観光動画で町おこし・集客につなげる方法

観光動画を活用して、地域の認知拡大から来訪・予約・地域内消費につなげる方法を解説します。スマートフォンで編集しやすい素材を撮影するポイント、SNSで話題の観光資源を調べる方法、国内旅行者とインバウンド旅行者への伝え方も紹介します。

COLUMN

観光動画で町おこし・集客につなげる方法

観光動画を活用して、地域の認知拡大から来訪・予約・地域内消費につなげる方法を解説します。スマートフォンで編集しやすい素材を撮影するポイント、SNSで話題の観光資源を調べる方法、国内旅行者とインバウンド旅行者への伝え方も紹介します。

天の川が水面に反射する棚田と海、山、色鮮やかな花々

有名な観光名所や大規模な施設がなくても、地域の自然、食、文化、暮らしを動画で発信することで、新しい観光のきっかけをつくれます。
地域では当たり前になっている風景や習慣も、旅行者にとっては、その場所を訪れたくなる魅力的な観光資源になる可能性があります。

一方で、観光協会や自治体によっては、動画の撮影や編集を担当できる職員がいないこともあります。
専門的な撮影機材や編集技術がなくても、地域の担当者がスマートフォンで素材を撮影し、編集を外部へ依頼すれば、YouTube、Instagram、TikTokなどで発信する観光動画を制作できます。

大切なのは、美しい景色を紹介して終わるのではなく、旅行者が必要とする情報を伝え、実際の来訪や飲食、宿泊、施設の予約、アクティビティへの参加につなげることです。

本記事では、地域にある観光資源の見つけ方から、旅行者の傾向やSNSで話題になっている場所の調査方法、スマートフォンで撮影する際のポイント、多言語で発信する方法まで詳しく解説します。

この記事で分かること

✓観光動画が町おこしや地域への集客に役立つ理由
✓動画で紹介できる地域の観光資源
✓地域を訪れる旅行者の傾向を調べる方法
✓SNSで話題になっている場所や食べ物の見つけ方
✓国内旅行者とインバウンド旅行者に伝えたい情報
✓観光動画でアクティビティを紹介する際のポイント
✓YouTube、Instagram、TikTok、Xを組み合わせる方法
✓編集しやすい動画素材をスマートフォンで撮影する方法
✓日本語で制作した動画を海外の旅行者へ届ける方法
✓撮影した素材から動画編集を依頼する方法

目次

  • 1.観光動画が町おこし・集客に役立つ理由
  • 2.地域にある観光資源を見つける
  • 3.旅行者の傾向とSNSで話題の場所を調べる
  • 4.国内旅行者とインバウンド旅行者に必要な情報
  • 5.観光動画でアクティビティを紹介する
  • 6.観光動画の内容と掲載先を決める
  • 7.編集しやすい動画素材をスマートフォンで撮影する
  • 8.日本語の観光動画を海外の旅行者にも届ける
  • 9.動画公開後の発信を来訪や予約につなげる
  • 10.観光動画の編集を外部へ依頼する
  • 11.まとめ

1.観光動画が町おこし・集客に役立つ理由

観光動画では、写真と文章だけでは伝えにくい景色の広がり、現地の音、食べ物の質感、施設の雰囲気などを、視覚と聴覚の両方で伝えられます。
旅行者が現地で過ごす様子を想像しやすくなり、「行ってみたい」「体験してみたい」という興味につながります。 

観光庁が公表した令和8年版観光白書によると、2025年の日本人国内旅行消費額は26.8兆円、訪日外国人旅行消費額などを含む日本国内の旅行消費額は37.6兆円でした。
地域の魅力を適切に届け、来訪後の飲食、宿泊、買い物、体験へつなげることは、地域内の消費を増やすうえでも重要です。

参考:観光庁「令和8年版観光白書について」

認知だけで終わらせず地域内の行動につなげる

動画の再生回数を増やすことだけが、観光動画の目的ではありません。
動画を見た人が地域を訪れ、飲食店や宿泊施設を利用し、買い物や体験を楽しむところまで考える必要があります。 

動画内や投稿文には、次の行動につながる情報を掲載します。

✓施設や店舗の名称
✓所在地と交通手段
✓営業時間と休業日
✓料金や支払い方法
✓予約の要否と予約先
✓所要時間
✓周辺の立ち寄り場所
✓公式ホームページのURL

一つの観光地だけを紹介するのではなく、周辺の飲食店、宿泊施設、体験施設なども組み合わせることで、地域内での回遊や滞在時間の増加につなげられます。

2.地域にある観光資源を見つける

観光動画で紹介できるものは、有名な観光名所だけではありません。
地域の人にとっては見慣れた風景や日常でも、旅行者にとっては、その地域でしか見られない魅力的な観光資源になることがあります。

自然や季節の風景

海、山、川、湖、棚田、田園風景、雪景色などは、季節や時間帯によって異なる表情を見せます。

桜、新緑、紅葉、雪など、その時期にしか見られない風景を動画で紹介すると、旅行者が訪れる時期を決める際の参考になります。

朝日や夕日、水面に映る景色、雨や雪が降る様子、風に揺れる草花など、動きや音がある風景は動画との相性も良好です。

食や地域の店舗

国内旅行者、インバウンド旅行者を問わず、食は旅行先を選ぶきっかけの一つになります。

郷土料理や名産品だけでなく、食べ歩きができる商店街、市場、地元の人が利用する飲食店、農産物の直売所や無人販売所なども観光動画で紹介できます。

料理の完成映像だけではなく、調理中の音、湯気、盛り付ける様子、店内の雰囲気なども撮影すると、その場で食べる楽しさが伝わりやすくなります。

店舗を紹介する場合は、営業時間、休業日、支払い方法、予約の要否なども確認し、動画の概要欄や投稿文に掲載します。

文化や地域の日常

祭り、伝統行事、神社仏閣、史跡、古い町並み、職人の仕事なども、その地域らしさを伝えられる題材です。

田植えや収穫、漁港の朝、雪かき、地域の市場など、地元では日常的に見られる光景が、旅行者には珍しく魅力的に映ることもあります。

地域側の感覚だけで「観光資源にはならない」と判断せず、初めて訪れる人の視点で地域を見直すことが大切です。

祭りや伝統行事を撮影するときは、主催者に撮影と公開の許可を確認します。参加者や見物客の顔が映る場合は、撮影場所や構図を調整し、必要に応じてモザイク処理を行います。

地域固有の動物や植物

その地域に生息する動物や固有の植物、特定の季節に見られる生き物も、観光動画の題材になります。

花の見頃や動物を観察しやすい時期などを伝えると、旅行者が訪問時期を検討しやすくなります。

ただし、希少な動植物は、生息場所を詳しく公開することで、乱獲、盗掘、過度な接触などにつながるおそれがあります。

保護が必要な生物を紹介するときは、生息地を特定できる建物、標識、道路などを映さず、自治体や管理団体へ公開してよい範囲を確認する必要があります。

地域の人から情報を集める

観光資源を探すときは、自治体や観光協会が把握している場所だけでなく、地域住民、飲食店、宿泊施設、農業・漁業関係者などからも情報を集めます。

地域で暮らしている人だからこそ知っている景色、季節の食べ物、行事、散策コースなどが、新しい観光動画の企画につながることがあります。

集めた情報は、次のような点を確認してから撮影候補として整理します。

✓撮影や公開の許可を得られるか
✓旅行者が実際に訪れられる場所か
✓立入禁止区域や危険な場所ではないか
✓駐車場や公共交通機関を利用できるか
✓季節や時間帯によって見られる内容が変わるか
✓周辺に飲食店や宿泊施設があるか
✓撮影によって地域住民の生活を妨げないか

映像としての美しさだけでなく、旅行者が安全に訪れられるか、地域への負担が大きくならないかまで確認することが重要です。

3.旅行者の傾向とSNSで話題の場所を調べる

観光動画を制作する前に、その地域をどのような旅行者が訪れ、何に関心を持っているのかを調べます。

地域側が紹介したい場所と、旅行者が知りたい場所が一致しているとは限りません。感覚だけで企画を決めず、公的な観光統計やSNSの投稿を確認することが大切です。

公的な観光統計から旅行者の傾向を調べる

都道府県や市区町村、観光協会などが公表している観光統計では、次のような情報を確認できる場合があります。

✓旅行者数の推移
✓日帰り客と宿泊客の割合
✓国内旅行者と訪日外国人旅行者の割合
✓訪日外国人旅行者の主な国や地域
✓旅行者が訪れている場所
✓旅行中の消費額
✓利用されている交通手段
✓旅行者へのアンケート結果

北海道・東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄では、気候、交通環境、観光資源、旅行者の出発地などが異なります。

全国共通の傾向だけで内容を決めず、対象となる都道府県や市区町村が公表している最新の観光統計も確認します。

国内旅行者の動向については、観光庁の「旅行・観光消費動向調査」でも確認できます。

参考:観光庁「旅行・観光消費動向調査」

訪日外国人旅行者については、観光庁の「インバウンド消費動向調査」で、訪日目的、旅行中の支出、満足度などを確認できます。

参考:観光庁「インバウンド消費動向調査」

SNSで話題になっている場所や食べ物を調べる

Instagram、TikTok、YouTube、Xなどで地域名や観光地名を検索すると、旅行者が実際に投稿している写真や動画を確認できます。

地域名に次のような言葉を組み合わせて検索します。

✓観光
✓絶景
✓映え
✓グルメ
✓食べ歩き
✓穴場
✓体験
✓アクティビティ
✓日帰り
✓旅行

たとえば「地域名+絶景」「地域名+食べ歩き」「地域名+穴場」のように検索すると、旅行者から注目されている場所や食べ物を見つけやすくなります。

訪日外国人旅行者の投稿を調べる場合は、地域名の英語表記や、対象としている国・地域の言語でも検索します。

投稿数だけでなく実際の反応を確認する

SNSを調査するときは、「いいね」の数だけで判断しないことが大切です。

次のような反応も確認します。

✓保存したくなる情報が含まれているか
✓「行ってみたい」というコメントがあるか
✓場所や料金に関する質問が寄せられているか
✓複数の旅行者が同じ場所を紹介しているか
✓同じ場所でも特定の季節や時間帯に反応が集まっているか
✓国内外の旅行者で注目している内容に違いがあるか

再生数や「いいね」が多くても、実際の来訪につながる情報が含まれていない場合があります。

保存数、コメントの内容、質問されている情報などを確認すると、旅行者が何を知りたいのかを把握しやすくなります。

なぜ注目されているのかを分析する

人気の投稿をそのまままねるのではなく、なぜ注目されているのかを考えます。

✓景色の色彩や構図が美しい
✓朝日や夕日など撮影時間が適している
✓桜、紅葉、雪など季節性がある
✓料理の湯気や調理音が伝わる
✓その地域でしかできない体験がある
✓交通手段や料金などの情報が分かりやすい
✓動画の冒頭で見どころが伝わる
✓撮影者自身が体験している様子が分かる

同じ場所でも、撮影する季節、時間帯、画角、紹介する情報によって、動画から受ける印象は変わります。

調査結果をもとに、「春に訪れたい桜の名所」「駅から歩いて行ける絶景」「地元で人気の食べ歩きグルメ」など、旅行者が興味を持ちやすい切り口を考えます。

SNSの情報が現在も正しいか確認する

SNSで話題になっている場所を見つけても、投稿内容だけを基に観光動画を制作することは避けます。

過去の投稿には、現在と異なる営業時間、料金、交通手段、撮影ルールなどが掲載されている可能性があるためです。

撮影前に、次の情報を施設や管理者へ確認します。

✓現在も一般の旅行者が利用できるか
✓撮影と動画公開が認められているか
✓営業時間や休業日に変更がないか
✓料金や予約方法が変わっていないか
✓立入禁止区域や撮影禁止区域がないか
✓ドローンや三脚を使用できるか
✓混雑しやすい時間帯や季節はいつか

SNSで見つけた情報を企画のきっかけとして活用し、正式な情報は自治体、観光協会、施設などの公式ホームページや問い合わせによって確認します。

4.国内旅行者とインバウンド旅行者に必要な情報

国内旅行者とインバウンド旅行者では、情報の探し方や、旅行中に必要とする案内が異なる場合があります。

ただし、国籍だけで旅行者の行動や好みを決めつけることはできません。家族旅行、一人旅、団体旅行、長期滞在など、旅行の目的や滞在方法も考え、複数の選択肢を分かりやすく提示することが大切です。

国内旅行者に伝えたい情報

国内旅行者には、週末や連休に訪れやすい場所、日帰りで楽しめるコース、季節限定のイベント、食べ歩きができる地域などを紹介できます。

動画内や概要欄、投稿文には、次のような情報を掲載します。

✓車や公共交通機関での行き方
✓駐車場の場所と料金
✓日帰りで回れるモデルコース
✓季節ごとの見どころ
✓雨の日でも楽しめる施設
✓子どもや高齢者と利用しやすい場所
✓周辺の飲食店や宿泊施設
✓混雑しやすい時期や時間帯
✓予約の要否
✓利用料金

半日、1日、1泊2日など、滞在時間に合わせた回り方を動画で紹介すると、旅行者が予定を立てやすくなります。

たとえば、午前中に観光名所を訪れ、昼食に郷土料理を味わい、午後にアクティビティを体験するなど、時間の流れに沿って紹介する方法があります。

インバウンド旅行者に伝えたい情報

インバウンド旅行者に向けた動画では、景色や料理の紹介に加え、予約方法や交通手段など、旅行前と滞在中に必要となる具体的な情報も伝えます。

✓オンラインで予約できるか
✓予約なしでも利用できるか
✓対応している言語
✓利用できる支払い方法
✓最寄り駅やバス停からの行き方
✓料金と所要時間
✓利用時のルールやマナー
✓アレルギーや食事制限への対応
✓荷物を預けられる場所
✓Wi-Fiを利用できるか
✓免税に対応しているか
✓災害や緊急時の案内

交通機関の乗り方や施設の利用方法など、日本では一般的なことでも、初めて訪れる旅行者には分かりにくい場合があります。

最寄り駅から施設までの道順、切符の購入方法、受付の場所、靴を脱ぐ必要がある場所なども、映像で見せると理解しやすくなります。

地域内での宿泊・飲食・買い物につなげる

2025年の訪日外国人旅行消費額では、宿泊費、買い物代、飲食費が大きな割合を占めています。

観光名所だけを紹介して終わるのではなく、周辺の宿泊施設、飲食店、地域の商品、体験プログラムなども一緒に案内することで、地域内での消費につなげられます。

参考:観光庁「2025年 訪日外国人の消費動向」

たとえば、景勝地を紹介する動画に、近隣の宿泊施設、郷土料理を提供する飲食店、地域の特産品を購入できる店舗などの情報を加えます。

それぞれの所在地、営業時間、料金、予約先なども掲載すると、動画を見た旅行者が具体的な予定を立てやすくなります。

多言語で正確な情報を伝える

インバウンド旅行者向けの動画では、字幕、動画タイトル、概要欄、投稿文などを多言語化する方法があります。

すべての言語に対応することが難しい場合は、対象としている旅行者の国や地域、観光統計、施設への問い合わせ状況などを確認し、優先する言語を決めます。

自動翻訳を使用する場合でも、次の情報は公開前に確認が必要です。

✓地名
✓人名
✓施設名
✓料理名
✓料金
✓営業時間
✓交通手段
✓予約方法
✓禁止事項
✓安全上の注意事項

誤った翻訳は、旅行者が目的地へ到着できない、予約できない、利用上のルールを理解できないといった問題につながります。

可能であれば、対象言語を理解できる人や翻訳者に確認を依頼します。

旅行者が安心して利用できる情報も伝える

観光動画では、魅力だけでなく、旅行者が安心して訪れるために必要な情報も伝えます。

✓段差や階段の有無
✓車いすやベビーカーで利用できるか
✓多目的トイレの有無
✓授乳室やおむつ交換場所の有無
✓食物アレルギーへの対応
✓宗教上の食事制限への対応
✓悪天候時の営業状況
✓緊急時の連絡先
✓立入禁止区域
✓撮影が禁止されている場所

対応していない設備やサービスがある場合も、事前に正確な情報を伝えることで、旅行者が自分に合った場所かどうかを判断できます。

動画内にすべての情報を詰め込むのではなく、概要欄や公式ホームページに詳しい案内を掲載し、確認できるページへのリンクを用意します。

5.観光動画でアクティビティを紹介する

旅行者は、景色を見るだけでなく、その地域でしかできない体験にも関心を持っています。

日本政府観光局(JNTO)では、各地域の自然、文化、歴史、食などを生かした観光コンテンツを収集し、外国人旅行者の目線で海外へ発信しています。

参考:日本政府観光局「外国人旅行者の目線で、全国各地の観光コンテンツを収集・発信」

地域ならではのアクティビティを紹介する

観光動画で紹介できるアクティビティには、次のようなものがあります。

✓カヌーやSUP
✓サイクリング
✓ハイキング
✓スキーや雪遊び
✓釣りや漁業体験
✓農業体験や収穫体験
✓陶芸や伝統工芸
✓郷土料理づくり
✓着物や文化体験
✓動物とのふれあい

有名な観光施設だけでなく、地域の自然や産業、暮らしを生かした体験も、その地域ならではの観光資源になります。

体験している人の表情や動き、周囲の景色、作業中の手元などを撮影すると、旅行者が参加したときの様子を想像しやすくなります。

体験の流れを動画で見せる

初めて参加するアクティビティでは、「どのようなことをするのか」「自分にもできるのか」と不安を感じる旅行者もいます。

動画では、次のような流れを順番に紹介します。

✓受付をする場所
✓道具や服装の準備
✓担当者から説明を受ける様子
✓体験を始めるまでの手順
✓実際に体験している様子
✓終了後の着替えや返却方法
✓体験後に利用できる施設

初心者向けの説明やスタッフのサポートがある場合は、その様子も映すことで、初めての旅行者にも安心感を与えられます。

参加を判断するための情報を伝える

楽しそうな場面だけでなく、旅行者が申し込みを判断するために必要な情報も伝えます。

✓予約の要否
✓料金
✓所要時間
✓開催期間
✓開始時間
✓集合場所
✓対象年齢
✓参加人数
✓必要な持ち物
✓適した服装
✓対応している言語
✓雨天時の対応
✓キャンセル方法
✓安全上の注意事項

水上や雪山などで行うアクティビティでは、天候によって中止になる条件や、参加者に求められる体力、経験についても正確に案内します。

動画内にすべてを表示できない場合は、概要欄や公式ホームページに詳しい情報を掲載し、確認できるページへ案内します。

安全対策や利用上のルールも紹介する

アクティビティを紹介するときは、魅力だけでなく、安全に参加するためのルールも伝える必要があります。

✓ライフジャケットやヘルメットの着用
✓立ち入ってはいけない区域
✓スタッフの指示に従う必要があること
✓動植物に触れる際の注意点
✓道具を使用するときの注意事項
✓持病や体調について事前申告が必要か
✓悪天候や災害発生時の対応

撮影のために危険な場所へ入ったり、実際の利用ルールと異なる行動を見せたりすると、動画を見た人がまねをするおそれがあります。

管理者や体験事業者に撮影内容を確認してもらい、正しい利用方法が伝わる映像を使用します。

予約ページへの導線を用意する

動画を見て興味を持った人が、そのまま申し込みへ進めるように、投稿文や概要欄へ予約ページのリンクを掲載します。

予約ページでは、次の情報を確認できる状態が望ましいでしょう。

✓空き状況
✓開催日時
✓参加料金
✓対象年齢
✓集合場所
✓所要時間
✓キャンセル条件
✓問い合わせ先
✓対応言語

動画で複数のアクティビティを紹介する場合は、それぞれの名称と予約先が分かるように整理します。

海外の旅行者にも参加してもらいたい場合は、多言語で内容を確認できる予約ページや、海外から利用できる決済方法があるかも確認します。

6.観光動画の目的と構成を決める

撮影を始める前に、「誰に」「何を伝え」「どのような行動につなげたいのか」を整理します。

紹介したい場所を順番に撮影するだけでは、情報がまとまらず、旅行者に動画の目的が伝わりにくくなることがあります。

目的と構成を先に決めておくと、必要な映像や情報が明確になり、撮影漏れも防ぎやすくなります。

動画を見てもらいたい旅行者を決める

同じ地域を紹介する場合でも、想定する旅行者によって動画に必要な内容は変わります。

✓日帰りで訪れる旅行者
✓家族で旅行する人
✓一人旅を楽しむ人
✓車を利用する人
✓公共交通機関を利用する人
✓食や買い物を目的に訪れる人
✓自然やアクティビティを楽しみたい人
✓日本を初めて訪れるインバウンド旅行者
✓同じ地域に長期間滞在する旅行者

対象を細かく限定しすぎる必要はありませんが、中心となる旅行者を決めておくと、紹介する場所や情報を選びやすくなります。

たとえば、公共交通機関を利用する旅行者へ向けた動画では、駅やバス停から目的地までの道順を見せます。

家族旅行を想定する場合は、子どもと利用できる施設、休憩場所、トイレ、食事ができる場所なども紹介します。

動画を見た後に取ってほしい行動を決める

観光動画の目的は、地域を知ってもらうことだけではありません。

動画を見た人に、次のような行動を取ってもらうことも考えます。

✓地域の公式ホームページを見る
✓観光地や施設について詳しく調べる
✓宿泊施設を予約する
✓アクティビティへ申し込む
✓飲食店や店舗を訪れる
✓モデルコースを保存する
✓SNSのアカウントをフォローする
✓家族や友人へ動画を共有する

目的によって、動画内で案内する内容や掲載するリンクは変わります。

宿泊につなげたい場合は、客室や食事、周辺の観光地を紹介し、概要欄に宿泊予約ページのリンクを掲載します。

日帰りでの来訪につなげたい場合は、交通手段、駐車場、営業時間、所要時間などを分かりやすく伝えます。

一つの動画に内容を詰め込みすぎない

地域には、自然、食、文化、宿泊施設、アクティビティなど、さまざまな観光資源があります。

すべてを一つの動画で紹介しようとすると、一つひとつの情報が短くなり、何を伝えたい動画なのか分かりにくくなることがあります。

次のように、テーマごとに動画を分ける方法があります。

✓春に訪れたい桜の名所
✓地元の人がおすすめする飲食店
✓駅から歩いて回れる観光コース
✓雨の日でも楽しめる施設
✓家族で参加できるアクティビティ
✓地域の伝統文化を体験できる場所
✓1泊2日で楽しむモデルコース

一つの動画で一つのテーマを詳しく紹介すると、旅行者が自分に必要な情報を見つけやすくなります。

複数の動画を継続して公開する場合は、シリーズ名やデザインをそろえると、同じ地域の動画であることも伝わりやすくなります。

動画の始まりから終わりまでの流れを決める

撮影前に、動画全体のおおまかな流れを決めます。

たとえば、観光地を紹介する動画は、次のような順番で構成できます。

✓動画の冒頭で最も魅力的な場面を見せる
✓地域名と今回紹介する内容を伝える
✓目的地までの交通手段を紹介する
✓現地の景色や体験を見せる
✓周辺の飲食店や施設を紹介する
✓料金、営業時間、予約方法を案内する
✓公式ホームページや予約ページへ誘導する

冒頭で動画の見どころが分からないと、目的の情報が出てくる前に視聴をやめられる可能性があります。

最も美しい景色、料理の完成場面、アクティビティを楽しんでいる様子などを先に見せ、続きを見たくなる構成にします。

撮影する場面を一覧にする

動画の構成が決まったら、撮影が必要な場面を一覧にします。

✓地域や施設の外観
✓入口や受付
✓最寄り駅やバス停
✓駐車場
✓目的地までの道順
✓景色の全体
✓建物や商品の細部
✓料理を作っている様子
✓アクティビティを体験している様子
✓スタッフが案内している様子
✓料金表や営業時間の案内
✓予約方法が分かる掲示物
✓周辺の飲食店や宿泊施設

撮影場所ごとに必要な場面を整理しておくと、後から不足に気付き、同じ場所へ撮影に戻る事態を防ぎやすくなります。

営業時間、料金、施設名などは、映像だけに頼らず、正式な情報を別途記録しておくことも大切です。

撮影前に許可と公開範囲を確認する

店舗、宿泊施設、私有地、文化施設などで撮影する場合は、管理者へ撮影と公開の許可を確認します。

撮影できる場所であっても、動画としてインターネット上へ公開することまでは認められていない場合があります。

出演する人がいる場合は、次の内容も事前に共有します。

✓動画を掲載する媒体
✓顔や名前を公開してよいか
✓映像を使用する期間
✓広告にも使用する可能性があるか
✓他のSNS用に再編集する可能性があるか
✓公開後に削除を求められた場合の対応

一般の旅行者、地域住民、車のナンバー、住宅、表札などが映り込まないように、撮影する時間帯やカメラの向きを調整します。

公開できない部分が映った場合は、使用する場面を変更するか、編集時にモザイクなどの処理が必要になります。

💡編集者のワンポイント
撮影前に動画の流れと必要な場面を一覧にしておくと、素材を編集会社へ渡したときも、どの映像をどこで使用したいのか伝えやすくなります。
同じ場所を「全体が分かる映像」「少し近づいた映像」「手元や商品の細部」の3種類で撮影しておくと、画面に変化をつけやすくなります。

7.観光動画の撮影で魅力を伝えるポイント

観光地の魅力を伝えるには、きれいな景色を撮影するだけでなく、旅行者が現地で過ごす様子を想像できる映像をそろえることが大切です。

場所の全体像、細部、音、人の動きなどを組み合わせると、その地域の雰囲気や体験の内容が伝わりやすくなります。

同じ場所を複数の画角で撮影する

一つの場所を同じ距離や角度から撮影し続けると、映像に変化をつけにくくなります。

撮影するときは、次のように画角を変えて素材を残します。

✓周辺の景色まで含めた全体の映像
✓建物や人物を中心にした映像
✓料理、商品、手元などに近づいた映像
✓歩いている人を後ろから撮影した映像
✓旅行者の視点で入口や道順を見せる映像
✓低い位置や高い位置から撮影した映像

たとえば飲食店を紹介する場合は、店舗の外観、入口、店内、調理風景、料理全体、食材や湯気のアップ、食べている様子などを撮影します。

同じ対象を離れた位置、中程度の距離、近い位置から撮影しておくと、編集時に映像を切り替えやすくなります。

旅行者の目線で移動の流れを撮影する

観光地へ向かうまでの流れも、旅行者にとって必要な情報です。

駅やバス停から目的地までの道順、駐車場から入口までの移動、受付の場所などを、実際に訪れる人の目線で撮影します。

✓駅やバス停の名称
✓利用する出口
✓目印となる建物や看板
✓曲がる場所
✓横断歩道や階段
✓施設の入口
✓受付や券売機の場所
✓駐車場から施設までの経路

道順を撮影するときは、必要以上に速くカメラを動かさず、進む方向が分かるように撮影します。

映像だけでは分かりにくい場所には、編集時に矢印、地名、距離、所要時間などを表示します。

季節と時間帯を選んで撮影する

同じ観光地でも、季節や時間帯によって景色、光、混雑状況は変わります。

桜、紅葉、雪景色などを紹介する場合は、見頃を確認し、必要に応じて複数の日程を撮影候補として用意します。

朝や夕方は光がやわらかく、景色に立体感が出やすい時間帯です。一方、日中は施設の外観や道順などを明るく撮影しやすくなります。

✓日の出や日の入りの時刻
✓撮影したい景色に光が当たる方向
✓施設の営業時間
✓混雑しやすい時間帯
✓天候による見え方の違い
✓季節による立入制限
✓イベントや祭りの開催時間

景色を優先するあまり、立入禁止の時間帯に撮影したり、営業前の施設へ無断で入ったりしてはいけません。

撮影日時と実際に旅行者が利用できる日時が異なる場合は、誤解を招かないように説明を加えます。

その場所ならではの音も収録する

観光動画では、映像だけでなく現地の音も地域の雰囲気を伝える要素になります。

✓波や川の音
✓鳥や虫の鳴き声
✓祭りの太鼓や掛け声
✓市場や商店街の声
✓料理を焼く音や揚げる音
✓電車や船が到着する音
✓工房で道具を使用する音
✓雪の上を歩く音

現地の音を使用する場合は、撮影者の話し声、風の音、車の走行音などが必要以上に入っていないか確認します。

屋外では、カメラやマイクに風が直接当たると大きな雑音が入るため、風防を使用する方法があります。

店舗内で流れている音楽が収録されると、公開時に著作権上の問題が生じる可能性があります。必要に応じて店舗へ音楽を止められるか確認し、難しい場合は編集時に音声を差し替えます。

人の動きや体験している様子を入れる

景色や建物だけでは、場所の大きさや、そこで何を楽しめるのかが伝わりにくい場合があります。

歩く、食べる、買い物をする、体験に参加するなど、人の動きを入れることで、旅行者が現地で過ごす様子を想像しやすくなります。

出演者を撮影するときは、カメラを意識してもらう場面だけでなく、自然に景色を見たり、体験したりしている様子も撮影します。

✓目的地へ歩いていく様子
✓景色を眺めている様子
✓料理を受け取る様子
✓商品を選んでいる様子
✓アクティビティに参加する様子
✓スタッフから説明を受ける様子
✓完成した作品を手にする様子

実際には利用できない場所で撮影したり、通常とは異なる体験内容を演出したりすると、旅行者に誤った情報を与えてしまいます。

施設や体験事業者の通常の利用方法に沿って撮影します。

手ぶれや急なカメラ操作を防ぐ

歩きながらの撮影や手持ち撮影では、手ぶれによって映像が見づらくなることがあります。

三脚、ジンバル、手ぶれ補正機能などを使用し、目的に合った方法でカメラを安定させます。

撮影中は、次の点にも注意します。

✓録画開始直後にカメラを動かさない
✓一つの場面を短時間で止めない
✓急に左右へ振らない
✓ズームを繰り返さない
✓水平や垂直が大きく傾いていないか確認する
✓歩くときは速度を一定にする
✓撮影終了前にも数秒間カメラを止める

一つの場面を数秒間長めに撮影しておくと、字幕を表示したり、別の音声を重ねたりするときにも使いやすくなります。

縦向きと横向きの両方で使用する予定がある場合は、人物や建物を画面の端へ寄せすぎず、切り抜ける余白も残します。

ドローン撮影は法令と地域のルールを確認する

ドローンを使用すると、地上からは見えない海岸線、山、町並み、施設全体などを撮影できます。

ただし、飛行場所や方法によっては、事前の許可や承認が必要です。

撮影前に、次の内容を確認します。

✓飛行が禁止または制限されている区域ではないか
✓国への許可や承認が必要か
✓土地や施設の管理者から許可を得ているか
✓自治体や公園独自のルールがないか
✓周辺に空港や重要施設がないか
✓祭りやイベントの上空に該当しないか
✓第三者や建物との安全な距離を確保できるか
✓天候や風の状態に問題がないか

許可や安全管理について判断できない場合は、必要な資格や経験を持つ事業者への依頼を検討します。

撮影できる場所であっても、住宅、学校、私有地などを必要以上に映すと、プライバシーの問題につながる可能性があります。飛行の可否だけでなく、公開する映像の範囲も確認が必要です。

参考:国土交通省「無人航空機総合窓口サイト」

💡編集者のワンポイント
観光動画では、景色の全体だけでなく、料理の湯気、職人の手元、足元の道、案内板などの細部も撮影しておくと、編集時に場面を自然につなぎやすくなります。
縦型動画への再編集も想定し、重要な人物や商品が画面の中央付近に収まる映像も残しておくことをおすすめします。

8.観光動画の編集で見やすく仕上げる

撮影した映像を順番に並べるだけでは、旅行者に必要な情報や地域の魅力が十分に伝わらないことがあります。

不要な場面を省き、字幕、地図、ナレーション、現地の音などを組み合わせて、旅行者が内容を理解しやすい動画に仕上げます。

動画の目的に合わせて使用する映像を選ぶ

撮影した素材の中から、動画のテーマや対象とする旅行者に合った映像を選びます。

✓景色や施設の特徴が分かる
✓人物や商品にピントが合っている
✓手ぶれが少ない
✓明るさや色が大きく崩れていない
✓旅行者や車のナンバーなどが不用意に映っていない
✓撮影許可を得た範囲の映像である
✓現在の施設やサービスと内容が一致している
✓同じような映像が重複していない

映像がきれいでも、動画の目的と関係のない場面を多く使用すると、伝えたい内容が分かりにくくなります。

「景色を紹介する場面」「道順を説明する場面」「料金や予約方法を案内する場面」など、役割を考えながら素材を選びます。

冒頭で動画の内容と見どころを伝える

動画の冒頭では、地域名や施設名だけでなく、この動画を見ると何が分かるのかを伝えます。

✓最も美しい景色
✓完成した料理
✓楽しそうに体験している様子
✓地域ならではの文化や祭り
✓今回紹介する観光コース
✓動画内で紹介する場所の一覧

たとえば、「駅から徒歩で回れる3つの観光スポット」「家族で楽しめる雨の日の観光コース」など、具体的な内容を表示します。

長いあいさつや説明から始めると、見どころが分かる前に視聴をやめられる可能性があります。

最初に魅力的な場面と動画のテーマを見せ、その後に詳しい説明へ進みます。

場面の順番と時間の流れを分かりやすくする

複数の観光地や施設を紹介するときは、場所や時間の移り変わりが分かるように編集します。

✓出発地点
✓移動方法
✓目的地への到着
✓施設や景色の紹介
✓食事や体験
✓次の場所への移動
✓旅の終わり
✓予約先や公式ホームページの案内

モデルコースを紹介する場合は、「10:00 駅を出発」「12:00 昼食」など、時刻や所要時間を表示する方法があります。

場所が変わるときは、地名、施設名、地図などを表示すると、旅行者が現在地を理解しやすくなります。

実際の移動順序と異なる編集をする場合は、旅行者が誤解しないように説明を加えます。

字幕で必要な情報を補足する

周囲が騒がしい場所や、音声を出せない環境でも内容が伝わるように、必要な情報を字幕で表示します。

✓観光地や施設の名称
✓所在地
✓営業時間
✓休業日
✓料金
✓所要時間
✓最寄り駅やバス停
✓駐車場の有無
✓予約の要否
✓撮影時点の情報
✓利用上の注意事項

字幕は、一度に多くの情報を表示すると読み切れないことがあります。

文章を短く区切り、背景と文字の色が重なって読みにくくならないように、文字の縁取りや背景色を設定します。

スマートフォンでの視聴も考え、文字を小さくしすぎないことも大切です。

地図や矢印で移動方法を伝える

駅から観光地までの道順や、複数の場所を回る順番は、映像だけでは分かりにくい場合があります。

次のような情報を地図や矢印で補足します。

✓出発地点と目的地
✓徒歩や車で進む方向
✓曲がる場所
✓目印となる建物
✓最寄り駅やバス停
✓駐車場の位置
✓移動距離
✓所要時間
✓利用する交通機関

地図を使用するときは、掲載や加工が認められている素材か確認します。

画面を見ながら移動する人が危険な場所で立ち止まらないように、詳しい経路は公式ホームページや地図サービスの案内ページでも確認できるようにします。

工事や運休などによって経路が変わる可能性がある場合は、公開前に最新の情報を確認します。

ナレーションと現地の音を使い分ける

ナレーションは、映像だけでは伝わらない歴史、特徴、利用方法などを説明するために使用します。

一方で、すべての場面にナレーションやBGMを入れると、波の音、調理音、祭りの掛け声など、その場所ならではの音が伝わりにくくなります。

✓説明が必要な場面ではナレーションを入れる
✓景色を見せる場面では現地の音を生かす
✓人の会話を使用するときは聞き取りやすく調整する
✓風や車などの大きな雑音を軽減する
✓場面ごとの音量差を小さくする
✓字幕とナレーションの内容を一致させる

現地の音を残す場面と、説明を入れる場面を分けることで、情報と臨場感の両方を伝えられます。

BGMの著作権と利用条件を確認する

観光動画にBGMを使用するときは、動画での利用や商用利用が認められている音源を選びます。

無料で配布されている音源でも、次のような条件が定められている場合があります。

✓制作者名や配布元の表示が必要
✓広告動画では利用できない
✓音源の加工が認められていない
✓利用できるSNSや動画サイトが限定されている
✓使用できる期間が決められている
✓動画以外への転載は禁止されている

自治体や観光事業者が制作費を負担した動画でも、公開媒体や広告利用の有無によって必要な許諾が変わることがあります。

音源を取得したページ、利用規約、購入記録、ライセンスの内容などを保存し、どの動画で使用したのか管理します。

多言語字幕は読みやすさと正確さを確認する

インバウンド旅行者へ向けて字幕を多言語化する場合は、日本語をそのまま直訳するだけでなく、旅行者が理解できる表現になっているか確認します。

特に、次の情報は誤りがないように注意します。

✓地名や施設名の正式な表記
✓料金と通貨
✓日付と時刻
✓営業日と休業日
✓交通機関の名称
✓乗車場所と降車場所
✓予約条件
✓禁止事項
✓安全上の注意事項

一つの画面に複数の言語を表示すると、文字が多くなり、映像が見えにくくなることがあります。

媒体の字幕機能を利用する、言語ごとに動画を分ける、概要欄に多言語の案内を掲載するなど、対象とする旅行者や公開媒体に合わせて方法を選びます。

公開前に情報と映り込みを確認する

編集が完了したら、映像の見やすさだけでなく、掲載している情報が正しいか確認します。

✓施設名や地名に誤りがないか
✓営業時間や料金が最新の情報か
✓URLや二次元コードから正しいページへ移動できるか
✓一般の旅行者の顔が映っていないか
✓車のナンバーや住宅の表札が見えていないか
✓公開許可を得ていない人物や場所が含まれていないか
✓使用している音楽や画像の権利に問題がないか
✓誤解を招く編集や説明がないか
✓字幕に誤字や翻訳の誤りがないか
✓スマートフォンでも文字を読めるか

制作担当者だけでなく、自治体、観光協会、施設、出演者など、関係者にも必要な範囲を確認してもらいます。

料金や営業時間など、公開後に変更される可能性がある情報には、「撮影時点」や「公開時点」の情報であることを表示し、最新情報を確認できる公式ページへ案内します。

💡編集者のワンポイント
観光動画を短く編集するときは、単に映像を細かく切り替えるのではなく、「場所の全体」「体験している様子」「料理や商品の細部」の順に見せると、内容を理解しやすくなります。
字幕を入れた後は、パソコンだけでなくスマートフォンでも再生し、文字の大きさや表示時間を確認することが大切です。

9.観光動画を媒体に合わせて発信する

完成した観光動画は、公開するだけでなく、旅行者が情報を探す場所へ届けることが大切です。

公式ホームページ、YouTube、SNSなどでは、視聴される場面や適した動画の長さ、画面の向きが異なります。

同じ映像をすべての媒体へそのまま掲載するのではなく、それぞれの特徴に合わせて編集し、詳しい情報や予約ページへの導線を用意します。

公式ホームページに掲載する

自治体、観光協会、施設などの公式ホームページは、旅行者が正確な情報を確認する場所です。

観光動画を掲載するときは、映像だけでなく、次の情報も同じページで確認できるようにします。

✓所在地
✓交通手段
✓営業時間
✓休業日
✓料金
✓予約の要否
✓駐車場の有無
✓問い合わせ先
✓公式SNS
✓関連する観光施設
✓宿泊施設や予約ページへのリンク

動画内の字幕にすべての情報を詰め込むのではなく、映像で魅力を伝え、詳しい利用案内は文章で補足します。

季節ごとの観光動画や複数のモデルコースがある場合は、旅行者が目的に合う動画を選べるように整理します。

料金、営業時間、交通情報などが変わったときは、ホームページの文章だけでなく、動画内に古い情報が残っていないかも確認が必要です。

YouTubeで詳しい観光情報を伝える

YouTubeでは、観光地の紹介、モデルコース、施設の利用方法、アクティビティの体験などを、映像と音声を使って詳しく伝えられます。

動画のタイトルには、地域名や観光地名と、動画の内容が分かる言葉を入れます。

✓〇〇駅から歩いて回れる観光スポット
✓家族で楽しめる〇〇の1日観光コース
✓初めて訪れる人のための〇〇アクセス案内
✓雨の日に楽しめる〇〇の観光施設
✓〇〇で体験できるアクティビティ
✓1泊2日で巡る〇〇のモデルコース

概要欄には、動画内で紹介した場所の名称、公式ホームページ、予約ページ、撮影時点などを記載します。

複数の場所を紹介する場合は、動画内で登場する順番に施設名やリンクを並べると、旅行者が目的の情報を見つけやすくなります。

長い動画では、場所や内容ごとにチャプターを設定する方法もあります。

InstagramやTikTokでは短い縦型動画を活用する

nstagramやTikTokなどでは、スマートフォンの縦画面で見やすい短い動画が活用されています。

短い時間ですべてを説明するのではなく、一つの動画で一つの魅力を伝えます。

✓季節の景色
✓地域の名物料理
✓宿泊施設の客室や食事
✓アクティビティの見どころ
✓駅から施設までの道順
✓イベントや祭りの様子
✓地域で作られている商品
✓撮影場所から見える風景

動画の冒頭で最も魅力的な場面を見せ、地域名や場所の名称を字幕で表示します。

投稿文には、詳しい情報を確認できる公式ホームページや予約先への案内を記載します。

縦型動画では画面の上下や左右に操作ボタン、アカウント名、説明文などが表示されるため、重要な字幕や人物を画面の端へ配置しすぎないようにします。

SNSから詳しい情報へ移動できるようにする

短い観光動画を見て興味を持っても、施設名や予約方法が分からなければ、来訪や申し込みにつながらないことがあります。

投稿には、旅行者が次に確認したい情報への導線を用意します。

✓公式ホームページ
✓施設の詳細ページ
✓宿泊予約ページ
✓アクティビティの申込ページ
✓イベントの案内ページ
✓交通機関の案内ページ
✓地図
✓問い合わせ先

SNSによっては、投稿文に記載したURLを直接開けない場合があります。

プロフィール欄のリンク、ストーリーズのリンク機能、固定投稿などを活用し、どこから詳しい情報を確認できるのかを動画内や投稿文で案内します。

二次元コードを動画に表示する場合は、スマートフォンで動画を見ている人が同じ端末から読み取れない可能性も考え、文字による案内も併記します。

検索される言葉をタイトルや説明文に入れる

旅行者は、地域名だけでなく、目的や条件を組み合わせて観光情報を探します。

✓地域名+観光
✓地域名+モデルコース
✓地域名+日帰り
✓地域名+家族旅行
✓地域名+雨の日
✓地域名+グルメ
✓地域名+アクセス
✓地域名+アクティビティ
✓施設名+駐車場
✓施設名+予約方法

タイトルや説明文には、動画の内容と一致する言葉を自然に使用します。

検索される可能性がある言葉を並べるために、動画と関係のない地域名や施設名を記載すると、旅行者の期待と内容が一致しなくなります。

地名には読み方が複数ある場合や、漢字表記とローマ字表記が使われている場合があります。インバウンド旅行者も対象とするときは、正式な外国語表記も確認します。

公開する時期を観光シーズンから逆算する

桜、紅葉、雪、祭りなど、時期が限られる観光情報は、旅行者が計画を始める時期に合わせて発信します。

見頃や開催日の直前に公開しても、交通手段や宿泊施設を手配する時間が足りない場合があります。

✓動画の企画と撮影許可
✓撮影に適した時期
✓編集に必要な期間
✓関係者による確認
✓修正に必要な期間
✓旅行者が予約や計画を始める時期
✓イベントの申込開始日
✓交通機関の予約開始日

これらを確認し、公開予定日から逆算して制作を進めます。

季節の映像を前年に撮影し、翌年の観光シーズン前に公開する方法もあります。

ただし、前年の映像を使用するときは、料金、営業時間、イベントの日程、交通情報などが現在も正しいか確認します。

一つの素材から複数の動画を制作する

観光地で撮影した素材は、目的や媒体に合わせて複数の動画へ編集できます。

たとえば、地域全体を紹介する長い動画から、次のような短い動画を作成できます。

✓景色だけを紹介する動画
✓飲食店や名物料理を紹介する動画
✓一つの施設を詳しく紹介する動画
✓アクティビティの体験動画
✓駅から目的地までの案内動画
✓季節ごとの見どころを伝える動画
✓イベントの告知動画
✓15秒や30秒の広告用動画

撮影前に使用する媒体と必要な画面の向きを決め、横向きだけでなく縦向きでも使用できる素材を残します。

ただし、一本の動画を短く切るだけでは、冒頭で内容が伝わらなかったり、説明が途中で終わったりすることがあります。

短い動画ごとにテーマ、冒頭、字幕、最後の案内を整え、それだけを見ても内容が分かるように編集します。

公開後の反応を確認して改善する

観光動画は、公開した時点で終わりではありません。

視聴状況やホームページへのアクセス、予約数などを確認し、次に制作する動画へ生かします。

✓動画が表示された回数
✓再生された回数
✓どこまで視聴されたか
✓途中で視聴をやめられた場面
✓公式ホームページへの移動数
✓予約ページへの移動数
✓保存や共有の回数
✓問い合わせの内容
✓動画公開後の予約数や来訪者数
✓旅行者から寄せられた質問

再生回数が多くても、予約や来訪につながっているとは限りません。

動画の目的が認知の拡大であれば再生数や視聴時間、施設への来訪が目的であればホームページへの移動や予約数など、目的に合った項目を確認します。

コメントや問い合わせで同じ質問が多い場合は、説明文やホームページへ情報を追加したり、その内容を詳しく説明する別の動画を制作したりします。

公開済みの動画を定期的に見直す

観光情報は、施設の営業状況、料金、交通手段、予約方法などが変わることがあります。

公開済みの動画についても、定期的に次の内容を確認します。

✓紹介した施設が現在も営業しているか
✓料金や営業時間に変更がないか
✓交通機関や経路が変わっていないか
✓掲載したリンクが開けるか
✓予約方法が変わっていないか
✓イベントの開催日が過去のままになっていないか
✓利用上のルールが変わっていないか
✓公開許可や音源の利用期間に問題がないか

動画自体を修正できない場合は、タイトル、概要欄、固定コメント、掲載ページなどへ変更内容を記載します。

旅行者の安全や利用判断に関わる情報が大きく変わった場合は、古い動画の公開停止や、新しい動画への差し替えも検討します。

💡編集者のワンポイント
長い観光動画を制作するときは、YouTube用の横型動画だけでなく、SNSで使用する縦型の短い動画もあらかじめ想定して撮影すると、同じ撮影素材を活用しやすくなります。
公開後は再生回数だけで判断せず、公式ホームページへの移動や予約、問い合わせなど、動画の目的につながる反応も確認しましょう。

10.観光動画の編集を外部へ依頼する

観光動画は、撮影した素材の整理、不要な場面の削除、字幕、地図、ナレーション、音量調整など、多くの編集作業が必要です。

自治体や観光事業者の担当者だけで対応することが難しい場合は、動画編集会社へ依頼する方法があります。

外部へ依頼するときは、素材を渡すだけでなく、動画の目的、対象とする旅行者、公開媒体などを共有することが大切です。

動画を制作する目的を伝える

編集を依頼する前に、観光動画を通して何を実現したいのかを整理します。

✓地域の認知度を高めたい
✓観光地への来訪者を増やしたい
✓宿泊や飲食店の利用につなげたい
✓アクティビティの予約を増やしたい
✓地域の特産品を知ってもらいたい
✓外国人旅行者へ情報を届けたい
✓移住や長期滞在にも関心を持ってもらいたい
✓イベントへの参加を促したい

目的によって、使用する映像、動画の長さ、字幕の内容、最後に案内するページなどが変わります。

「観光地を紹介したい」という説明だけでは、何を優先して編集すべきか判断しにくくなります。

動画を見た人に、視聴後どのような行動を取ってほしいのかまで伝えます。

対象とする旅行者を具体的にする

同じ地域を紹介する動画でも、対象とする旅行者によって伝える内容は異なります。

✓初めて地域を訪れる人
✓家族で旅行する人
✓一人旅を楽しむ人
✓自家用車で移動する人
✓公共交通機関を利用する人
✓高齢者や小さな子どもと旅行する人
✓アウトドアや体験を目的とする人
✓地域の食や文化に関心がある人
✓国内旅行者
✓インバウンド旅行者

たとえば、初めて訪れる人には道順や利用方法が必要ですが、地域を何度も訪れている人には、まだ知られていない場所や季節ごとの楽しみ方が求められる場合があります。

年齢や居住地だけで決めるのではなく、どのような目的で旅行し、何に不安を感じ、どの情報を探している人なのかを共有します。

公開する媒体と動画の仕様を共有する

動画を掲載する媒体によって、適した画面の向き、長さ、字幕の位置などは異なります。

編集を始める前に、次の内容を確認します。

✓公式ホームページに掲載するか
✓YouTubeで公開するか
✓InstagramやTikTokへ投稿するか
✓広告として配信するか
✓施設内の画面やイベント会場で上映するか
✓横型と縦型のどちらで制作するか
✓希望する動画の長さ
✓必要な画質やファイル形式
✓音声を出さない場所でも使用するか
✓多言語版を制作するか

一つの映像を複数の媒体で使用する場合は、横型の本編、縦型の短い動画、広告用の15秒版など、必要な種類を最初に伝えます。

編集完了後に別の画面比率へ変更すると、字幕や人物の位置を調整し直さなければならない場合があります。

撮影素材と一緒に情報を整理して渡す

撮影素材だけを渡しても、編集者は施設名、撮影場所、正しい順番などを判断できないことがあります。

素材と一緒に、次の情報を整理します。

✓撮影場所と施設名
✓撮影した日付
✓出演者の氏名や役割
✓使用してよい映像
✓使用できない映像
✓必ず入れたい場面
✓撮影した場所を紹介する順番
✓正式な地名や商品名
✓営業時間や料金
✓公式ホームページや予約ページ
✓使用できるロゴ、写真、地図
✓出演者や施設から得ている許可の範囲

ファイル名を撮影順の番号や場所の名称に変更すると、編集者が素材を確認しやすくなります。

ただし、元の撮影データを直接変更せず、複製したデータを整理して渡すと、誤って素材を失う事態を防げます。

完成イメージと参考動画を共有する

「明るい動画」「おしゃれな動画」などの言葉だけでは、人によって思い浮かべる映像が異なります。

希望する雰囲気に近い動画がある場合は、参考として共有します。

✓映像を切り替える速さ
✓字幕の大きさや雰囲気
✓使用したい色
✓ナレーションの有無
✓現地の音を生かす場面
✓BGMの雰囲気
✓地図や図解の見せ方
✓動画の冒頭と終わり方
✓避けたい表現や演出

参考動画を共有するときは、その動画をそのまま再現してほしいという意味ではなく、どの部分を参考にしたいのかを具体的に伝えます。

自治体や施設にロゴ、指定色、表記方法などの決まりがある場合は、編集前に資料を渡します。

見積もりに含まれる作業を確認する

同じ動画の長さでも、字幕、ナレーション、地図、多言語対応などの有無によって、編集に必要な作業量は変わります。

見積もりを確認するときは、次の内容が含まれているかを確認します。

✓撮影素材の整理
✓不要な場面の削除
✓字幕の作成
✓地図や図解の作成
✓色や明るさの調整
✓音量や雑音の調整
✓BGMや効果音の用意
✓ナレーションの収録
✓多言語字幕の作成
✓縦型や短い動画への再編集
✓修正できる回数
✓完成データの納品
✓編集データの受け渡し
✓使用する素材のライセンス料

依頼後に追加作業が必要になると、費用や納期が変わる場合があります。

必要な動画の種類と作業範囲を整理したうえで、どこまでが見積もりに含まれているのかを確認します。

修正の方法と確認する人を決めておく

自治体、観光協会、施設、出演者など、確認する関係者が多い動画では、それぞれから異なる修正意見が出ることがあります。

意見を整理せずに個別で編集者へ伝えると、修正内容が重複したり、以前の指示と矛盾したりする可能性があります。

✓最終的な決定をする担当者
✓内容を確認する関係者
✓確認してもらう順番
✓修正意見を集める期限
✓編集者へ連絡する窓口
✓修正内容を記載する方法
✓完成と判断する基準

修正箇所は、「字幕を変更してください」だけでなく、「1分20秒に表示される施設名を正式名称へ変更」など、時間と内容を具体的に伝えます。

関係者の意見を一度まとめてから編集者へ渡すことで、同じ部分を何度も修正する事態を防ぎやすくなります。

著作権と完成後の使用範囲を確認する

制作した動画をどこまで使用できるかは、契約内容によって異なります。

完成後に別の媒体や広告で使用する予定がある場合は、依頼前に確認します。

✓公式ホームページへ掲載できるか
✓YouTubeやSNSへ投稿できるか
✓広告として配信できるか
✓イベントや施設内で上映できるか
✓動画の一部を短く再編集できるか
✓静止画として切り出して使用できるか
✓他の制作会社が再編集できるか
✓使用できる期間に制限があるか
✓BGM、写真、イラストの使用範囲
✓出演者の映像を使用できる範囲

完成した動画を自由に使用できても、動画内で使用している音楽や写真には個別の条件が設定されている場合があります。

将来の再編集や別媒体での活用も想定し、使用範囲とデータの保管方法を確認します。

観光動画の実績だけでなく対応内容を確認する

編集会社を選ぶときは、完成した動画の見た目だけでなく、依頼したい作業に対応できるかを確認します。

✓観光や地域紹介の動画を制作した経験
✓長い素材を整理して構成できるか
✓地図や図解を制作できるか
✓縦型動画や広告用動画へ展開できるか
✓多言語字幕へ対応できるか
✓音声や雑音を調整できるか
✓著作権や映り込みへ配慮できるか
✓修正時の連絡方法が明確か
✓希望する納期に対応できるか
✓公開後の再編集を依頼できるか

過去の制作事例がきれいでも、自分たちが必要とする動画の種類や進め方に合うとは限りません。

見積金額だけで判断せず、素材の受け渡しから確認、修正、納品までの流れを聞いたうえで選びます。

継続して発信できる制作体制を考える

町おこしや観光集客では、一本の動画だけですべての魅力を伝えることは難しいものです。

季節、地域、施設、体験、食などにテーマを分け、継続して発信することで、地域のさまざまな魅力を伝えられます。

✓春夏秋冬の景色
✓地域ごとのモデルコース
✓飲食店や特産品
✓宿泊施設
✓伝統文化や祭り
✓職人や生産者
✓体験型の観光
✓交通手段や道順
✓旅行者から質問が多い内容

継続して同じ編集会社へ依頼すると、地域の特徴、表記方法、動画の雰囲気などを共有しやすくなります。

過去の素材や編集内容を把握している担当者であれば、以前の動画との重複を避けながら、新しい見せ方を考えやすくなります。

💡編集者のワンポイント
撮影素材を渡すときは、「必ず使用したい映像」「使用してはいけない映像」「判断を任せる映像」に分けておくと、編集作業を進めやすくなります。
修正内容は関係者ごとに送るのではなく、一つにまとめ、該当する時間と変更後の正式な文章を記載すると、認識の違いを防ぎやすくなります。

11.観光動画の制作に関するよくある質問

観光動画を制作するときは、動画の長さ、撮影機材、出演者、費用、公開後の管理など、さまざまな疑問が生じます。

ここでは、自治体、観光協会、宿泊施設、観光事業者などから寄せられることが多い質問を紹介します。

観光動画は何分くらいが適していますか?

適した長さは、動画の目的や公開する媒体によって異なります。

✓地域全体の紹介動画
✓複数の観光地を巡るモデルコース
✓一つの施設や体験の紹介
✓駅から施設までの道順
✓SNSへ投稿する短い縦型動画
✓広告として配信する15秒や30秒の動画

地域全体の魅力や詳しい観光情報を伝える場合は、数分程度の動画が適していることがあります。

一方、InstagramやTikTokなどで一つの景色や料理を紹介する場合は、短い時間で内容が伝わる構成が必要です。

時間を先に決めて内容を削るのではなく、旅行者へ伝える情報を整理してから、目的に合った長さを決めます。

スマートフォンだけでも観光動画を撮影できますか?

スマートフォンでも、観光動画に使用する映像を撮影できます。

ただし、映像の見やすさはカメラの性能だけで決まるものではありません。

✓手ぶれを抑える
✓レンズの汚れを拭く
✓逆光を避ける
✓明るさを確認する
✓周囲の雑音に注意する
✓横型と縦型を使い分ける
✓必要な場面を複数の距離から撮影する
✓撮影前に空き容量と充電を確認する

インタビューやナレーションを使用する場合は、外部マイクを使用することで、話し声を聞き取りやすくできる場合があります。

一度しか撮影できない祭りやイベント、広い景色、夜間の撮影などでは、必要に応じて撮影機材や専門の撮影担当者を用意します。

観光動画には人が出演した方がよいですか?

観光動画に人物の出演が必須というわけではありません。

景色、建物、料理、商品、移動する道順などを中心に構成することもできます。

一方で、人物が体験している様子を入れると、旅行者が施設の利用方法や規模を想像しやすくなる場合があります。

✓料理を食べている様子
✓アクティビティを体験している様子
✓宿泊施設を利用している様子
✓観光地を歩いている様子
✓職人や生産者が作業している様子
✓スタッフが施設を案内している様子

出演者を入れる場合は、撮影だけでなく、公式ホームページ、SNS、広告など、どの媒体へどの期間公開するのかを説明し、事前に同意を得ます。

人物を大きく映さず、手元、後ろ姿、足元などを使用して体験の様子を表現する方法もあります。

一般の旅行者が映り込んだ映像は使用できますか?

観光地やイベント会場では、一般の旅行者が映り込むことがあります。

顔が識別できる状態で公開すると、プライバシーに関する問題が生じる可能性があります。

✓人が少ない時間帯に撮影する
✓一般の旅行者が映りにくい角度を選ぶ
✓撮影範囲を案内する
✓必要に応じて撮影中であることを掲示する
✓公開前に映り込みを確認する
✓顔や車のナンバーへぼかしを入れる
✓使用できない映像を除外する

イベントの主催者から撮影許可を得ていても、来場者の顔を自由に公開できるとは限りません。

撮影時の案内方法や公開できる範囲について、事前に主催者や関係者と確認します。

過去に撮影した映像も使用できますか?

過去の映像も、現在の状況と大きな違いがなく、使用する権利や許可を確認できる場合は活用できます。

ただし、次の内容が変わっていないか確認が必要です。

✓施設の外観や名称
✓料金
✓営業時間
✓提供している料理や商品
✓交通手段や経路
✓予約方法
✓出演者の所属や役職
✓イベントの内容
✓利用上のルール
✓撮影場所の公開状況

現在は利用できない施設やサービスが映っていると、旅行者へ誤った情報を伝える可能性があります。

季節の景色など現在も使用できる場面と、料金や施設案内など撮り直しが必要な場面を分けて判断します。

多言語の観光動画は言語ごとに制作した方がよいですか?

一つの動画に複数の言語を表示する方法と、言語ごとに動画を分ける方法があります。

表示する文章が少ない短い動画では、日本語と外国語を同じ画面に掲載できる場合があります。

説明が多い動画では、次の方法を検討します。

✓媒体の字幕機能を利用する
✓言語ごとに字幕を切り替えられるようにする
✓言語別の動画を制作する
✓言語別のナレーションを収録する
✓概要欄や掲載ページで多言語の情報を補足する

複数の言語を同時に表示すると、字幕が映像を隠したり、文字が小さくなったりすることがあります。

対象とする旅行者、公開媒体、翻訳後の文章量などを確認して方法を選びます。

完成した動画は自分たちで短く編集してもよいですか?

完成後に動画を短くしたり、静止画を切り出したりできるかは、制作会社や使用素材との契約内容によって異なります。

✓動画の一部を切り出せるか
✓縦型動画へ編集できるか
✓字幕を追加または変更できるか
✓広告として利用できるか
✓静止画として使用できるか
✓別の制作会社へ編集を依頼できるか
✓編集データを受け取れるか
✓BGMや写真を別の動画でも使用できるか

完成した動画の使用権があっても、BGM、写真、イラスト、ナレーションなどは、別の動画で使用できない場合があります。

将来、SNS用動画や広告へ展開する予定がある場合は、依頼前に使用範囲を確認します。

観光動画を制作すれば来訪者や予約は増えますか?

観光動画を公開しただけで、必ず来訪者や予約が増えるとは限りません。

旅行者が動画を見つけ、内容に興味を持ち、必要な情報を確認して、予約や来訪へ進める状態を整える必要があります。

✓旅行者が検索する言葉をタイトルに入れる
✓適したSNSやホームページへ掲載する
✓施設名や地域名を分かりやすく表示する
✓所在地や交通手段を案内する
✓予約ページへの導線を用意する
✓料金や営業時間を確認できるようにする
✓公開する時期を観光シーズンに合わせる
✓公開後の視聴状況や予約数を確認する

再生回数が多くても、予約先が分からなければ行動につながらないことがあります。

動画単体で考えるのではなく、公式ホームページ、予約ページ、SNS、検索結果などを含めて、旅行者が必要な情報へ進める流れを整えます。

💡編集者のワンポイント
観光動画の長さや撮影機材には、すべての地域や施設に当てはまる一つの正解はありません。
「誰に、何を伝え、視聴後にどのような行動を取ってほしいのか」を先に決めると、必要な映像や適した公開方法を判断しやすくなります。

まとめ

観光動画は、地域の景色や食、文化、施設、体験などの魅力を、映像と音声で分かりやすく伝えられる方法です。

動画を制作するときは、誰に何を伝え、視聴後にどのような行動を取ってほしいのかを明確にすることが大切です。

美しい映像を見せるだけでなく、交通手段や料金、営業時間、予約方法など、旅行者が実際に訪れるために必要な情報も伝えることで、来訪や予約につながりやすくなります。

撮影する際は、施設や出演者から許可を得るとともに、一般の旅行者や車のナンバーなどの映り込み、BGMや写真の著作権にも配慮する必要があります。

また、YouTube、SNS、公式ホームページなど、公開する媒体によって適した動画の長さや画面の向きは異なります。使用する媒体を撮影前に決めておくと、同じ素材を横型動画や縦型動画などへ活用しやすくなります。

公開後は再生回数だけで判断せず、ホームページへの移動、問い合わせ、予約など、動画の目的につながる反応を確認しましょう。

観光情報は時間の経過とともに変わるため、公開後も料金や営業時間、交通手段、掲載したリンクなどを定期的に見直し、正しい情報を届け続けることが重要です。

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