しすぎると、視聴者が朗読を聞くよりも字幕を追うことへ集中してしまうため、動画の目的に合わせて表示量を決めましょう。
音声波形や簡単なアニメーションを使用する
音声に合わせて動く波形を表示すると、静止画だけの画面にも変化を付けられます。
✓ 声に反応する音声波形
✓ 小さく揺れる光
✓ 雨や雪などの控えめな動き
✓ ページをめくるような切り替え
✓ 章ごとに変わる色や背景
✓ オリジナルキャラクターの簡単な動き
波形や装飾を大きく動かしすぎると、朗読よりも映像が目立ちます。動きは補助として使用し、物語の雰囲気を優先します。
生成AIで作った画像も権利や表現を確認する
朗読動画の背景として、画像生成AIで制作した画像を使う方法もあります。
利用するサービスの商用利用条件を確認し、既存作品の挿絵やキャラクターに似せた画像は避けましょう。著作権が存続している小説の場面を、そのまま再現する画像についても、作品の翻案に関する確認が必要になる場合があります。
生成された画像に、不自然な手、読めない文字、作品と時代の合わない物などが含まれていないかも確認します。
音声だけで公開する場合も最終画面を整える
朗読中に黒い画面を使用する場合でも、動画の最初と最後には、作品名、作者名、朗読者名などを表示できます。
動画の最後には、次のような情報を必要に応じて案内します。
✓ 次に聞いてほしい朗読動画
✓ シリーズの再生リスト
✓ チャンネル登録
✓ 使用した作品や底本の情報
✓ BGMや素材のクレジット
✓ オリジナル作品の募集方法
一度に多くの案内を表示せず、朗読を聞き終えた視聴者に最も見てほしいものを優先しましょう。
8.聞き取りやすい朗読を録音する方法
朗読動画では、映像よりも音声の聞きやすさが重要です。高価なマイクを使用しても、部屋の反響や生活音が大きければ、物語へ集中しにくい音声になります。
最初に静かな場所と録音する時間帯を選び、マイクとの距離や声量を一定に保ちましょう。
録音する部屋の反響を減らす
家具が少なく、壁や床が硬い部屋では、声が反射して響きやすくなります。カーテン、カーペット、布製品などがある場所を選ぶと、反響を抑えやすくなります。
✓ 窓とドアを閉める
✓ エアコンや空気清浄機を止める
✓ パソコンのファンから離れる
✓ カーテンやカーペットを使用する
✓ 壁や机へマイクを近づけすぎない
✓ 車や人通りが少ない時間帯を選ぶ
✓ スマートフォンの通知音を切る
✓ 家族や同居人へ録音時間を伝える
完全な無音を目指す必要はありません。まずは短く試し録りを行い、イヤホンやヘッドホンで反響や生活音を確認しましょう。
朗読に使用するマイクを選ぶ
朗読はスマートフォンでも録音できますが、専用のマイクを使用すると、声を聞き取りやすく収録しやすくなります。
主な選択肢は次のとおりです。
✓ スマートフォンの内蔵マイク
✓ USBマイク
✓ コンデンサーマイク
✓ ダイナミックマイク
✓ ピンマイク
✓ ハンディレコーダー
USBマイクは、パソコンへ直接接続できる製品が多く、初めて音声収録をする方にも扱いやすい種類です。
コンデンサーマイクは細かな声や息遣いを収録しやすい一方、部屋の反響や周囲の音も拾いやすい傾向があります。ダイナミックマイクは周囲の音を抑えやすいものの、マイクへある程度近づいて話す必要があります。
高価なマイクを購入する前に、録音場所、声の大きさ、動画の本数、パソコンへ接続できるかを確認しましょう。
必要に応じてオーディオインターフェースを使用する
XLR端子で接続するマイクを使用する場合は、マイクとパソコンの間にオーディオインターフェースを接続します。
オーディオインターフェースを使用すると、マイクの入力音量を手元で調整しやすくなり、録音中の音声をヘッドホンで確認できます。
ただし、USBマイクやスマートフォンで録音する場合は、必ずしも必要ではありません。初めて朗読動画を制作する場合は、手持ちの機材で試し録りを行い、不足を感じてから追加する方法もあります。
あると便利な録音用品
朗読音声を安定して録音するために、次の用品が役立ちます。
✓ ポップガード
✓ マイクスタンドやマイクアーム
✓ ショックマウント
✓ 密閉型ヘッドホン
✓ ブックスタンド
✓ 吸音材
✓ 静かなマウスやキーボード
✓ 常温の水
ポップガードは、「ぱ行」や「ば行」などを発音したときにマイクへ強い息が当たる音を抑えるために使用します。
マイクを机へ直接置くと、ページをめくる動作や机へ触れた振動が入りやすくなります。マイクアームやショックマウントを使用すると、振動音を抑えやすくなります。
マイクとの距離と角度を一定にする
マイクへ近づいたり離れたりすると、声の大きさや音質が変わります。録音を始める前に位置を決め、読み終えるまで距離を保ちましょう。
✓ 口とマイクの距離を一定にする
✓ マイクを口の真正面から少し外す
✓ 大きな声を出す場面では急に近づかない
✓ 椅子やマイクスタンドの位置へ印を付ける
✓ 録り直すときも同じ位置へ戻る
✓ ページをめくる手をマイクへ近づけない
マイクを口の真正面から少し横へずらすと、息が直接当たりにくくなります。ただし、使用するマイクによって音を拾いやすい方向が異なるため、説明書も確認しましょう。
録音音量を試し読みで確認する
小さすぎる音声を編集で大きくすると、周囲のノイズも目立ちやすくなります。一方、入力音量が大きすぎると、音割れが発生し、後から修復することが難しくなります。
通常の文章だけでなく、感情を込める場面や大きな声を出す部分も試し読みし、録音音量を調整します。
録音中は、可能であればヘッドホンで音を確認します。声が左右のどちらかに偏っていないか、ノイズや反響が入っていないかも確認しましょう。
読み間違えた部分は少し前から読み直す
読み間違えた直後だけを言い直すと、前後で声の調子や間が合わなくなることがあります。
間違えた場合は一度止まり、文章の区切りや一文前から読み直しましょう。編集する位置を見つけやすくするため、手をたたく、指を鳴らす、数秒間の無音を入れるなど、音声に目印を残す方法もあります。
長い作品は、章や場面ごとに録音ファイルを分けます。ファイル名には作品名、章、収録順、録り直しの番号などを付けておくと、編集時に整理しやすくなります。
ノイズを消しすぎない
動画編集ソフトや音声編集ソフトでは、一定のノイズを軽減できます。しかし、ノイズ除去を強くかけすぎると、声がこもったり、金属のような不自然な音になったりすることがあります。
✓ 一定の空調音や機械音を軽減する
✓ 大きな物音は該当部分を録り直す
✓ 口の音や衣擦れを一つずつ確認する
✓ 無音部分をすべて削除しない
✓ 場面に必要な間を残す
✓ 編集後にイヤホンとスピーカーの両方で聞く
編集による修正を前提にせず、録音時にできるだけ聞きやすい音声を収録することが大切です。
💡 編集者のワンポイント
朗読を始める前に、誰も話していない状態の部屋の音を10~30秒ほど録音しておくと、空調音やパソコンのファンなど、録音環境に含まれるノイズを確認しやすくなります。編集時に音声のつなぎ目を整える際にも使用できるため、収録ごとに残しておくと便利です。
9.ジャンルに合わせた読み方のポイント
朗読では、すべての作品を同じ速さや声色で読む必要はありません。作品の対象年齢、内容、視聴する場面に合わせて、速さ、声量、間、感情の強さを調整します。
登場人物ごとに声を大きく変えることだけが、表現力ではありません。声の高さを少し変える、会話の前後に間を入れる、情景描写を落ち着いて読むなど、小さな変化でも場面を伝えられます。
小説・文学作品
小説や文学作品では、文章の雰囲気と情景を大切にします。
✓ 情景描写は落ち着いた速さで読む
✓ 会話と地の文の違いが分かるようにする
✓ 登場人物ごとに声を変えすぎない
✓ 重要な言葉の前後に短い間を入れる
✓ 句読点だけでなく文章の意味で区切る
✓ 感情を決めつけるような演技を避ける
登場人物を演じ分ける場合も、声色を極端に変える必要はありません。速さ、声の高さ、言葉の強さを少し変える方が、長時間でも聞き疲れしにくくなります。
絵本・子ども向け作品
絵本や子ども向け作品では、登場人物の違いや場面の変化を分かりやすく表現します。
✓ 明るい表情と聞き取りやすい声で読む
✓ 擬音や繰り返す言葉へリズムを付ける
✓ ページや場面が変わる部分で間を取る
✓ 登場人物の違いが分かる程度に声を変える
✓ 怖い声や大きな効果音を強くしすぎない
✓ 子どもだけでなく保護者も聞きやすい音量にする
すべての言葉を大げさに読むと、物語の大切な場面が分かりにくくなります。静かな部分と楽しい部分に差を付けましょう。
童話・昔話
童話や昔話は、ゆったりした語り口が合います。ただし、古い言葉や現在では使われることが少ない表現が含まれている場合があります。
録音前に難しい言葉、地名、人物名の読み方を調べます。意味を説明したい場合は、原文の途中へ自由に説明を加えるのではなく、朗読前後の解説として分けると、作品の文章と説明の違いが伝わりやすくなります。
古い表現を現代語へ置き換える場合は、原作や翻訳文の権利と、改変してよい範囲を確認しましょう。
怪談・ホラー作品
怪談では、低い声を出し続けるよりも、速さと間の変化を活用します。
✓ 怖い場面の前に少し長い間を入れる
✓ 重要な部分だけ声を小さくする
✓ 急いで読まず、情景を想像できる時間を作る
✓ 大きな効果音に頼りすぎない
✓ 緊張する場面でBGMを減らす
✓ 急な大音量がある場合は事前に案内する
声を小さくしすぎると、視聴者が音量を上げた直後に効果音が大きく聞こえることがあります。声、BGM、効果音の音量差に注意しましょう。
睡眠・リラックス向け朗読
睡眠やリラックスを目的とした朗読では、急な音量変化を避け、一定の速さと声量を保ちます。
✓ 通常より少しゆっくり読む
✓ 不自然に言葉を伸ばさない
✓ 語尾まで聞き取れる声量を保つ
✓ 呼吸音やリップノイズを抑える
✓ 強い演技や大きな効果音を避ける
✓ BGMの切り替わりを目立たせない
✓ 動画終了時の挨拶を急に大きくしない
雨音、波音、焚き火などの環境音を小さく重ねる方法もあります。環境音を入れる場合も、声を聞き取りにくくしない音量に調整します。
心地よい音の特徴を取り入れたい場合は1/fゆらぎ、声やページをめくる音を近くで聞かせたい場合はASMRの考え方も参考になります。
関連記事:1/fゆらぎの声とは?心地よく聞こえる理由とナレーションへの効果
詩・短歌・俳句
短い作品は、一語ごとの発音と間が印象を左右します。
✓ 読む前に作品全体の意味を確認する
✓ 一行ごとの区切りを意識する
✓ 言葉の余韻を残す
✓ 感情を強く付けすぎない
✓ BGMや映像を目立たせすぎない
✓ 同じ作品を異なる読み方で試し録りする
短いからこそ、読み終わった直後に次の案内を始めず、作品の余韻を感じられる時間を残しましょう。
オリジナル作品
自分で制作した作品では、作者自身が朗読する方法と、作品に合う声の人へ依頼する方法があります。
作者が読む場合は、制作時の意図を伝えやすい一方、文章として読むと息が続かない部分や、聞き取りにくい表現が見つかることもあります。
録音前に声へ出して読み、必要に応じて文章の長さや句読点を整えましょう。動画用の原稿として修正した場合は、元の文章と朗読用原稿を分けて保存しておくと管理しやすくなります。
自然に聞こえる速さを優先する
ゆっくり読めば、必ず聞きやすくなるわけではありません。言葉の間が長すぎたり、一語ずつ区切ったりすると、かえって意味をつかみにくくなります。
録音後は、次の点を確認します。
✓ 文章の意味が自然に伝わるか
✓ 早口になっている部分がないか
✓ 語尾が小さくなっていないか
✓ 息継ぎの位置が不自然ではないか
✓ 登場人物の違いが分かるか
✓ 感情が強すぎないか
✓ 長く聞いても疲れにくいか
自分では読み慣れている文章でも、初めて聞く人には速く感じられることがあります。可能であれば、作品を知らない人にも試聴してもらいましょう。
10.朗読動画にBGMは必要?
朗読動画にBGMは必須ではありません。作品の内容や声の聞きやすさによっては、BGMを入れない方が物語へ集中してもらえる場合があります。
BGMを付けるか迷ったときは、声だけの状態とBGMを重ねた状態を聞き比べましょう。音楽を入れたことで文章が聞き取りにくくなったり、作品の印象が変わったりする場合は、無理に使用する必要はありません。
BGMを付けるメリット
作品に合ったBGMを小さく流すと、動画の雰囲気や場面の変化を伝えやすくなります。
✓ 物語の世界観を作りやすい
✓ 場面や章の切り替わりを伝えられる
✓ 音声の無音部分を自然に聞かせられる
✓ 睡眠・リラックス向けの雰囲気を作れる
✓ 動画の始まりと終わりを分かりやすくできる
ただし、感動する場面へ必ず悲しい曲を付けるなど、音楽で感情を決めつけると、視聴者が自由に物語を受け取る余地を小さくすることがあります。
BGMは物語を説明するものではなく、朗読を補助するものとして使用しましょう。
BGMを入れない方がよい場合
次のような朗読では、BGMを使用しない方が聞きやすいことがあります。
✓ 声や文章の響きを大切にしたい作品
✓ 詩、短歌、俳句
✓ 静けさを活かした怪談
✓ 演技や会話の変化が多い小説
✓ ページをめくる音を聞かせたい動画
✓ 声だけで睡眠を促す朗読
✓ ASMR風に収録した朗読
BGMを入れない場合は、部屋の反響、口の音、空調音などが目立ちやすくなります。録音環境を整え、必要な間まで不自然に削除しないようにします。
環境音を使用する方法もある
音楽の代わりに、作品の情景に合った環境音を小さく流す方法があります。
✓ 雨音
✓ 波音
✓ 川や滝の音
✓ 風や木々の音
✓ 焚き火の音
✓ 鳥や虫の声
✓ 街や列車の音
環境音は、睡眠・リラックス向けの朗読や、自然を舞台にした作品と組み合わせやすい音です。
ただし、雨音や波音を長時間流すと、子音や語尾が聞き取りにくくなることがあります。声と同時に再生し、文章を無理なく聞き取れる音量へ調整しましょう。
作品のジャンルに合うBGMを選ぶ
BGMは、曲単体の好みではなく、朗読と重ねたときの聞こえ方で選びます。
✓ 絵本:明るく穏やかな曲
✓ 童話:温かみのある曲
✓ 文学作品:変化が少なく落ち着いた曲
✓ 怪談:低い音や控えめな環境音
✓ 睡眠向け:テンポと音量が安定した曲
✓ 詩:言葉の余韻を邪魔しない曲
歌詞がある曲は、朗読している文章と歌詞が重なり、内容を聞き取りにくくすることがあります。特別な理由がなければ、歌詞のないBGMを選びましょう。
場面ごとに曲を変えすぎない
映像作品のように場面ごとにBGMを変えることもできますが、短い間隔で曲が切り替わると、音楽の変化が気になり、朗読へ集中しにくくなります。
長い朗読では、次のような区切りで変更する方法があります。
✓ 章が変わるとき
✓ 時間や場所が大きく変わるとき
✓ 物語の前半と後半
✓ 朗読前の導入と本編
✓ 本編と終了時の案内
曲を切り替えるときは、音を急に止めず、少しずつ小さくしてから次の曲へ移します。
声より小さい音量にする
BGMの音量は、声より小さくします。編集画面では聞きやすくても、スマートフォンのスピーカーでは声とBGMが重なって聞こえることがあります。
✓ 通常の会話部分を聞き取れるか
✓ 小さな声の場面を聞き取れるか
✓ 語尾がBGMへ埋もれていないか
✓ 曲の盛り上がりだけ大きくならないか
✓ イヤホンでBGMが強く聞こえないか
✓ スマートフォンでも文章が伝わるか
自動でBGMの音量を下げる機能を使用する場合も、すべてを機能任せにせず、完成した動画を最初から最後まで確認します。
使用できるBGMか確認する
インターネットで見つけた音楽を、朗読動画へ自由に使用できるとは限りません。「フリーBGM」と書かれている音源にも、利用条件が設けられている場合があります。
✓ YouTubeへの投稿
✓ 商用利用
✓ 動画の収益化
✓ 音源の編集や長さの変更
✓ クレジット表記
✓ 使用できるチャンネル数
✓ 音源を使用できる期間
✓ 企業や商品のPR動画への使用
音源をダウンロードしたときは、曲名、制作者名、配布元のURL、利用規約、ダウンロード日などを保存しておきましょう。利用条件を確認しやすい選択肢として、YouTubeオーディオライブラリがあります。
11.YouTubeオーディオライブラリの使い方
YouTubeオーディオライブラリでは、YouTube Studioから動画に使用できる音楽や効果音を探せます。
朗読動画のBGMを初めて探す場合にも利用しやすく、ジャンル、ムード、曲の長さなどから、作品の雰囲気に合う音源を絞り込めます。
YouTubeオーディオライブラリを開く
基本的な利用手順は次のとおりです。
1.YouTube Studioへログインする
2.画面左側のメニューから「オーディオライブラリ」を選ぶ
3.音楽または効果音を選ぶ
4.検索や絞り込み機能で音源を探す
5.再生ボタンを押して試聴する
6.ライセンスと帰属表示の条件を確認する
7.ダウンロードボタンから音源を保存する
8.動画編集ソフトへ読み込む
YouTube Studioの画面や項目名は変更される可能性があります。見つからない場合は、YouTubeヘルプで最新の利用方法を確認しましょう。
参考:YouTubeヘルプ「オーディオライブラリの音楽と効果音を使用する」
ジャンルやムードから絞り込む
曲数が多いため、一曲ずつ聞くのではなく、朗読する作品の雰囲気から絞り込みます。
✓ ジャンル
✓ ムード
✓ アーティスト名
✓ 曲の長さ
✓ 帰属表示の要否
✓ キーワード
たとえば、明るい絵本には穏やかで楽しい曲、怪談には変化が少なく緊張感のある曲、睡眠向け朗読にはテンポと音量が安定した曲が合います。
希望する曲が見つからない場合は、日本語だけでなく、作品の雰囲気を表す英単語でも検索してみましょう。
朗読音声と重ねて試聴する
BGMだけを聞いたときに良い曲でも、朗読と重ねると声を邪魔する場合があります。
音源を選ぶときは、次の点を確認します。
✓ 音の変化が激しくないか
✓ 高い音が声と重なっていないか
✓ 曲の盛り上がりで朗読が聞こえにくくならないか
✓ 作品の時代や雰囲気に合っているか
✓ 同じ部分を繰り返しても不自然ではないか
✓ 動画の長さに合わせて編集しやすいか
候補を数曲ダウンロードし、同じ朗読音声へ重ねて比較すると選びやすくなります。
帰属表示が必要か確認する
YouTubeオーディオライブラリの音源には、帰属表示が必要なものと、必要のないものがあります。
帰属表示が必要な音源を使用するときは、音源の詳細に表示されるクレジット情報を確認し、指定された内容を動画の概要欄へ記載します。
✓ 曲名
✓ アーティスト名
✓ ライセンス情報
✓ 指定されたクレジット文
✓ 必要に応じて掲載するURL
クレジット文は自己流に短くせず、表示された内容をコピーして使用しましょう。
音源の情報を保存する
動画を公開した後に、使用した曲や当時の利用条件を確認できるようにします。
✓ 音源ファイル
✓ 曲名
✓ アーティスト名
✓ ダウンロードした日
✓ ライセンスの種類
✓ 帰属表示の要否
✓ 概要欄へ記載したクレジット
✓ 音源を使用した動画
音源ファイルの名前を変更する場合も、元の曲名やアーティスト名が分かる管理表を用意すると確認しやすくなります。
効果音を増やしすぎない
オーディオライブラリでは、音楽だけでなく効果音も探せます。
ページをめくる音、雨、風、ドア、足音などを場面に合わせて使用できますが、すべての動作へ効果音を付ける必要はありません。
効果音が多いと、視聴者が文章よりも音の変化へ意識を向けてしまいます。物語の重要な場面や、映像だけでは分かりにくい動きを補う範囲で使用しましょう。
YouTube以外で使用するときも条件を確認する
YouTube用にダウンロードした音源を、ほかのSNS、Webサイト、広告、販売用の動画などへ使用したい場合は、各音源のライセンス条件を確認します。
YouTubeで使用できることと、すべての媒体や用途で自由に使用できることは同じではありません。
朗読動画をInstagram、TikTok、自社サイトなどにも掲載する予定がある場合は、制作前に使用できる範囲を確認し、必要に応じて複数媒体での利用が認められた音源を選びましょう。
12.朗読の声を外部のナレーターへ依頼する方法
朗読動画を制作したいものの、自分の声を公開したくない場合や、作品に合った声で読んでほしい場合は、音声収録だけを外部のナレーターへ依頼できます。
依頼者が作品、原稿、映像を用意し、ナレーターから納品された音声を動画へ組み合わせる方法です。
ただし、ナレーターへ料金を支払っても、小説や絵本を朗読動画として公開する権利まで得られるわけではありません。使用する作品の許可は、依頼者側で事前に確認します。
作品に合う声を選ぶ
ナレーターを選ぶときは、声の高さや性別だけでなく、作品の雰囲気や想定している視聴者との相性を確認します。
✓ 絵本に合う明るく親しみやすい声
✓ 文学作品に合う落ち着いた声
✓ 怪談に合う静かで緊張感のある声
✓ 睡眠向けに合う穏やかな声
✓ 登場人物を自然に演じ分けられる声
✓ 長時間でも聞き疲れしにくい声
依頼前にサンプルボイスを聞き、通常のナレーションだけでなく、会話、感情表現、長文の読み方も確認しましょう。
有名なナレーターや声優であることより、朗読する作品に合っていることを優先します。
朗読用の原稿を用意する
ナレーターへ本を渡し、最初から最後までそのまま読んでもらうのではなく、確定した朗読用原稿を用意します。
原稿には、次の情報を記載します。
✓ 作品名と作者名
✓ 読み上げる本文
✓ 読まない注釈やページ番号
✓ 固有名詞や難読漢字の読み方
✓ 登場人物の名前と特徴
✓ 声を変えてほしい部分
✓ 間を入れる位置
✓ 感情の強さ
✓ 読む速さ
✓ ファイルを分ける位置
読み方が複数考えられる言葉には、ふりがなを付けます。特殊な地名、人名、造語などは、依頼者が読んだ参考音声も渡すと伝わりやすくなります。
希望する読み方を具体的に伝える
「優しく」「感動的に」といった短い指示だけでは、依頼者とナレーターで完成イメージが異なる場合があります。
✓ 子どもへ語りかけるように読む
✓ 演技を控え、文章を落ち着いて伝える
✓ 会話部分だけ少し明るくする
✓ 怖い場面でも声を低くしすぎない
✓ 睡眠向けのため急な音量変化を避ける
✓ 一分間に読む文字数の目安を伝える
✓ 参考にしてほしい音声や動画を共有する
特に重要な部分は、短いテスト音声を依頼し、読み方を確認してから本収録へ進む方法もあります。
録音方法と納品形式を確認する
ナレーターが自宅で録音する宅録と、録音スタジオを使用する方法があります。
宅録は依頼しやすく費用を抑えられる場合がありますが、使用する機材や部屋の環境によって音質が異なります。スタジオ収録は環境を整えやすい一方、スタジオ代や立ち会い費用などが必要になることがあります。
依頼前に、次の内容を決めます。
✓ 宅録またはスタジオ収録
✓ WAVやMP3などのファイル形式
✓ サンプルレートやビット深度
✓ モノラルまたはステレオ
✓ ノイズ除去を行うか
✓ 一つの音声または章ごとに分けるか
✓ ファイル名の付け方
✓ 納品期限
✓ 元の未加工音声も納品するか
動画編集で音量やノイズを調整する場合は、過度に加工されていない音声も受け取れるか確認しましょう。
修正できる範囲を決める
納品後の修正条件は、依頼前に確認します。
✓ 読み間違いの修正
✓ アクセントの修正
✓ 指示と異なる読み方の修正
✓ 依頼後に原稿を変更する場合の料金
✓ 演技や声の雰囲気を変更する場合の料金
✓ 無料修正の回数
✓ 修正を依頼できる期間
ナレーターの読み間違いと、依頼者による原稿変更では、修正の扱いが異なることがあります。
完成後に文章を変更すると、前後の声質や録音環境が変わる場合もあります。原稿を確定してから依頼しましょう。
音声を使用できる範囲を確認する
納品された音声を、どこで、どのように使用できるのかを決めます。
✓ YouTubeの通常動画
✓ YouTube Shorts
✓ InstagramやTikTok
✓ Webサイト
✓ 広告として配信する動画
✓ 収益化したチャンネル
✓ 別の動画への再利用
✓ 公開できる期間
✓ 使用できるチャンネルやアカウント
✓ 音声を編集・分割できるか
YouTube動画での使用許可を得ていても、広告、商品販売、別のSNSへの掲載が含まれていない場合があります。今後利用する可能性がある媒体も事前に伝えましょう。
実績公開やクレジット表記を確認する
ナレーター名を動画や概要欄へ表示するか、ナレーター側が完成動画を実績として公開できるかも確認します。
作品の公開前に、ナレーターがSNSなどで内容を紹介すると、未公開情報が伝わる可能性があります。公開日まで作品名や内容を伏せてほしい場合は、その条件も依頼時に共有します。
✓ ナレーター名を表示するか
✓ 概要欄へリンクを掲載するか
✓ ナレーター側の実績公開を認めるか
✓ 公開前にSNSで紹介してよいか
✓ 守秘義務が必要か
✓ 継続シリーズでも同じ声を依頼できるか
作品の権利、朗読音声の使用範囲、実績公開の条件を整理しておくと、公開後のトラブルを防ぎやすくなります。
関連記事:動画ナレーションを外注する方法
13.朗読動画を公開する前に確認すること
朗読動画の編集が終わったら、映像だけでなく、作品の権利、音声、概要欄、公開設定まで確認します。
長い動画は、公開後に誤りが見つかると録り直しや再編集に時間がかかります。限定公開で最初から最後まで再生し、スマートフォンやイヤホンでも確認しましょう。
作品と素材の権利を再確認する
録音前に許可を確認していても、編集の途中で画像、BGM、効果音などを追加している場合があります。
✓ 朗読する作品の利用許可を得ているか
✓ 許可された範囲だけを朗読しているか
✓ 公開期間や収益化の条件を守っているか
✓ 絵本のページや挿絵を使用できるか
✓ 表紙をサムネイルへ使用できるか
✓ 本文を字幕として表示できるか
✓ BGMや効果音を動画へ使用できるか
✓ 写真や映像素材の利用条件を守っているか
✓ 必要なクレジットを記載しているか
許可を得たメール、申請書、利用規約、ライセンスなどは、動画を公開した後も保存します。
作品情報とクレジットを概要欄へ記載する
必要に応じて、概要欄へ次の情報を記載します。
✓ 作品名
✓ 著作者名
✓ 翻訳者や再話者
✓ 出版社
✓ 使用した底本
✓ 朗読者またはナレーター名
✓ BGMの曲名と制作者名
✓ 写真、映像、イラストの提供元
✓ 許可条件で指定された文章やURL
✓ 関連動画や再生リスト
作者名や出版社名を書くだけで、無断利用が認められるわけではありません。クレジット表記と利用許可は分けて考えます。
読み間違いと音声を確認する
文章を見ながら完成動画を再生し、読み飛ばしや言い間違いがないか確認します。
✓ 人名や地名を正しく読んでいるか
✓ 文章を読み飛ばしていないか
✓ 同じ文章を二度読んでいないか
✓ 録り直した部分の声質が変わっていないか
✓ 不自然に長い無音がないか
✓ 必要な間を削りすぎていないか
✓ 音割れやノイズがないか
✓ ページをめくる音が大きすぎないか
字幕を表示する場合は、朗読内容と一致しているか、誤字・脱字がないかも確認します。
複数の機器で音量を確認する
編集に使用したヘッドホンだけでなく、異なる環境で聞こえ方を確認します。
✓ スマートフォンのスピーカー
✓ パソコンのスピーカー
✓ イヤホン
✓ ヘッドホン
✓ テレビ
BGMや環境音が声を隠していないか、効果音だけが急に大きくならないかを確認します。
睡眠・リラックス向けの動画では、冒頭、広告の前後、終了時の案内などで音量が急に変わらないようにしましょう。
映り込みと個人情報を確認する
朗読者の顔を出さない動画でも、手元、窓、鏡、眼鏡、本の光沢などに周囲が映り込むことがあります。
✓ 家族やスタッフの顔
✓ 住所が分かる郵便物
✓ 氏名や連絡先が書かれた書類
✓ パソコンやスマートフォンの画面
✓ 窓から見える場所
✓ 鏡やガラスに映った撮影者
✓ 本へ反射した照明やカメラ
✓ 通知音や会話に含まれる個人情報
編集画面では小さく見えていても、テレビなどの大きな画面では内容を確認できる場合があります。一時停止しながら細部まで確認します。
子ども向け動画に該当するか確認する
絵本や童話を朗読する動画は、作品や見せ方によって子ども向けコンテンツに該当する場合があります。
動画の対象が子どもであるかを確認し、YouTube Studioで適切な視聴者設定を行います。絵本を使用しているという理由だけで判断せず、作品の対象年齢、言葉遣い、登場人物、映像、音楽など、動画全体の内容を確認しましょう。
子ども向けとして設定した動画では、コメントなど一部の機能が制限される場合があります。公開後の案内方法も考えておきます。
限定公開で最終確認する
完成した動画を一度限定公開にすると、実際のYouTube上での見え方を確認できます。
✓ タイトルが途中で切れていないか
✓ サムネイルの文字をスマートフォンで読めるか
✓ 字幕を適切な位置に表示できているか
✓ 概要欄の改行やURLが正しいか
✓ 終了画面が映像や文字と重なっていないか
✓ チャプターが正しく動作するか
✓ 著作権に関する通知が表示されていないか
✓ 公開日時や視聴者設定が正しいか
ナレーターや著作権者による公開前確認が必要な場合は、限定公開のURLを共有します。確認が完了してから、公開または予約投稿へ切り替えましょう。
まとめ
朗読動画は、小説、絵本、童話、怪談、詩、オリジナル作品などを声で届ける動画です。朗読者の顔を撮影する方法だけでなく、手元、風景、イラスト、音声波形などを表示し、顔を出さずに制作することもできます。
市販されている本を購入しただけでは、その内容を自由に朗読してYouTubeへ公開できるとは限りません。著作権が存続している作品は、朗読、動画公開、収益化について、出版社や著作権者の利用条件を確認しましょう。
文章の朗読が認められていても、絵本のページ、表紙、挿絵、キャラクター、本文の字幕表示まで自由に使用できるとは限りません。それぞれの利用可否を分けて確認する必要があります。
作中に歌う場面がある場合は、絵本の利用許可だけでなく、歌詞、メロディー、伴奏音源などの権利も確認します。権利を確認できない場合や歌うことが難しい場合は、無理に歌わず、声の明るさや間で場面を表現する方法があります。
朗読動画では、映像の豪華さよりも、声の聞き取りやすさが重要です。静かな部屋を選び、マイクとの距離と録音音量を一定に保ちます。部屋の反響、生活音、リップノイズ、ページをめくる音なども試し録りで確認しましょう。
読み方は、作品のジャンルや視聴する場面に合わせます。絵本では登場人物や場面の違いを分かりやすくし、怪談では間を活かし、睡眠・リラックス向けでは急な音量変化を避けます。声色を大きく変えるだけでなく、速さ、間、声の高さを少し変えることでも情景を伝えられます。
BGMは必須ではありません。使用する場合は、声より小さな音量にし、歌詞がなく、変化の激しくない曲を選びます。YouTubeオーディオライブラリなどから音源を探し、帰属表示や利用条件を確認したうえで使用しましょう。
ページをめくる音や耳元で語りかけるような声を活かしたい場合は、ASMR風の朗読動画も制作できます。マイクや録音時の注意点については、次の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:ASMR動画の作り方|撮影・録音のコツと失敗を防ぐ注意点
自分で朗読することが難しい場合は、外部のナレーターへ声だけ依頼する方法もあります。
作品に合う声を選び、確定した原稿、読み方、利用媒体、修正条件、実績公開の可否などを事前に共有しましょう。
株式会社インテックでは、撮影済みの映像や録音済みの音声をもとに、YouTube動画の編集を行っています。音声の調整、BGMや効果音、字幕、画像の挿入、サムネイルなどをまとめて依頼できます。
朗読音声は自分で収録し、映像の構成や音声調整だけを依頼したい場合も、お気軽にご相談ください。
株式会社インテック「SNS動画制作」
MOVIE CREATION
伝わる動画を、企業の力に。
株式会社インテックでは、YouTube・SNS動画・採用動画・企業紹介動画など、
お客様の目的に合わせた動画制作を行っています。
撮影済みの素材を活用した動画編集についても、お気軽にご相談ください。
