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動画編集を外注するときの守秘義務|秘密保持契約(NDA)が重要な理由
動画編集を外注するときは、公開前の映像、個人情報、社内資料などを編集会社へ渡すことがあります。秘密保持契約(NDA)を締結する理由やタイミング、契約書で確認したい内容、編集素材の管理方法、完成動画を制作実績として掲載するときの注意点を解説します。

動画編集を外注するときは、完成した動画だけでなく、公開前の映像、社内資料、顧客情報、出演者の個人情報なども編集会社へ渡すことがあります。
新商品を発表する前の映像や、公開前の採用動画が外部へ漏れると、企業の信用や事業計画に影響する可能性があります。インタビュー動画や社内向け動画には、氏名、顔、声、連絡先など、慎重な取り扱いが必要な情報が含まれることもあります。
このような情報を守るために締結するのが、秘密保持契約(NDA)です。NDAでは、秘密として扱う情報、使用できる目的、第三者への提供、契約終了後の取り扱いなどを定めます。
ただし、NDAを締結するだけで情報漏洩を完全に防げるわけではありません。動画データの共有方法、保存先、アクセスできる担当者、外部スタッフへの再委託、納品後の削除など、実際の管理体制も確認する必要があります。
また、完成した動画が一般公開された後も、編集会社が制作実績として自由に紹介できるとは限りません。守秘義務や契約内容によっては、企業名や制作への関与を公表できない場合があります。
この記事では、動画編集を外注するときに秘密保持契約が必要になる理由、締結するタイミング、契約書で確認したい内容、編集素材の管理方法、制作実績として掲載するときの注意点まで解説します。
この記事で分かること
✓ 動画編集の外注で守秘義務が重要になる理由。
✓ 秘密保持契約(NDA)の基本的な役割。
✓ 動画素材に含まれる機密情報や個人情報。
✓ NDAを締結する適切なタイミング。
✓ 契約書で確認しておきたい内容。
✓ 外部スタッフへの再委託やクラウド共有の注意点。
✓ 納品後のデータ保存・返却・削除について。
✓ 完成動画を制作実績として掲載するときの確認事項。
✓ 情報管理を任せられる動画編集会社の選び方。
目次
- 1.動画編集を外注するときに守秘義務が重要な理由
- 2.秘密保持契約(NDA)とは
- 3.動画編集で秘密として扱われる情報
- 4.動画編集の外注で考えられる情報漏洩のリスク
- 5.NDAを締結するタイミング
- 6.秘密保持契約で確認したい内容
- 7.動画素材を安全に共有・管理する方法
- 8.外部スタッフへの再委託を確認する
- 9.納品後のデータ保存・返却・削除
- 10.完成動画を制作実績として掲載するときの注意点
- 11.個人の編集者と動画編集会社へ依頼する場合の違い
- 12.守秘義務を任せられる動画編集会社の選び方
- 13.まとめ
1.動画編集を外注するときに守秘義務が重要な理由
動画編集を外注すると、撮影した映像や音声だけでなく、台本、字幕原稿、出演者情報、企業ロゴ、公開予定日なども外部の編集者へ渡すことになります。
完成した動画では使用しない場面にも、社内情報や個人情報が含まれている場合があります。納品される動画だけでなく、編集前の素材全体を適切に管理することが大切です。
公開前の情報を編集会社へ渡すことがある
動画制作では、一般に公開される前の情報を編集会社が先に確認することがあります。
✓ 発売前の商品やサービス
✓ 公開前のキャンペーン情報
✓ 発表前の人事や採用情報
✓ 社内向けの説明資料
✓ 開発中の商品や設備
✓ 未公開の店舗や施設
✓ 動画の公開日や広告計画
✓ 取引先との共同企画
✓ 決算や事業計画に関する情報
情報が予定より早く外部へ漏れると、発表内容の変更、公開の延期、関係者への説明などが必要になる可能性があります。
動画編集会社には、完成動画が公開されるまで情報を外部へ出さず、依頼された編集以外の目的で使用しないことが求められます。
編集前の素材には完成動画にない情報も含まれる
撮影素材には、実際に公開する場面だけでなく、撮影前後の会話、言い間違い、スタッフの指示、撮り直した場面なども含まれます。
✓ 出演者同士の私的な会話
✓ スタッフが氏名を呼んでいる音声
✓ 撮影場所の住所や位置情報
✓ ホワイトボードやパソコン画面
✓ 顧客名や取引先名が書かれた資料
✓ 社内システムの画面
✓ 公開しないことになった発言
✓ 採用しなかった演出や企画
✓ 動画に出演しない人の顔や声
完成動画では削除する予定の情報でも、編集者は作業中に確認することになります。
そのため、「公開する動画に問題がなければよい」と考えるのではなく、編集前の素材を誰が閲覧し、どこへ保存するのかまで確認する必要があります。
出演者や顧客の個人情報を扱うことがある
インタビュー動画、採用動画、セミナー動画、店舗紹介動画などには、個人を識別できる情報が含まれる場合があります。
✓ 出演者の顔や声
✓ 氏名や所属部署
✓ メールアドレスや電話番号
✓ 名札や社員証
✓ 顧客名や予約情報
✓ 車のナンバープレート
✓ 自宅や勤務先が分かる背景
✓ 病歴や相談内容など慎重な取り扱いが必要な情報
個人データの取り扱いを外部へ委託する場合、委託元には委託先を必要かつ適切に監督することが求められる場合があります。
契約を締結するだけでなく、編集会社の管理体制やデータの取り扱い方法を確認することも重要です。
参考:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」
情報漏洩は公開後に元へ戻せない
動画素材が一度インターネットや第三者へ流出すると、すべてのコピーを回収することは困難です。
✓ 未公開情報をSNSへ投稿される
✓ 動画素材を別の仕事へ流用される
✓ クラウドストレージの共有設定を誤る
✓ 誤った相手へダウンロードURLを送る
✓ 編集用の端末を紛失する
✓ 退職・契約終了後もデータが残る
✓ 外部スタッフから情報が漏れる
✓ 制作実績として無断で掲載される
情報漏洩は、編集者による意図的な公開だけで起きるものではありません。共有設定の間違い、端末の紛失、パスワードの使い回しなどによって発生する可能性もあります。
秘密保持契約によって取り扱いの基準を共有できる
秘密保持契約を締結すると、どの情報を秘密として扱うのか、何のために使用できるのかなどを、依頼者と編集会社の間で確認できます。
✓ 秘密として扱う情報
✓ 情報を使用できる目的
✓ 閲覧できる担当者
✓ 第三者へ提供できる条件
✓ 外部スタッフへ再委託する場合の扱い
✓ 契約終了後の守秘義務
✓ データの返却や削除
✓ 情報漏洩が起きた場合の報告
✓ 制作実績として掲載できる範囲
口頭で「秘密にしてください」と伝えるだけでは、双方が想定している範囲が異なる場合があります。
契約書として取り扱いを整理することで、編集担当者だけでなく、素材を共有する関係者も同じ基準で判断しやすくなります。
NDAだけで情報漏洩を完全に防げるわけではない
秘密保持契約は重要ですが、契約書へ署名すれば自動的に情報が守られるわけではありません。
✓ データの共有方法
✓ パスワードやアクセス権の管理
✓ 編集に使用する端末
✓ 素材を閲覧できる担当者
✓ 外部スタッフへの再委託
✓ クラウドサービスの利用
✓ バックアップの保存場所
✓ 納品後のデータ削除
✓ 情報漏洩が起きた場合の連絡体制
IPAも、外部委託先について、契約内容だけでなくセキュリティ対策の状況を確認することの重要性を示しています。
NDAと実際の管理体制を組み合わせて、動画素材を守る必要があります。
参考:IPA「サイバーセキュリティリスクのある委託先の特定と対策状況の確認」
実績を公開しないことも守秘義務の一つ
動画編集会社にとって、制作実績は技術や経験を伝えるための重要な情報です。
しかし、完成した動画が一般公開されていても、編集会社が企業名や制作への関与を自由に公表できるとは限りません。
✓ 制作会社名を公表しない契約になっている
✓ 制作実績への掲載許可を得ていない
✓ 素材の使用目的が納品までに限定されている
✓ 出演者から実績掲載の同意を得ていない
✓ 依頼者が外注先を公開していない
✓ 広告やキャンペーンの契約条件がある
実績が掲載されていないことだけで、動画編集の経験が少ないとは判断できません。
依頼者との契約や守秘義務を優先し、許可を得た実績だけを紹介している動画編集会社もあります。
2.秘密保持契約(NDA)とは
秘密保持契約は、企業や個人が業務上知った情報を、決められた目的以外で使用したり、第三者へ漏らしたりしないために締結する契約です。
英語の「Non-Disclosure Agreement」を略して、NDAとも呼ばれます。
動画編集を外注する場合は、依頼者が動画編集会社や編集者へ素材を渡す前に、秘密として扱う情報や使用できる範囲などを確認します。
秘密情報の取り扱いを決める契約
NDAは、単に「秘密を漏らさない」と約束するだけの契約ではありません。
一般的には、次のような内容を取り決めます。
✓ 何を秘密情報として扱うのか
✓ 秘密情報を何の目的で使用できるのか
✓ 誰まで秘密情報を共有できるのか
✓ 第三者への開示を認める条件
✓ 情報を安全に管理する方法
✓ 契約終了後の返却や削除
✓ 秘密を守る期間
✓ 情報漏洩が発生した場合の対応
たとえば、動画編集のために受け取った素材を、編集作業以外の目的で使用しないことや、依頼者の許可なく第三者へ渡さないことなどを明確にします。
具体的にどのような項目を確認するのかは、後半の「6.秘密保持契約で確認したい内容」で詳しく解説します。
一方だけでなく双方が秘密情報を渡す場合もある
依頼者だけが秘密情報を渡す場合は、動画編集会社や編集者が秘密保持義務を負う形にできます。
一方、打ち合わせや制作の過程では、動画編集会社側も独自の編集方法、料金に関する資料、制作体制などを共有することがあります。その場合は、双方が相手から受け取った情報を秘密として扱う契約も考えられます。
どちらか一方だけが義務を負うのか、双方が義務を負うのかは、実際に交換する情報に合わせて決めます。
業務委託契約書へ守秘義務を記載する方法もある
秘密保持については、NDAを独立した契約書として作成する方法と、動画編集の業務委託契約書へ守秘義務条項を入れる方法があります。
✓ NDAを別に締結する
✓ 業務委託契約書の中に守秘義務条項を設ける
✓ NDAと業務委託契約書の両方を締結する
動画素材や企画書を、正式な発注前の相談・見積もり・テスト編集の段階で渡す場合は、業務委託契約の前にNDAを締結する方法があります。
業務委託契約書へ守秘義務を記載する場合でも、秘密情報の範囲や契約終了後の取り扱いまで確認することが大切です。契約書の名称だけではなく、実際に何が定められているかを確認しましょう。
NDAだけでは決まらないこともある
NDAを締結しても、動画制作に関するすべての権利や条件が自動的に決まるわけではありません。
次のような内容は、業務委託契約書などで別に定める必要があります。
✓ 完成動画や編集データの著作権
✓ 制作した動画を使用できる範囲
✓ 修正回数や追加料金
✓ 納期や納品方法
✓ 元データやプロジェクトファイルの取り扱い
✓ 完成動画を制作実績として掲載できるか
✓ 素材に含まれる音楽・写真・出演者などの権利
特に、秘密保持と制作実績への掲載許可は分けて考える必要があります。動画が一般公開されたからといって、編集会社が依頼者名や制作への関与を自由に公表できるとは限りません。
雛形をそのまま使用せず、依頼内容に合わせる
公的機関が公開している契約書の雛形やモデル契約書は、確認項目を整理するときの参考になります。
ただし、企業紹介、採用、商品発表、医療、教育、社内研修など、動画の内容によって扱う情報や漏洩した場合の影響は異なります。
既存の雛形をそのまま使用するのではなく、実際に渡す素材、作業方法、再委託の有無、保存期間などに合わせて内容を調整しましょう。重要な情報を扱う場合や契約内容の判断が難しい場合は、弁護士などの専門家へ確認する方法もあります。
特許庁では、秘密保持契約書を含むモデル契約書や、条項ごとの解説資料を公開しています。
契約を締結した後の運用も必要
NDAを締結していても、素材を誰でも閲覧できる場所へ保存したり、必要以上のスタッフへ共有したりすれば、情報漏洩のリスクは残ります。
✓ 素材へアクセスできる人を限定する
✓ 共有リンクへ期限やパスワードを設定する
✓ 私物端末への保存ルールを決める
✓ 再委託するときは事前に確認する
✓ 不要になったデータを返却または削除する
✓ 情報漏洩が疑われる場合の連絡方法を決める
契約書を作成して終わりにせず、実際の編集作業でも契約内容に沿って素材を管理することが重要です。
参考:INPIT知財総合支援窓口「輸出ビジネスにおけるNDA活用セミナーのご案内」
3.動画編集で秘密として扱われる情報
動画編集で秘密として扱われる情報は、公開前の映像だけではありません。
撮影素材に映り込んだ書類、出演者の会話、ファイル名、企画書、顧客情報など、完成動画では削除される情報も含めて確認する必要があります。
何を秘密情報として扱うかは、NDAや業務委託契約書で具体的に定めます。
公開前の映像・音声
公開前の動画素材は、代表的な秘密情報の一つです。
✓ 新商品や新サービスの紹介動画
✓ 公開前の広告やキャンペーン動画
✓ 発表前の採用・人事に関する動画
✓ 社内研修や会議の記録映像
✓ インタビューの未編集データ
✓ YouTube動画やオンライン講座の公開前素材
✓ イベントやセミナーの収録データ
発売日や情報解禁日が決まっている場合、短時間の流出でも企業の発表計画へ影響する可能性があります。
素材の共有時には、公開予定日や情報解禁日も編集会社へ伝えておきましょう。
完成動画で使用しない未編集部分
撮影したままの素材には、完成動画へ使用しない会話や場面が含まれていることがあります。
✓ 撮影開始前後の出演者同士の会話
✓ 言い間違いや撮り直し
✓ 社内スタッフによる指示や確認
✓ 公開を想定していない発言
✓ 編集で削除する予定の説明
✓ カメラの位置を調整している場面
✓ 休憩中の様子や雑談
完成動画に映らない部分だからといって、取り扱いが不要になるわけではありません。
編集者は完成前の素材全体を確認するため、公開しない部分も含めて秘密保持の対象として考える必要があります。
出演者や顧客の個人情報
映像や音声から特定の個人を識別できる場合は、個人情報に該当する可能性があります。
✓ 出演者や顧客の氏名
✓ 顔や声
✓ 住所や電話番号
✓ メールアドレス
✓ 勤務先や所属部署
✓ 社員証や名札
✓ 車両のナンバープレート
✓ 病歴や健康状態に関する情報
✓ 履歴書や応募書類
✓ 契約書や申込書に記載された情報
顔や声だけでは判断できない場合でも、氏名、所属、撮影場所など、ほかの情報と組み合わせることで個人を識別できることがあります。
個人情報保護委員会のガイドラインでは、映像や音声も、特定の個人を識別できる場合は個人情報に該当し得ることが示されています。
参考:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」
撮影場所に映り込んだ情報
動画の主役ではない背景にも、公開できない情報が映り込むことがあります。
✓ ホワイトボードに書かれた予定や売上
✓ パソコン画面に表示されたメールや顧客情報
✓ 机に置かれた契約書や請求書
✓ 社内システムの画面
✓ 入退室用のカードや暗証番号
✓ 未公開の商品や試作品
✓ 従業員や来訪者の顔
✓ 住所を特定できる表札や周辺の景色
撮影時には気づかなかった小さな文字でも、高画質の映像を拡大すると読める場合があります。
編集でぼかしやトリミングを行う予定であっても、加工前の元データには情報が残っています。そのため、完成動画だけでなく元データの管理も重要です。
企画書・台本・制作に関する資料
動画編集会社へ渡す資料も、秘密情報に含めることを検討します。
✓ 動画の企画書や構成案
✓ 台本やナレーション原稿
✓ 絵コンテや撮影指示書
✓ 公開スケジュール
✓ 広告の配信計画
✓ 商品やサービスの価格情報
✓ 売上や予算に関する資料
✓ 社内向けの修正指示
✓ 動画の分析結果や運用方針
✓ 編集用アカウントや共有先の情報
動画そのものを公開した後も、制作費、社内の確認過程、公開前の修正内容まで公表してよいとは限りません。
公開後も秘密として扱いたい情報がある場合は、契約終了後も守秘義務が続くように期間を確認します。
ファイル名やデータに付随する情報
映像の内容だけでなく、ファイル名やフォルダ名などから情報が分かることもあります。
たとえば、ファイル名に商品名、出演者名、企業名、公開日などが入っていれば、映像を開かなくても企画内容を推測できます。
✓ 動画や音声のファイル名
✓ フォルダ名
✓ 撮影日時
✓ 撮影場所に関する位置情報
✓ 出演者や担当者の名前
✓ 編集ソフトのプロジェクトファイル
✓ 修正指示が残ったコメント
✓ クラウドストレージの共有履歴
素材を受け渡すときは、映像の中身だけでなく、データに付随する情報も含めて管理しましょう。
秘密情報の範囲を具体的に共有する
依頼者が秘密だと考えていても、その範囲が編集会社へ正確に伝わっていなければ、認識の違いが生じる可能性があります。
✓ 動画素材全体を秘密として扱う
✓ 指定した資料だけを秘密として扱う
✓ 口頭で伝えた情報も対象にする
✓ 公開後も制作過程は公表しない
✓ 企業名や依頼を受けた事実も公表しない
✓ 完成動画を制作実績として掲載しない
特に守りたい情報がある場合は、素材を渡す際に「機密」「社外秘」「公開前」などと分かるように示す方法があります。
ただし、表示を付けるだけでなく、契約書や共有ルールでも秘密情報の範囲を明確にすることが大切です。
4.動画編集の外注で考えられる情報漏洩のリスク
情報漏洩は、悪意のある持ち出しだけで起こるものではありません。
共有先の間違い、クラウドストレージの設定ミス、端末の紛失など、日常的な作業の中でも発生する可能性があります。
動画データは容量が大きく、複数のサービスや端末を使って受け渡すこともあるため、どこでリスクが生じるのかを確認しておきましょう。
共有リンクの送信先を間違える
動画素材をメールやチャットで共有するときに、別の取引先や関係のない人へリンクを送ってしまうことがあります。
✓ 宛先のメールアドレスを間違える
✓ 同じ名前の担当者を選択する
✓ 別案件のチャットへリンクを送る
✓ 過去に使用した共有リンクを流用する
✓ ファイル名が似ている別の動画を送る
共有リンクにパスワードや有効期限が設定されていない場合、誤って受け取った人がそのまま素材を閲覧できる可能性があります。
送信前に、宛先、ファイル名、共有するフォルダの中身を確認することが必要です。
クラウドストレージの公開範囲が広くなっている
オンラインストレージは大容量の動画を共有しやすい一方、アクセス権限の設定には注意が必要です。
✓ リンクを知っている人なら誰でも閲覧できる
✓ 関係のないフォルダまで共有されている
✓ 過去の編集者のアクセス権限が残っている
✓ 閲覧だけでなく編集や削除も許可されている
✓ 共有リンクに有効期限が設定されていない
✓ インターネット上へ一般公開されている
個人情報保護委員会は、クラウドサービスの権限設定が適切でなかったことによる個人データの漏洩について注意を呼びかけています。
参考:個人情報保護委員会「株式会社セールスフォース・ドットコムのクラウド製品での権限設定に関する注意喚起」
編集に使用する端末を紛失する
動画素材を保存したパソコン、外付けストレージ、USBメモリなどを紛失すると、第三者にデータを見られる可能性があります。
✓ ノートパソコンを外出先へ置き忘れる
✓ 外付けSSDやUSBメモリを紛失する
✓ 車内に置いた機材が盗難に遭う
✓ 廃棄した端末にデータが残っている
✓ 修理へ出す端末から素材を削除していない
自宅や事務所の中だけで使用する場合も、家族、来訪者、ほかのスタッフが端末を操作できる状態であれば注意が必要です。
端末のログイン設定、ストレージの暗号化、保管場所などを確認しましょう。
私物端末や個人アカウントへデータが残る
編集者が私物のパソコンや個人用のクラウドサービスを使用する場合、納品後も複数の場所へ素材が残る可能性があります。
✓ パソコンのダウンロードフォルダ
✓ 編集ソフトが作成した自動保存データ
✓ クラウドサービスの同期フォルダ
✓ 外付けストレージのバックアップ
✓ メールやチャットの添付ファイル
✓ スマートフォンへ保存した確認用動画
✓ ごみ箱や削除済みファイルの保存領域
元の共有フォルダから素材を削除しても、編集に使用した端末やバックアップへ複製されたデータまで消えるとは限りません。
どの端末やサービスへ保存できるのか、納品後にどこまで削除するのかを事前に決めることが大切です。
アカウントが不正に使用される
編集者本人が情報を漏らしていなくても、クラウドサービスやメールのアカウントが不正に使用されることで、素材を取得される可能性があります。
✓ 同じパスワードを複数のサービスで使用している
✓ 推測されやすいパスワードを設定している
✓ 多要素認証を設定していない
✓ 共用アカウントを複数人で使用している
✓ 退職者や元スタッフのアカウントが残っている
✓ 偽のログイン画面へ認証情報を入力する
動画素材を保存するサービスでは、強固なパスワードや多要素認証を利用し、不要になったアカウントやアクセス権限を整理する必要があります。
参考:IPA「インターネットサービスへの不正ログインによる被害が増加中」
再委託先へ無断で素材が渡される
依頼した動画編集会社が、編集、字幕、翻訳、ナレーションなどの作業を外部スタッフへ再委託することがあります。
依頼者が再委託を知らないまま素材が共有されると、誰がデータを持っているのか把握できなくなる可能性があります。
さらに再委託が重なると、素材の保存場所や削除状況を確認しにくくなります。
✓ 再委託を行う可能性があるか
✓ 依頼者の事前承諾が必要か
✓ 再委託先にも同等の守秘義務を課すか
✓ どの範囲の素材を共有するか
✓ 納品後にデータを削除するか
再委託については、「8.外部スタッフへの再委託を確認する」で詳しく解説します。
生成AIや外部サービスへ素材が入力される
動画編集では、文字起こし、字幕作成、翻訳、ノイズ除去、画像生成などに、生成AIや外部のオンラインサービスを利用する場合があります。
サービスによって、入力したデータの保存期間、学習への利用、第三者への提供、海外での処理などの条件は異なります。
✓ 動画や音声を外部サービスへアップロードする
✓ 台本やインタビュー内容を生成AIへ入力する
✓ 出演者の顔や声をAI機能で加工する
✓ 顧客情報を含む文章を翻訳サービスへ入力する
✓ 無料プランや個人アカウントを業務で使用する
機密情報を含む素材については、どのサービスを使用するのか、入力データがどのように扱われるのかを確認し、必要に応じて依頼者の許可を得ることが重要です。
IPAが公表した調査でも、クラウドサービスや生成AIの業務利用を踏まえた営業秘密管理の必要性が示されています。
参考:IPA「企業における営業秘密管理に関する実態調査2024」
SNSや制作実績から情報が漏れる
編集者が制作中の画面や作業内容をSNSへ投稿すると、意図せず情報が公開されることがあります。
✓ 編集画面に企業名や商品名が表示されている
✓ モニターに公開前の映像が映り込む
✓ ファイル名から企画内容が分かる
✓ 投稿文から公開日や出演者を推測できる
✓ 完成動画を許可なく制作実績へ掲載する
✓ 依頼を受けた事実をSNSで公表する
動画の一部をぼかしていても、背景、音声、投稿時期などから案件を特定される可能性があります。
完成動画が公開された後も、編集を担当した事実や制作過程を公表してよいとは限りません。制作実績への掲載については、事前に許可の範囲を確認する必要があります。
漏洩・紛失・改ざんはいずれもリスクになる
情報管理では、外部へ流出する「漏洩」だけでなく、データを失う「滅失」や、内容が変更・破壊される「毀損」にも注意が必要です。
✓ 誤って元データを削除する
✓ ファイルを上書きして復元できなくなる
✓ ウイルスや不正アクセスでデータが変更される
✓ ストレージの故障で素材を失う
✓ 共有フォルダから第三者に削除される
素材の機密性を守るだけでなく、必要なデータを失わないためのバックアップや、変更権限の管理も求められます。
個人情報保護委員会のガイドラインでは、個人データの誤送信、設定ミスによる公開、媒体の盗難、不正アクセスなどが、漏洩に該当する事例として示されています。
参考:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」
5.NDAを締結するタイミング
NDAは、秘密情報を含む動画や資料を相手へ渡す前に締結することが基本です。
正式な発注後ではなく、問い合わせ、見積もり、テスト編集などの段階で素材を共有する場合もあります。どの時点で秘密情報を渡すのかを確認し、その前に必要な取り決めを行いましょう。
素材を共有する前に締結する
動画編集では、正式な契約を結ぶ前に、編集内容や料金を確認するための素材を求められることがあります。
しかし、見積もりのために渡す短い動画にも、未公開の商品、出演者の顔、社内の様子などが含まれている可能性があります。
✓ 未編集の撮影素材を渡す前
✓ 企画書や台本を共有する前
✓ 公開前の商品情報を伝える前
✓ 顧客や社員の情報を共有する前
✓ 社内システムの画面を見せる前
✓ 詳しい公開スケジュールを伝える前
NDAの締結前に秘密情報を渡してしまうと、情報を受け取った時点での取り扱いが明確にならないことがあります。
後から契約することを前提にせず、先に締結を済ませてから共有しましょう。
相談や見積もりだけなら、最初から全素材を渡す必要はない
編集会社へ相談するときに、必ず撮影素材のすべてを渡す必要はありません。
初期の相談では、動画の長さ、編集内容、素材の本数、希望納期など、見積もりに必要な情報だけを伝える方法があります。
✓ 動画の一部を切り出して渡す
✓ 顔や企業名を隠した確認用素材を作る
✓ 同じ条件のダミーデータを使用する
✓ ファイル数や合計容量だけを伝える
✓ 機密情報を除いた台本を共有する
✓ オンラインで画面を見せ、データは渡さない
依頼先を比較している段階では、必要以上に素材を配布しないことも情報漏洩対策になります。
具体的な素材を確認しなければ見積もれない場合は、共有前にNDAの締結を相談しましょう。
テスト編集の前にも確認する
依頼先を決めるために、有料または無料のテスト編集を依頼する場合があります。
テストであっても、編集者は素材をダウンロードし、編集ソフトへ取り込み、書き出した動画を保存します。そのため、通常の編集と同じようにデータが複製される可能性があります。
✓ テストに使用できる素材の範囲
✓ 素材を保存できる端末
✓ 外部サービスを使用するか
✓ ほかの編集者へ共有するか
✓ テスト終了後にデータを削除するか
✓ テスト動画を実績として使用できるか
採用しなかった編集者の端末にも素材が残る可能性があるため、テスト終了後の削除方法まで決めておくことが大切です。
業務委託契約の締結前に情報を渡す場合がある
正式な業務委託契約書では、作業内容、料金、納期、著作権、修正回数などを定めます。
一方、契約条件を決めるための打ち合わせで、すでに秘密情報を共有しなければならない場合があります。
そのようなときは、次の順番で進める方法があります。
✓ NDAを締結する
✓ 必要な資料や素材を共有する
✓ 見積もりや制作内容を確認する
✓ 業務委託契約を締結する
✓ 本格的な編集作業を開始する
NDAを先に締結しておけば、正式発注に至らなかった場合にも、打ち合わせや見積もりのために渡した情報の取り扱いを決められます。
継続依頼では契約の対象範囲を確認する
一度NDAを締結した後、別の動画や新しいシリーズを依頼することもあります。
既存の契約が今後の案件にも適用されるのか、最初に依頼した動画だけが対象なのかを確認しましょう。
✓ 契約の有効期間が終了していないか
✓ 新しい案件も契約の対象になるか
✓ 取り扱う情報の種類が変わっていないか
✓ 新たな編集者や再委託先が加わっていないか
✓ 保存するサービスや作業環境が変わっていないか
✓ 会社名や契約当事者に変更がないか
継続契約であっても、扱う情報や制作体制が変わった場合は、NDAや業務委託契約書の内容を見直す必要があります。
すでに素材を渡している場合は対象期間を確認する
NDAを締結する前に素材を渡してしまった場合は、締結日より前に共有した情報も秘密保持の対象になるのかを確認します。
契約書へ過去に開示した情報を含むことが明記されていなければ、締結前の情報がどのように扱われるのか不明確になる可能性があります。
✓ いつ共有した情報から対象になるのか
✓ すでに共有した素材を特定できるか
✓ 相手が作成した複製データも対象になるか
✓ 共有済みの第三者がいないか
✓ 不要な素材を返却または削除できるか
すでに情報を渡している場合も、そのままにせず、対象となる情報と期間を相手へ確認しましょう。
急ぎの依頼でも口頭確認だけで済ませない
納期が短い動画では、契約書を作成する前に素材だけ先に送りたくなることがあります。
しかし、メール本文へ「取り扱い注意」と記載したり、口頭で「外部へ出さないでください」と伝えたりするだけでは、秘密情報の範囲や保存期間まで共有できない可能性があります。
電子契約などを利用すれば、対面で書面を交換しなくても契約手続きを進められます。
急ぎの場合も、少なくとも次の内容を記録に残しましょう。
✓ 秘密として扱う情報
✓ 使用できる目的
✓ 第三者へ共有しないこと
✓ 再委託の可否
✓ 納品後の返却や削除
✓ 秘密を守る期間
案件の重要性や取り扱う情報に応じて、正式な契約書を作成し、必要であれば専門家へ内容を確認してもらうと安心です。
6.秘密保持契約で確認したい内容
秘密保持契約では、秘密情報の範囲だけでなく、使用目的、共有できる相手、保存期間、返却・削除などを確認します。
契約書に「秘密を守る」とだけ書かれていても、どこまでが対象なのか分からなければ、依頼者と編集会社の認識が異なる可能性があります。
ここでは、動画編集を外注するときに確認したい主な項目を紹介します。
秘密情報の範囲
最初に、何を秘密情報として扱うのかを定めます。
✓ 撮影した映像や音声
✓ 企画書や台本
✓ 編集ソフトのプロジェクトファイル
✓ 修正指示や打ち合わせ内容
✓ 出演者や顧客の個人情報
✓ 公開前の商品・サービス情報
✓ 公開日や広告の配信計画
✓ 依頼者名や取引している事実
✓ 制作費や契約条件
✓ パスワードやアカウント情報
書面やデータで渡した情報だけでなく、オンライン会議や電話で伝えた内容を対象にする場合は、その範囲も確認します。
秘密情報へ「社外秘」などの表示が必要なのか、表示のない動画素材も対象になるのかを明確にしておきましょう。
秘密情報に含まれないもの
一般的なNDAでは、一定の情報を秘密情報の対象外とする場合があります。
✓ 受け取る前から公に知られていた情報
✓ 受け取った後、契約違反によらず公になった情報
✓ 受け取る前から適法に保有していた情報
✓ 正当な権限を持つ第三者から適法に取得した情報
✓ 秘密情報を使用せず独自に作成した情報
何を対象外とするか、対象外であることをどちらがどのように確認するかは、契約内容によって異なります。
完成動画が公開された場合も、未編集素材、制作費、修正内容、依頼を受けた経緯など、すべての情報が自動的に公開情報になるとは限りません。
情報を使用できる目的
動画素材を使用できる目的を限定します。
たとえば、「依頼された動画を編集し、納品するため」と定めておけば、次のような別の目的での使用を制限しやすくなります。
✓ 編集技術を紹介する教材へ使用する
✓ SNSへ制作中の画面を投稿する
✓ 自社サイトへ制作実績として掲載する
✓ 別の顧客への見本として提示する
✓ AIサービスの学習や機能改善に使用する
✓ 編集者個人の練習へ使用する
✓ 素材の一部を別の制作物へ流用する
作業に必要な範囲と、禁止する利用方法を具体的に共有することが大切です。
情報を共有できる人
編集会社の中で、誰が素材へアクセスできるのかを確認します。
✓ 担当する動画編集者
✓ ディレクターや進行管理者
✓ 字幕や翻訳を担当するスタッフ
✓ ナレーターや音声編集者
✓ システム管理者
✓ 再委託先の事業者や個人
✓ 弁護士や税理士などの専門家
作業に関係のない従業員まで閲覧できる状態にするのではなく、業務上必要な人だけに限定する方法があります。
担当者以外へ共有するときに依頼者の事前承諾が必要か、共有を受ける人にも同等の守秘義務を負わせるかを確認しましょう。
再委託の条件
動画編集会社が業務の一部を外部へ委託する可能性がある場合は、再委託に関する条件を定めます。
✓ 再委託を認めるか
✓ 事前に依頼者の承諾を得るか
✓ 再委託先の名称を伝えるか
✓ 再委託できる作業の範囲
✓ 再委託先へ共有できる素材の範囲
✓ 再委託先にも守秘義務を課すか
✓ 情報漏洩時に誰が責任を負うか
✓ 作業終了後にデータを削除するか
再委託そのものが問題なのではなく、依頼者が把握していない相手へ、必要以上の情報が渡る状態を避けることが重要です。
再委託については、「8.外部スタッフへの再委託を確認する」で詳しく解説します。
安全管理の方法
秘密情報をどのように保存・共有するのかも確認します。
✓ 指定されたクラウドストレージを使用する
✓ 共有リンクに有効期限を設定する
✓ アクセスできるアカウントを限定する
✓ 多要素認証を利用する
✓ 素材を保存できる端末を限定する
✓ 私物端末やUSBメモリへ保存しない
✓ 公共のWi-Fiで素材を送受信しない
✓ 生成AIや外部サービスへ無断で入力しない
✓ ウイルス対策やソフトウェアの更新を行う
契約書へすべての操作方法を細かく記載するのではなく、別に情報管理ルールを作成し、契約書から参照する方法もあります。
具体的な共有方法は、「7.動画素材を安全に共有・管理する方法」で解説します。
法令などにより開示を求められた場合
裁判所や行政機関などから、法令に基づいて情報の開示を求められる場合があります。
そのような場合に、秘密保持義務との関係をどのように扱うのかを確認します。
✓ 開示できる条件
✓ 依頼者へ事前に連絡するか
✓ 事前連絡ができない場合の対応
✓ 必要な範囲だけを開示すること
✓ 開示した内容を記録すること
実際にどのような条項が必要かは、事業内容や取り扱う情報によって異なります。法的な判断が必要な場合は、専門家へ相談しましょう。
契約期間と秘密を守る期間
NDA自体の有効期間と、秘密保持義務が続く期間は、同じとは限りません。
動画編集の契約が終了しても、未公開情報や個人情報を自由に公表できる状態にする必要はありません。
✓ NDAがいつから適用されるか
✓ NDAの有効期間
✓ 契約終了後も守秘義務が続くか
✓ 守秘義務が続く年数
✓ 公開後も秘密として扱う情報
✓ 継続依頼をした場合の更新方法
すべての秘密情報に同じ期間を設定するのではなく、情報の性質に合わせて期間を検討する方法もあります。
契約終了後の返却・削除
編集作業が終わった後、動画素材や複製データをどうするのかを決めます。
✓ 元データを返却する
✓ パソコンや外付けストレージから削除する
✓ クラウドストレージから削除する
✓ 自動保存や一時ファイルを削除する
✓ バックアップデータを削除する
✓ 削除したことを依頼者へ報告する
✓ 一定期間だけ保管した後に削除する
✓ 法令上保存が必要な情報を区別する
納品後も修正に対応するため、一定期間だけデータを保存する場合があります。その場合は、保存するデータ、保存場所、保存期間、期間終了後の処理を確認しましょう。
詳しくは、「9.納品後のデータ保存・返却・削除」で解説します。
情報漏洩が発生した場合の対応
情報漏洩や紛失が疑われる場合に、誰へ、いつ、どのように連絡するのかを定めます。
✓ 発見後速やかに依頼者へ連絡する
✓ 漏洩した可能性がある情報を特定する
✓ 影響を受ける人や範囲を調査する
✓ 共有リンクやアカウントを停止する
✓ データの回収や拡散防止を行う
✓ 発生原因と再発防止策を報告する
✓ 法令に基づく報告や本人通知へ協力する
個人データの漏洩などが発生した場合、内容によっては個人情報保護委員会への報告や本人への通知が必要になることがあります。
事故が起きてから連絡先を探すのではなく、緊急時の窓口と連絡方法を決めておきましょう。
損害が発生した場合の取り扱い
契約違反によって損害が発生した場合の責任についても確認します。
✓ 損害賠償の対象
✓ 賠償額の上限
✓ 第三者から請求を受けた場合の対応
✓ 調査やデータ回収にかかる費用
✓ 契約を解除できる条件
✓ どの裁判所で紛争を扱うか
損害賠償の範囲や上限は、契約当事者の立場や案件の規模によって判断が分かれる部分です。
一方的に不利な内容になっていないか、実際に守れる条件になっているかを確認し、必要に応じて弁護士などの専門家へ相談しましょう。
制作実績として掲載できるか
秘密保持契約では、完成動画や依頼者名を制作実績として使用できるかも確認しておくと安心です。
✓ 会社名を公表できるか
✓ 完成動画を自社サイトへ掲載できるか
✓ 動画の一部や静止画を使用できるか
✓ SNSで制作を担当したと発信できるか
✓ 公開できる時期
✓ 掲載前に依頼者の確認が必要か
✓ 掲載許可を後から取り消せるか
制作実績への掲載を認めない場合は、その旨を明確にします。
詳しくは、「10.完成動画を制作実績として掲載するときの注意点」で解説します。
モデル契約書は内容を確認するための参考にする
特許庁のオープンイノベーションポータルサイトでは、秘密保持契約書のモデルと条項ごとの解説が公開されています。
契約書に必要な項目を整理する際の参考になりますが、動画編集専用の契約書ではありません。雛形をそのまま使用するのではなく、実際の依頼内容や素材の性質に合わせて調整する必要があります。
秘密保持契約は、依頼者と編集会社の双方が内容を理解し、実際に守れる条件を定めることが大切です。契約内容の妥当性について判断が難しい場合は、弁護士などの専門家へ確認しましょう。
7.動画素材を安全に共有・管理する方法
NDAを締結していても、素材の共有方法や保存場所に問題があれば、情報漏洩を防ぐことはできません。
動画はデータ容量が大きいため、メールへの添付ではなく、クラウドストレージやファイル転送サービスを使用することが多くあります。
サービス名だけで安全性を判断せず、アクセス権限、保存期間、利用者、削除方法まで確認しましょう。
素材を渡す前に整理する
撮影データをそのまま渡す前に、編集に必要なファイルと不要なファイルを分けます。
✓ 編集に使用する映像
✓ ナレーションやBGMなどの音声
✓ ロゴや画像
✓ 台本や構成案
✓ 編集指示書
✓ 公開できない情報を含む素材
✓ 使用してはいけない素材
✓ 参考用で完成動画には使用しない素材
編集に関係のない顧客情報や社内資料が同じフォルダに入っている場合は、共有前に移動または削除します。
必要なデータだけを渡すことで、万一の情報漏洩が発生した場合にも影響する範囲を抑えられます。
共有するファイルを一覧にする
ファイル数が多い場合は、何を渡したのか分かる一覧を作成します。
✓ ファイル名
✓ 素材の内容
✓ 撮影日
✓ 使用する場面
✓ 公開の可否
✓ ぼかしや音声処理の必要性
✓ 削除してほしい時期
✓ 特に注意が必要な情報
「この部分は必ず削除する」「この人物の顔は映さない」などの指示は、口頭だけでなく文章でも残しましょう。
編集者側も受け取ったデータを確認し、不足や不明点がある場合は、作業を始める前に依頼者へ確認します。
アクセスできる人を限定する
クラウドストレージを利用する場合は、共有リンクを知っている人全員へ公開するのではなく、指定したアカウントだけがアクセスできる設定を検討します。
✓ 編集担当者のアカウントだけを招待する
✓ 作業に関係のないスタッフを追加しない
✓ 閲覧・ダウンロード・編集の権限を分ける
✓ フォルダごとにアクセス権限を設定する
✓ 退職者や担当を外れた人の権限を削除する
✓ 共有者の一覧を定期的に確認する
編集会社内で複数人が作業する場合も、全員へすべての素材を渡すのではなく、担当する作業に必要なデータだけを共有する方法があります。
共有リンクに有効期限を設定する
共有リンクを無期限のまま残すと、納品後もアクセスできる状態が続きます。
利用するサービスに機能がある場合は、有効期限、ダウンロード回数、パスワードなどを設定します。
✓ 編集期間に合わせた有効期限を設定する
✓ 作業終了後に共有リンクを無効にする
✓ 同じリンクを別の案件で使い回さない
✓ パスワードをリンクと別の手段で伝える
✓ アクセス履歴を確認できるサービスを選ぶ
✓ 不要になった共有フォルダを整理する
パスワードを設定していても、リンクとパスワードを同じメールへ記載すれば、メールを誤送信したときに両方が相手へ届きます。
案件の重要度に応じて、別の連絡手段でパスワードを伝える方法を検討しましょう。
アカウントの安全性を高める
動画素材を保存するクラウドサービスやメールでは、アカウントの不正利用を防ぐ対策が必要です。
✓ サービスごとに異なるパスワードを使用する
✓ 推測されにくい長いパスワードを設定する
✓ 多要素認証を有効にする
✓ 複数人で一つのアカウントを共有しない
✓ ログイン履歴や通知を確認する
✓ 不要な連携アプリを解除する
✓ 担当変更時にアクセス権限を見直す
共用アカウントを使用すると、誰がダウンロードや削除を行ったのか分かりにくくなります。可能であれば、一人ずつ異なるアカウントを使用しましょう。
編集に使用する端末を管理する
素材をダウンロードした後は、編集に使用するパソコンや外付けストレージでの管理が必要です。
✓ 端末へログインパスワードを設定する
✓ OSや編集ソフトを最新の状態にする
✓ セキュリティ対策ソフトを使用する
✓ ストレージを暗号化する
✓ 自動で画面をロックする
✓ 家族や第三者と端末を共有しない
✓ 公共の場所へ端末を放置しない
✓ 不要なUSBメモリへコピーしない
外出先や共同作業スペースで編集する場合は、画面ののぞき見や置き忘れにも注意します。
在宅で作業する場合も、私生活で使用する端末と業務用端末を分けられるか確認しましょう。
バックアップの範囲を決める
素材の消失を防ぐにはバックアップが必要ですが、保存先を増やすほど、秘密情報が存在する場所も増えます。
✓ 何をバックアップするか
✓ どこへ保存するか
✓ 誰がアクセスできるか
✓ 自動でバックアップされるか
✓ どのくらいの期間保存するか
✓ 契約終了後に削除できるか
✓ バックアップから復元できるか
素材を守るためのバックアップが、管理されていない複製データにならないように注意しましょう。
IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」では、情報を安全に管理するための対策に加え、バックアップの重要性も示されています。
生成AIや外部サービスの使用ルールを決める
編集ソフトには、文字起こし、字幕生成、ノイズ除去、翻訳、画像生成など、外部サービスと連携する機能があります。
便利な機能であっても、動画、音声、台本、出演者の情報が外部へ送信される場合があります。
✓ 使用するサービス名
✓ 入力するデータの範囲
✓ データが保存される期間
✓ 入力内容が学習に使用されるか
✓ データを処理する国や地域
✓ 法人向けの管理機能があるか
✓ 依頼者の事前承諾が必要か
機密情報を含む素材は、編集者の判断だけで生成AIや無料のオンラインサービスへ入力しないよう、事前にルールを決めておきましょう。
編集会社が「AIを使用しているか」だけでなく、「どの作業で、どの情報を、どのサービスへ送るのか」を確認することが大切です。
修正版のファイルを混同しない
複数回の修正を行う場合、古い動画と最新版を間違えて公開するリスクがあります。
公開できない情報が残っている初稿を、完成版と誤認する可能性もあります。
✓ ファイル名へ版数や日付を入れる
✓ 初稿・修正版・完成版を分ける
✓ 最終確認用のファイルを明確にする
✓ 古い共有リンクを無効にする
✓ 公開できる動画を依頼者が承認する
✓ 誰が最終版をアップロードするか決める
「最終」「完成」「修正版」などの曖昧な名前だけを繰り返すと、どれが最新版なのか分かりにくくなります。
命名規則を決め、承認済みの動画を明確にしましょう。
事故が疑われた場合の連絡先を共有する
誤送信や端末紛失が発生したときは、早く対応することで被害を抑えられる場合があります。
✓ 誤った相手へ共有リンクを送った
✓ 共有範囲が一般公開になっていた
✓ パソコンやストレージを紛失した
✓ 不審なログイン通知が届いた
✓ ウイルス感染の可能性がある
✓ 関係のない人が素材を閲覧した
✓ SNSへ誤って制作画面を投稿した
このような場合は、共有リンクの停止、パスワードの変更、アカウントの無効化などを行い、依頼者へ速やかに連絡します。
連絡を遅らせたり、編集者だけで解決しようとしたりせず、発生した事実と現在の状況を共有することが重要です。
共有から削除までの流れを決める
安全な素材管理は、ファイルを送信した時点で終わるものではありません。
✓ 依頼者が素材を整理する
✓ 指定した方法で編集会社へ共有する
✓ 編集会社が受領したファイルを確認する
✓ 必要な担当者だけが編集する
✓ 修正版と完成版を分けて管理する
✓ 依頼者が最終版を承認する
✓ 納品後の保存期間を確認する
✓ 期限が来たら素材と複製データを削除する
✓ 必要に応じて削除完了を報告する
依頼者と編集会社が同じ流れを共有しておけば、「誰が素材を持っているのか」「いつ削除されるのか」が分かりやすくなります。
8.外部スタッフへの再委託を確認する
動画編集会社へ依頼しても、すべての作業を社内スタッフだけで行うとは限りません。
編集、字幕、翻訳、ナレーション、音声調整など、一部の作業を外部の事業者やフリーランスへ再委託する場合があります。
再委託を行うこと自体が問題なのではなく、誰へ、どの素材を、どのような条件で渡すのかを依頼者が確認できることが大切です。
再委託とは
再委託とは、依頼者から業務を受けた動画編集会社が、その作業の全部または一部を別の事業者や個人へ依頼することです。
たとえば、次のような作業が再委託される場合があります。
✓ 動画のカット編集
✓ テロップや字幕の作成
✓ 外国語への翻訳
✓ ナレーションの収録
✓ BGMや効果音の調整
✓ アニメーションの制作
✓ イラストや注釈画像の制作
✓ サムネイルの制作
✓ データの書き出しや確認
動画編集会社が窓口となっていても、実際に素材へアクセスする人が複数いる可能性があります。
依頼前に、どの作業を社内で行い、どの作業を外部へ依頼する可能性があるのか確認しましょう。
再委託の有無を依頼前に確認する
再委託を予定しているかどうかは、見積もりや契約の段階で確認します。
✓ 外部スタッフを利用することがあるか
✓ 再委託する作業の範囲
✓ 再委託先は法人か個人か
✓ 国内と海外のどちらで作業するか
✓ 素材全体を共有するか
✓ 必要な部分だけを共有するか
✓ 依頼者へ事前に連絡するか
✓ 依頼者の承諾を得てから共有するか
「協力スタッフ」「制作チーム」「パートナー」などの表現が使われている場合も、その人が会社の従業員なのか、外部の委託先なのかを確認すると分かりやすくなります。
再委託先にも守秘義務を課す
動画編集会社と依頼者がNDAを締結していても、その契約の内容が再委託先へ自動的に伝わるとは限りません。
動画編集会社には、再委託先にも同等の守秘義務や情報管理ルールを守らせる体制が求められます。
✓ 再委託先ともNDAを締結する
✓ 依頼者との契約内容を必要な範囲で共有する
✓ 素材をほかの目的へ使用させない
✓ 第三者へのさらなる委託を制限する
✓ SNSや制作実績への掲載を禁止する
✓ 作業終了後の返却・削除を確認する
✓ 問題が起きた場合の報告方法を決める
再委託先が契約内容を知らなければ、公開前の情報や制作実績に関するルールを正しく判断できません。
書面を交わすだけでなく、案件ごとの注意事項を具体的に伝えることが重要です。
共有する素材を必要な範囲に限定する
再委託先へ、依頼者から受け取ったフォルダ全体を渡す必要があるとは限りません。
担当する作業に必要なデータだけを切り分けることで、情報漏洩が発生した場合の影響を抑えられます。
✓ 字幕担当者には必要な動画と台本だけを渡す
✓ ナレーターには確定した原稿だけを渡す
✓ 翻訳者には翻訳する文章だけを渡す
✓ サムネイル担当者には使用できる画像だけを渡す
✓ 音声編集者には必要な音声ファイルだけを渡す
✓ 社名を伝える必要がなければ伏せて依頼する
個人情報や未公開情報を削除・置換したデータで作業できる場合は、加工してから共有する方法もあります。
再々委託についても確認する
再委託先が、さらに別の事業者へ作業を依頼することを再々委託と呼ぶことがあります。
再委託が繰り返されると、依頼者や最初の動画編集会社が、素材へアクセスした人や保存場所を把握しにくくなります。
✓ 再委託先から別の人へ作業を渡せるか
✓ 再々委託にも依頼者の承諾が必要か
✓ 誰まで素材へアクセスできるか
✓ 同じ守秘義務を継続して課せるか
✓ 納品後の削除を確認できるか
再々委託を認めない場合は、契約書へ明確に記載します。
認める場合も、再委託先の判断だけで自由に共有先を増やさないよう、条件を決めておきましょう。
海外のスタッフへ依頼する場合
動画編集会社が、海外にいるスタッフや事業者へ作業を依頼する場合があります。
時差や言語の違いを活用できる一方、契約、データの保存場所、利用するサービスなどを確認する必要があります。
✓ どの国や地域で作業するか
✓ 素材をどこへ保存するか
✓ 契約内容を相手が理解できるか
✓ 個人情報を含む素材を渡すか
✓ 問題発生時に連絡できる体制があるか
✓ 作業終了後の削除を確認できるか
✓ 日本国外の第三者提供などに関する確認が必要か
個人データを外国にいる第三者へ提供する場合は、状況によって個人情報保護法上の確認や対応が必要になることがあります。
海外への再委託を予定している場合は、どのような情報を渡すのかを整理し、必要に応じて専門家へ確認しましょう。
オンラインサービスの利用も確認する
動画編集会社が外部のオンラインサービスを使用する場合、それが契約上の再委託や第三者への提供に当たるかは、利用方法や契約内容によって異なります。
✓ クラウドストレージ
✓ オンラインの文字起こしサービス
✓ 自動翻訳サービス
✓ 生成AI
✓ 音声合成や音声処理サービス
✓ 動画の確認・校正サービス
✓ ファイル転送サービス
「外部スタッフへ渡していない」場合でも、素材が外部事業者のサーバーへ送信されることがあります。
利用するサービス、保存期間、入力データの取り扱いを確認し、依頼者の事前承諾が必要かを決めておきましょう。
再委託先で問題が起きた場合の責任を確認する
再委託先で情報漏洩が発生した場合に、依頼者が再委託先と直接連絡できるとは限りません。
原則として、依頼者は契約を結んだ動画編集会社を窓口として、状況の確認や対応を求めることになります。
✓ 動画編集会社が再委託先を監督するか
✓ 問題発生時に動画編集会社へ報告されるか
✓ 依頼者への連絡期限
✓ 共有リンクやアカウントを停止できるか
✓ 漏洩した素材を回収できるか
✓ 原因と再発防止策を報告するか
✓ 損害が発生した場合の責任
再委託先の行為について動画編集会社がどこまで責任を負うのか、契約書で確認しましょう。
再委託を行わない会社もある
守秘義務や品質管理のため、担当者を固定し、外部へ再委託せずに制作する動画編集会社もあります。
✓ 素材へアクセスする人を限定しやすい
✓ 誰が編集したのか把握しやすい
✓ 修正内容を継続して共有しやすい
✓ データの保存場所を管理しやすい
✓ 過去の動画との統一感を保ちやすい
ただし、再委託を行わないことだけで、安全性が保証されるわけではありません。
社内でのアクセス権限、端末管理、保存期間、バックアップ、退職者のアカウント管理なども含めて確認する必要があります。
依頼先を選ぶときは、再委託の有無だけでなく、素材を管理する体制全体を確認しましょう。
9.納品後のデータ保存・返却・削除
動画を納品した後も、撮影素材や編集途中のデータが編集者の端末へ残っている場合があります。
追加修正や再編集に備えて一定期間保存することもありますが、保存期間や削除方法が決まっていなければ、依頼者が知らないままデータが残り続ける可能性があります。
納品前に、何を残し、いつ、どのように返却・削除するのかを決めておきましょう。
納品後に残るデータを確認する
動画編集では、依頼者から渡した元の撮影素材以外にも、作業中に複数のデータが作成されます。
✓ 撮影した映像や音声
✓ ロゴや写真などの支給素材
✓ 台本や編集指示書
✓ 編集ソフトのプロジェクトファイル
✓ 自動保存されたプロジェクトデータ
✓ 編集途中の確認用動画
✓ 完成した動画
✓ 字幕やテロップのデータ
✓ 音声処理後のファイル
✓ サムネイルや注釈画像
✓ クラウド上のバックアップ
✓ パソコン内の一時ファイル
完成動画だけを削除しても、元素材や自動保存データへ同じ情報が残っている可能性があります。
どのデータが、どの端末やサービスに保存されるのかを確認することが大切です。
修正対応のために保存する期間を決める
納品直後にすべてのデータを削除すると、後から修正が必要になった場合に対応できないことがあります。
そのため、納品後も一定期間、素材やプロジェクトファイルを保存する動画編集会社があります。
✓ 納品後すぐに削除する
✓ 検収が完了するまで保存する
✓ 1か月などの期間を決めて保存する
✓ 継続契約中は保存する
✓ 依頼者から削除の指示があるまで保存する
✓ 完成動画だけを残し、元素材は削除する
「念のため保存する」といった曖昧な状態にせず、保存する目的と期間を決めましょう。
保存期間が終わった後、自動的に削除するのか、依頼者へ確認してから削除するのかも決めておくと安心です。
保存するデータの種類を分ける
すべてのデータを同じ期間保存する必要はありません。
追加修正に必要なものと、納品後には不要になるものを分けて考えます。
✓ 元の撮影素材
✓ 編集ソフトのプロジェクトファイル
✓ 使用した画像や音声
✓ 完成動画
✓ 修正前の確認用動画
✓ 台本や編集指示書
✓ バックアップデータ
たとえば、完成動画だけを一定期間保存し、個人情報を含む未編集素材は検収後に削除する方法があります。
再編集の可能性がある場合は、必要なデータを依頼者側へまとめて納品し、編集会社側では削除する方法も検討できます。
プロジェクトファイルを納品するか確認する
完成した動画を納品しても、編集ソフトのプロジェクトファイルまで納品されるとは限りません。
プロジェクトファイルには、テロップ、カット位置、音声調整、エフェクトなどの編集内容が保存されています。
✓ プロジェクトファイルが納品物に含まれるか
✓ 使用した編集ソフトとバージョン
✓ 元素材とのリンクを維持できるか
✓ 有料フォントや素材を引き継げるか
✓ 別の編集者が再編集できる状態か
✓ 納品に追加料金が必要か
✓ プロジェクトファイルの権利をどう扱うか
プロジェクトファイルが必要な場合は、発注前に納品物として指定しましょう。
使用している素材やソフトウェアのライセンスによっては、そのまま第三者へ渡せないものもあります。
データの返却方法を決める
依頼者から預かったストレージや原本がある場合は、返却方法を確認します。
✓ 外付けSSDやUSBメモリを返却する
✓ 宅配便など追跡できる方法で送る
✓ 対面で受け渡す
✓ クラウドストレージへまとめて返す
✓ 返却するデータの一覧を作成する
✓ 依頼者が受領したことを確認する
物理的な媒体を送る場合は、紛失や誤配送のリスクがあります。
案件の重要度に応じて、追跡、受取確認、暗号化などの方法を検討しましょう。
端末やクラウドからデータを削除する
データを削除するときは、最初に共有したフォルダだけでなく、作業中に作成された複製データも確認します。
✓ 編集用パソコン
✓ ダウンロードフォルダ
✓ 外付けストレージ
✓ クラウドストレージ
✓ 自動同期されたフォルダ
✓ 編集ソフトのキャッシュ
✓ 自動保存ファイル
✓ 確認用動画を送ったチャット
✓ メールの添付ファイル
✓ バックアップデータ
✓ ごみ箱や削除済みファイル
通常の削除操作だけでは、端末やサービスの仕組みによって一定期間データが残る場合があります。
どこまで削除する必要があるかは、情報の重要度、契約内容、使用するサービスの仕様に合わせて決めましょう。
バックアップから削除される時期も確認する
バックアップは、端末の故障や誤操作からデータを守るために必要です。
一方で、通常の保存先から削除しても、バックアップには一定期間データが残る場合があります。
✓ バックアップの保存場所
✓ 自動で作成される頻度
✓ 保存される期間
✓ 個別のファイルを削除できるか
✓ 保存期間の終了後に上書きされるか
✓ 復元時に削除済みデータが戻らないか
システム上、バックアップから直ちに個別削除できない場合は、アクセスを制限したうえで、保存期間の終了によって削除される仕組みを確認します。
「削除済み」と伝える場合に、通常の作業領域だけを指すのか、バックアップも含むのかを明確にしましょう。
削除完了の報告方法を決める
機密性の高い動画では、削除を口頭で確認するだけでなく、記録を残す方法があります。
✓ 削除した日
✓ 削除したデータの種類
✓ 削除した保存場所
✓ 作業を行った担当者
✓ バックアップの取り扱い
✓ 再委託先での削除状況
✓ 削除が完了していないデータと理由
依頼者が指定した様式で削除証明書や作業報告書を提出する場合もあります。
ただし、書面があることだけで実際の削除が保証されるわけではありません。削除手順や対象となる保存場所を事前に確認することが重要です。
再委託先のデータも確認する
動画編集会社側でデータを削除しても、再委託先の端末やクラウドへ残っている可能性があります。
✓ 再委託先へ削除を指示したか
✓ 再委託先が作成した複製データ
✓ 再々委託先へ共有されていないか
✓ 削除完了の報告を受けたか
✓ 編集会社が削除状況を確認したか
依頼者がすべての再委託先と直接やり取りするのではなく、契約先の動画編集会社が責任を持って確認し、結果を報告する流れを決めておきましょう。
法令や契約上、保存が必要な情報を分ける
契約書、請求書、取引記録などは、法令や社内規程によって一定期間の保存が必要になる場合があります。
ただし、取引記録を保存する必要があるからといって、未編集の動画素材まで同じ期間保存しなければならないとは限りません。
✓ 保存が必要な契約書や取引記録
✓ 編集作業に使用した動画素材
✓ 個人情報を含むデータ
✓ 公開前の商品情報
✓ 完成動画
✓ プロジェクトファイル
保存する理由とデータの種類を分け、必要のない情報を長期間残さないようにします。
判断が難しい場合は、弁護士、税理士など、確認する内容に応じた専門家へ相談しましょう。
利用する必要がなくなった個人データを整理する
個人情報保護委員会のガイドラインでは、個人データを利用する必要がなくなったときは、遅滞なく消去するよう努めることが示されています。
動画素材に個人データが含まれている場合も、利用目的を終えた後に保管を続ける必要があるのか確認しましょう。
参考:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」
発注前に納品後の流れまで決める
データの返却や削除は、動画が完成してから初めて相談するのではなく、発注前に決めておくことが大切です。
✓ 何を納品するか
✓ 何を編集会社へ残すか
✓ どのくらいの期間保存するか
✓ 期間中はどのように管理するか
✓ いつ返却・削除するか
✓ 誰が削除を確認するか
✓ 再編集が必要になった場合の対応
納品後の管理まで契約書や編集ルールへ記載しておけば、依頼者と編集会社の認識を揃えやすくなります。
10.完成動画を制作実績として掲載するときの注意点
動画編集会社や編集者にとって、過去の制作実績は、技術や対応できるジャンルを伝えるための大切な情報です。
しかし、完成動画がYouTubeや企業サイトで一般公開されていても、編集会社が自社の制作実績として自由に掲載できるとは限りません。
秘密保持、著作権、出演者の肖像、依頼者との契約などを確認し、掲載前に許可を得ることが大切です。
公開済みの動画でも自由に実績掲載できるとは限らない
依頼者が動画を一般公開することと、編集会社が制作実績として紹介することは、目的が異なります。
動画が公開された後も、次の情報を公表してよいとは限りません。
✓ どの会社が編集を担当したか
✓ 制作に関わったスタッフ
✓ 制作費や納期
✓ 編集前の素材
✓ 修正前後の比較
✓ 制作時のやり取り
✓ 使用した編集方法
✓ 依頼者から提供された資料
✓ 公開されなかった別案
完成動画の視聴者には分からない制作過程まで公開すると、NDAや業務委託契約に反する可能性があります。
「すでに公開されている動画だから問題ない」と自己判断せず、制作実績として掲載できる範囲を確認しましょう。
実績掲載の許可は書面で確認する
制作実績として紹介したい場合は、口頭だけでなく、契約書、メール、申請書など、後から確認できる形で許可を得ます。
✓ 掲載できる動画
✓ 使用できる場面や静止画
✓ 依頼者名や商品名を表示できるか
✓ 自社サイトへ掲載できるか
✓ SNSへ投稿できるか
✓ 営業資料へ掲載できるか
✓ 掲載を開始できる日
✓ 掲載前の確認が必要か
✓ 掲載を終了する条件
「実績掲載可」とだけ記載するのではなく、どこで、何を、どのように掲載できるのかを決めておくと、認識の違いを防ぎやすくなります。
動画のリンクと画像の掲載を分けて確認する
制作実績の見せ方には、複数の方法があります。
✓ 公開動画のURLを紹介する
✓ YouTube動画をサイトへ埋め込む
✓ 動画の一部を自社サイトへ掲載する
✓ 動画から切り出した静止画を使用する
✓ サムネイルを掲載する
✓ 編集前後の映像を比較する
✓ 営業資料へ画像を載せる
公開動画へのリンクを掲載する許可と、映像や画像を複製して自社サイトへ掲載する許可は、同じとは限りません。
依頼者だけでなく、動画に含まれる出演者、写真、音楽、イラストなどの権利にも注意が必要です。
出演者や撮影場所の許可も確認する
依頼者が実績掲載を認めても、出演者との契約では使用先が限定されている場合があります。
✓ 出演者の顔や声
✓ 社員や顧客へのインタビュー
✓ モデルやタレントの映像
✓ 店舗や施設の内部
✓ 他社の商品やロゴ
✓ イベントの来場者
✓ 撮影許可を得た場所
「依頼者の公式YouTubeだけで使用する」という条件で撮影された動画を、編集会社のサイトやSNSへ掲載できるとは限りません。
実績掲載に必要な許可を誰が確認するのかも、事前に決めておきましょう。
SNSへ制作画面を投稿しない
編集作業中のパソコン画面や作業風景をSNSへ投稿すると、公開前の情報が映り込む可能性があります。
✓ タイムライン上の映像
✓ ファイル名やフォルダ名
✓ 企業名や商品名
✓ 出演者の顔
✓ 公開予定日
✓ 修正指示のコメント
✓ メールやチャットの通知
✓ 別の顧客の素材
画面の一部をぼかしても、周囲の情報や投稿時期から案件を推測されることがあります。
制作実績として正式に掲載する場合だけでなく、日常的なSNS投稿でも守秘義務を意識する必要があります。
担当者個人の実績として公表するときも許可が必要
動画編集会社として掲載しない場合でも、担当した編集者が個人のSNSやポートフォリオへ投稿することがあります。
会社が依頼者とNDAを締結している場合、従業員や外部スタッフにも同じルールを守ってもらう必要があります。
✓ 個人名で担当したと投稿する
✓ 転職活動のポートフォリオへ使用する
✓ 編集スクールの課題例として紹介する
✓ セミナーで制作画面を見せる
✓ 別の顧客へ非公開で見本を送る
✓ 退職後に過去の制作実績として掲載する
一般公開しない営業資料や限定公開のポートフォリオであっても、第三者へ見せることに変わりはありません。
使用したい場合は、公開範囲を含めて依頼者の許可を得ましょう。
💡編集者のワンポイント
完成した動画が公開されると、「実はこの動画、私が編集しました」とお伝えしたくなることがあります。しかし、動画が一般公開された後も、制作会社が実績として紹介してよいとは限りません。私たちは、実績を見せることよりも、依頼者との約束と守秘義務を優先しています。
許可を得る前に実績掲載を前提としない
動画編集の料金を抑える代わりに、制作実績としての掲載を条件にする場合があります。
その場合も、依頼者が条件を理解し、同意したうえで契約する必要があります。
✓ 実績掲載を条件とする料金であること
✓ 掲載を断った場合の料金
✓ 掲載できる時期
✓ 掲載できる媒体
✓ 社名を伏せることができるか
✓ 動画の一部だけを使用できるか
✓ 後から掲載を取り下げられるか
契約後に初めて掲載を求めるのではなく、見積もりや発注の段階で条件を伝えましょう。
企業名を伏せた場合でも、映像や商品から依頼者を特定できる可能性があるため、匿名であれば自由に掲載できるとは限りません。
許可を得た内容から変更しない
掲載許可を得た後も、承認された内容と異なる見せ方をしないように注意します。
✓ 許可された場面以外を追加しない
✓ 動画の印象を変える編集をしない
✓ 未公開素材を追加しない
✓ 誇張した説明文を付けない
✓ 依頼者が推薦したような表現をしない
✓ 許可されていないロゴを掲載しない
✓ 別のSNSへ無断で転載しない
掲載ページを制作した後、公開前に依頼者へ確認してもらう流れを作ると安心です。
ページを更新するときも、新しく追加する情報が許可の範囲内かを確認しましょう。
掲載後の修正・削除に対応できるようにする
一度許可された制作実績でも、商品販売の終了、出演者との契約変更、企業方針の変更などにより、削除を求められる場合があります。
✓ 連絡を受ける窓口
✓ 削除や修正へ対応する期限
✓ 自社サイト以外の掲載先
✓ SNS投稿や営業資料の取り扱い
✓ 検索結果やキャッシュへの対応
✓ 再掲載する場合の確認方法
制作実績を複数の媒体へ掲載すると、すべてを把握して削除することが難しくなります。
どこへ掲載したのか記録し、依頼者から連絡があった場合に対応できるようにしましょう。
実績を掲載しないことも信頼を守る方法になる
守秘義務のある案件では、制作した動画や取引先名を実績として掲載できないことがあります。
実績が少なく見える動画編集会社でも、制作経験がないとは限りません。依頼者との契約を守るため、あえて実績を公開していない場合があります。
株式会社インテックでも、守秘義務を重視し、取引先の許可なく制作動画や企業名を実績として掲載することはありません。
本当は多くの制作事例をご紹介したいところですが、依頼者から預かった情報と信頼を守ることを優先しています。
依頼先を比較するときは、公開実績の数だけでなく、守秘義務、素材の管理方法、担当体制なども確認しましょう。
11.個人の編集者と動画編集会社へ依頼する場合の違い
動画編集は、フリーランスなどの個人編集者と、法人として運営する動画編集会社のどちらにも依頼できます。
個人だから情報管理が不十分、会社だから必ず安全とは限りません。契約内容、作業環境、再委託の有無、担当体制などを確認し、依頼する動画に合う相手を選ぶことが大切です。
個人の編集者へ依頼する場合
個人の編集者へ依頼する場合は、相談から編集、修正、納品まで、一人の担当者が対応することが多くあります。
✓ 編集者本人へ希望を直接伝えやすい
✓ 制作途中の認識を揃えやすい
✓ 得意なジャンルや編集方法が分かりやすい
✓ 柔軟に相談できる場合がある
✓ 料金や作業範囲を調整しやすい場合がある
一方で、病気、事故、機材の故障などにより本人が作業できなくなると、納期やデータの引き継ぎに影響する可能性があります。
個人編集者の作業環境を確認する
個人の編集者は、自宅や共同作業スペースなどで編集する場合があります。
依頼前に、どのような環境で素材を管理するのかを確認しましょう。
✓ 業務専用のパソコンを使用しているか
✓ 家族などと端末を共用していないか
✓ クラウドサービスのアカウントを分けているか
✓ 多要素認証を設定しているか
✓ 素材を外付けストレージへ保存するか
✓ 外出先で編集することがあるか
✓ バックアップをどこへ保存するか
✓ 納品後にデータを削除できるか
フリーランスであっても、NDAや業務委託契約を締結し、適切な方法で素材を管理している編集者はいます。
所属形態だけで判断せず、実際の管理方法を確認することが重要です。
個人編集者がほかの人へ作業を渡す可能性もある
一人の編集者へ依頼したつもりでも、納期や作業内容によっては、字幕、翻訳、サムネイルなどを別の人へ依頼する場合があります。
✓ すべての作業を本人が行うか
✓ 一部の作業を外注するか
✓ 外注前に依頼者へ確認するか
✓ 外注先にも守秘義務を課すか
✓ 素材全体を外注先へ渡すか
✓ 納品後にデータを削除するか
ポートフォリオやSNSだけでは、実際の制作体制まで分からないことがあります。
契約前に、本人以外が素材へアクセスする可能性を確認しましょう。
動画編集会社へ依頼する場合
動画編集会社では、担当編集者のほかに、ディレクター、確認担当者、管理者などが制作へ関わる場合があります。
✓ 複数人で品質を確認できる
✓ 担当者が不在でも引き継ぎやすい
✓ 継続的な制作体制を整えやすい
✓ 契約や請求の窓口が明確になりやすい
✓ 複数の動画や大量の編集を相談しやすい
✓ 編集以外の作業もまとめて依頼しやすい
ただし、関係者が増えれば、素材へアクセスする人も増える可能性があります。
会社へ依頼する場合も、担当者、社内での共有範囲、再委託の有無を確認する必要があります。
担当者が変わる可能性を確認する
動画編集会社では、案件ごとに担当者が変わったり、社内の複数人で作業を分担したりする場合があります。
✓ 依頼ごとに担当者が変わるか
✓ 一人の担当者が継続して対応するか
✓ 担当変更時の引き継ぎ方法
✓ 過去の修正内容をどこへ記録するか
✓ 退職者のアクセス権限を削除するか
✓ 依頼者へ担当変更を連絡するか
継続してYouTube動画などを制作する場合は、同じ担当者が対応することで、チャンネルの雰囲気、文字の使い方、音量、過去の修正内容を共有しやすくなります。
株式会社インテックでは、1クライアントにつき1人の編集担当者が継続して対応しています。
担当者を固定することで、過去の動画や修正内容を把握しながら、統一感のある動画制作を進められます。
法人であることだけで安全と判断しない
動画編集会社であっても、素材管理の方法や社内ルールは会社ごとに異なります。
✓ 素材を誰が閲覧できるか
✓ 社内の共有フォルダをどう管理しているか
✓ 外部スタッフへ再委託するか
✓ 生成AIや外部サービスを使用するか
✓ 納品後にデータを何日保存するか
✓ 情報漏洩が起きた場合の連絡体制
✓ 従業員への教育を行っているか
会社の規模、所在地、実績数だけでは、具体的な安全性まで判断できません。
NDAを締結できるかだけでなく、契約内容を実際の作業で守る体制があるかを確認しましょう。
契約の相手を確認する
個人名やサービス名だけでやり取りをしていると、誰と契約するのか分かりにくい場合があります。
✓ 契約する個人または法人の正式名称
✓ 所在地や連絡先
✓ 請求書を発行する名義
✓ 素材を受け取る担当者
✓ 問題が起きた場合の窓口
✓ NDAへ署名する当事者
✓ 再委託先との関係
クラウドソーシングサービスを利用する場合は、編集者との契約関係だけでなく、サービスの利用規約やデータの取り扱いも確認します。
トラブルが発生したときに連絡できる相手を明確にしておきましょう。
料金だけで依頼先を決めない
個人編集者と動画編集会社では、料金の決め方や含まれる作業が異なります。
同じ金額でも、契約、素材管理、修正、バックアップ、納品後の対応などに違いがある可能性があります。
✓ NDAの締結に対応しているか
✓ 見積もりに含まれる作業
✓ 修正できる回数
✓ 連絡できる時間帯
✓ 担当者が不在の場合の対応
✓ データの保存期間
✓ プロジェクトファイルの納品
✓ 情報漏洩時の対応
見積金額だけを比べるのではなく、依頼したい作業と管理体制を含めて確認しましょう。
依頼内容に合う相手を選ぶ
単発の短い動画と、企業の継続的なYouTube運用では、必要な制作体制が異なります。
個人編集者が向いている場合もあれば、継続対応や管理体制を重視して動画編集会社へ依頼した方がよい場合もあります。
✓ 取り扱う情報の重要度
✓ 動画の本数や長さ
✓ 継続して依頼するか
✓ 希望する納期
✓ 必要な編集内容
✓ 素材へアクセスする人数
✓ 再委託の有無
✓ 万一の場合の対応体制
所属形態だけで決めるのではなく、契約内容、担当者とのやり取り、情報管理の方法を確認し、安心して素材を預けられる相手を選びましょう。
12.守秘義務を任せられる動画編集会社の選び方
守秘義務を任せられる会社かどうかは、公開されている制作実績の多さだけでは判断できません。
NDAを締結できることに加え、素材を受け取ってから納品後に削除するまで、具体的な管理方法を説明できる会社を選びましょう。
NDAの締結に対応しているか
最初に、NDAや守秘義務条項を含む業務委託契約書の締結に対応しているか確認します。
✓ 依頼者が用意したNDAを確認してもらえるか
✓ 編集会社側で契約書を用意できるか
✓ 正式発注前に締結できるか
✓ テスト編集や見積もり段階の素材も対象になるか
✓ 契約終了後も守秘義務が続くか
✓ 電子契約に対応しているか
「秘密は守ります」という口頭の説明だけでなく、対象となる情報や使用目的を契約書で確認できる会社を選びましょう。
質問へ具体的に回答できるか
情報管理について質問したときに、明確な回答があるかを確認します。
✓ 誰が素材を閲覧するのか
✓ どの端末で編集するのか
✓ どのサービスで素材を共有するのか
✓ 外部スタッフへ再委託するのか
✓ 生成AIや外部サービスを使用するのか
✓ 納品後に何日間データを保存するのか
✓ 保存期間後にどのように削除するのか
✓ 問題が発生した場合に誰が連絡するのか
質問に対して「大丈夫です」「安全です」とだけ回答するのではなく、実際の方法を説明できることが重要です。
担当者と素材へアクセスする人を確認する
打ち合わせを担当する人と、実際に編集する人が異なる場合があります。
✓ 相談から納品まで同じ担当者が対応するか
✓ 実際に編集する人を確認できるか
✓ 社内で何人が素材へアクセスするか
✓ 品質確認のために別の担当者が見るか
✓ 担当者が変わる場合に連絡があるか
✓ 過去の修正内容をどのように引き継ぐか
窓口だけが固定され、編集者が毎回変わる場合は、素材の共有先や編集ルールもその都度確認する必要があります。
継続的に動画を依頼する場合は、担当者を固定できる会社を選ぶことで、希望する雰囲気や過去の修正内容も共有しやすくなります。
再委託の有無を説明しているか
動画編集会社が外部スタッフを利用する場合は、再委託の条件を確認します。
✓ 再委託を行うことがあるか
✓ どの作業を再委託するか
✓ 依頼者の事前承諾を得るか
✓ 再委託先にもNDAを締結させるか
✓ 素材全体を共有するか
✓ 再々委託を認めているか
✓ 納品後の削除を確認するか
再委託を行う会社でも、共有範囲や管理方法が明確であれば依頼を検討できます。
反対に、実際の編集者や素材の共有先を説明できない場合は注意が必要です。
素材の共有方法を選べるか
依頼者の情報管理ルールに合わせた共有方法へ対応できるか確認します。
✓ 依頼者指定のクラウドストレージを使用できるか
✓ 指定したアカウントだけにアクセスを限定できるか
✓ 共有リンクへ有効期限を設定できるか
✓ パスワードを別の連絡手段で伝えられるか
✓ 大容量の動画を安全に送受信できるか
✓ アクセス権限を納品後に解除できるか
✓ 物理的なストレージの受け渡しに対応できるか
企業によって、利用を認めているクラウドサービスやファイル転送サービスは異なります。
編集会社が普段使用している方法を一方的に指定するのではなく、依頼者のルールも確認してくれるかを見ましょう。
納品後の保存期間と削除方法が明確か
素材を「必要な間だけ保存する」という説明では、実際にいつ削除されるのか分かりません。
✓ 保存するデータの種類
✓ 保存する目的
✓ 納品後の保存期間
✓ 保存期間中の管理方法
✓ 修正期間が終わった後の処理
✓ バックアップから削除される時期
✓ 削除完了を報告できるか
追加修正のためにデータを残す場合も、期限を決めることが重要です。
依頼者が削除を希望したときに、どの範囲まで対応できるのか確認しましょう。
制作実績の掲載方針を確認する
制作実績が豊富な会社は、編集内容や得意なジャンルを判断しやすいというメリットがあります。
一方で、依頼者の許可を得ずに動画や会社名を掲載していないかも確認する必要があります。
✓ 実績掲載前に許可を得ているか
✓ 契約書に掲載条件が記載されているか
✓ 公開前の制作画面をSNSへ投稿しないか
✓ 社員や外部スタッフの個人投稿も管理しているか
✓ 掲載を断ることができるか
✓ 削除依頼へ対応できるか
守秘義務を優先している会社では、制作経験があっても実績を公開していない場合があります。
掲載数だけで判断せず、実績をどのような基準で公開しているのかを確認しましょう。
トラブル発生時の対応体制を確認する
情報漏洩が疑われる場合に、速やかに連絡・対応できる体制があるか確認します。
✓ 緊急時の連絡先が決まっているか
✓ 共有リンクを停止できるか
✓ アカウントのアクセス権限を解除できるか
✓ 紛失した端末を確認できるか
✓ 再委託先へ連絡できるか
✓ 発生した原因と影響範囲を調査するか
✓ 再発防止策を報告するか
事故が起きないための対策だけでなく、起きた場合の連絡と初動対応も重要です。
問い合わせ窓口や担当者が不明確な場合、対応が遅れる可能性があります。
見積もりや契約内容が分かりやすいか
情報管理だけでなく、通常の制作条件が明確であることも、安心して依頼できる会社の判断材料になります。
✓ 編集する動画の内容
✓ 素材と完成動画の長さ
✓ 料金に含まれる作業
✓ 修正できる回数
✓ 納期
✓ 納品形式
✓ 著作権や使用権
✓ プロジェクトファイルの取り扱い
✓ キャンセル時の条件
依頼内容が曖昧なまま素材を渡すと、追加作業や共有範囲が増える可能性があります。
作業内容と管理方法の両方を、発注前に整理してくれる会社を選びましょう。
公開実績だけでなく対応姿勢を見る
依頼前の相談では、編集技術だけでなく、情報を預ける相手としての対応も確認できます。
✓ 必要以上の素材を最初から求めない
✓ 機密情報の有無を確認する
✓ 公開日や情報解禁日を確認する
✓ 不明な点を自己判断せず質問する
✓ 素材の共有方法を説明する
✓ 契約内容を一方的に決めない
✓ できないことも明確に伝える
守秘義務を重視する会社は、完成動画の見た目だけでなく、編集前の素材をどのように扱うかも確認します。
相談時の質問や説明が丁寧であるかも、依頼先を選ぶ基準の一つです。
株式会社インテックの動画編集
株式会社インテックでは、撮影済みの動画や素材をもとに、YouTube動画やショート動画を制作しています。
✓ カット編集
✓ 字幕・テロップ
✓ BGM・効果音
✓ 音量調整
✓ モザイク・ぼかし
✓ 画像・注釈の制作
✓ サムネイル制作
1クライアントにつき1人の編集担当者が継続して対応するため、過去の動画、修正内容、チャンネルの雰囲気を共有しながら制作を進められます。
また、依頼者との守秘義務を優先し、許可を得ていない制作動画や企業名は実績として掲載していません。
公開前の商品やサービス、社内情報、出演者の個人情報などを含む素材についても、取り扱い方法を確認したうえで編集します。
動画編集の外注を検討している場合は、希望する編集内容だけでなく、素材の共有方法や保存期間についてもご相談ください。
まとめ
動画編集を外注するときは、完成動画だけでなく、未編集の映像や音声、企画書、台本、個人情報、公開前の商品情報などを外部へ渡すことになります。
完成動画では削除される会話、撮影場所に映り込んだ書類、パソコン画面、ファイル名などから、秘密情報が伝わる場合もあります。
秘密保持契約(NDA)を締結するときは、秘密情報の範囲、使用目的、共有できる人、再委託、保存期間、返却・削除、情報漏洩時の対応などを確認しましょう。
NDAは、契約書を作成するだけで情報漏洩を防げるものではありません。
✓ 必要な素材だけを共有する
✓ アクセスできる人を限定する
✓ 共有リンクに有効期限を設定する
✓ 多要素認証を利用する
✓ 再委託先にも守秘義務を課す
✓ 生成AIや外部サービスの使用条件を確認する
✓ 納品後の保存期間を決める
✓ 不要になった素材や複製データを削除する
このような管理を、実際の編集作業で継続することが重要です。
また、完成動画が一般公開された後も、編集会社が自由に制作実績として掲載できるとは限りません。
依頼者名、完成動画、静止画、制作画面などを公開するときは、掲載先や使用できる範囲を確認し、事前に許可を得る必要があります。
動画編集会社を選ぶときは、公開されている制作実績や料金だけでなく、誰が素材へアクセスするのか、再委託を行うのか、納品後にデータをいつ削除するのかまで確認しましょう。
株式会社インテックでは、1クライアントにつき1人の編集担当者が継続して対応し、過去の動画や修正内容を共有しながら制作を進めています。
守秘義務を優先しているため、依頼者の許可を得ていない制作動画や企業名は実績として掲載していません。
撮影済み素材をもとに、カット編集、字幕、BGM、効果音、音量調整、モザイク、画像、サムネイルなどを制作できます。
秘密情報や個人情報を含む動画の編集を外注したい場合も、素材の共有方法や保存期間を含めて、お気軽にご相談ください。
MOVIE CREATION
伝わる動画を、企業の力に。
株式会社インテックでは、YouTube・SNS動画・採用動画・企業紹介動画など、
お客様の目的に合わせた動画制作を行っています。
撮影済みの素材を活用した動画編集についても、お気軽にご相談ください。
