COLUMN
日本の魅力を海外へ発信する方法|観光・文化・商品を動画で届けるポイント
日本の観光地や文化、食品、着物、工芸品などを海外へ動画で発信する方法を解説します。対象とする国や視聴者の決め方、市場の調べ方、問い合わせ・販売の準備、日本語の動画から始める方法を紹介します。

日本の観光地や文化、商品を、YouTubeやSNSを通して海外へ発信する企業や自治体が増えています。
桜、雪景色、自然、食、着物、工芸品など、日本では身近に感じるものでも、海外の視聴者にとっては魅力的なコンテンツになる可能性があります。日本国内でのみ販売している食品、おもちゃ、雑貨などを、海外の購入者へ紹介するために動画を活用することもできます。
ただし、「海外の人」を一つの対象として考えるだけでは、内容や見せ方を決めにくくなります。対象とする国・地域、年齢、性別、家族構成、関心などを具体的にし、その市場で好まれる観光地、食、商品、映像の傾向を調べることが大切です。
また、動画を見た人から予約、購入、問い合わせがあった場合に対応できるよう、公式サイト、海外発送、問い合わせ方法、食事制限への対応なども整理しておく必要があります。
海外向け動画だからといって、最初から外国語の台本やナレーションを用意しなければならないわけではありません。日本語で制作した動画に、翻訳したタイトル、説明文、字幕などを追加し、無理のない範囲から海外発信を始める方法もあります。
この記事では、日本の観光、文化、商品を海外へ動画で届けるために、対象者の決め方、市場の調べ方、動画制作のポイント、発信前に必要な準備を解説します。
この記事で分かること
✓ 海外向け動画を制作する前に決めること
✓ 対象とする国・地域や視聴者の考え方
✓ 国・地域ごとの興味や傾向を調べる方法
✓ 海外へ発信しやすい日本の観光・文化・商品
✓ 日本向け動画と海外向け動画の見せ方の違い
✓ 日本語の動画を海外へ届ける方法
✓ 発信前に準備しておきたい問い合わせ・予約・販売対応
✓ 費用を抑えながら海外向け動画を制作する方法
目次
- 1.日本の魅力を海外へ動画で発信するメリット
- 2.海外向け動画は対象とする国・視聴者を決める
- 3.国・地域ごとの興味や傾向を調べる方法
- 4.海外へ発信しやすい日本の観光・文化・商品
- 5.海外の視聴者へ伝わる動画制作のポイント
- 6.日本語の動画を海外へ届ける方法
- 7.海外へ発信する前に準備しておくこと
- 8.海外向け動画の制作費を抑える方法
- 9.海外向け動画の制作を外注するときに伝えること
- 10.まとめ
1.日本の魅力を海外へ動画で発信するメリット
動画では、写真や文章だけでは伝えにくい景色の広がり、商品の質感、料理の音、職人の手元などを、映像と音で見せられます。
日本では日常的に見かける場所や商品でも、海外の視聴者にとっては、旅行先を決めたり、商品を購入したりするきっかけになる可能性があります。
日本を訪れる前に魅力を伝えられる
海外から日本を訪れる旅行者は、出発前にインターネットやSNSを使って、観光地、宿泊施設、飲食店、体験などの情報を調べます。
動画で実際の風景や利用方法を見せることで、現地で何ができるのかを具体的に想像してもらえます。
✓ 桜、紅葉、雪景色などの季節の風景
✓ 富士山、海、山、湖などの自然
✓ 神社仏閣、お城、歴史的な町並み
✓ 温泉、宿泊施設、飲食店
✓ スキー、登山、サイクリングなどのアクティビティ
✓ 祭り、伝統芸能、文化体験
✓ 地域の食や暮らし
有名な観光地だけでなく、地域の人が利用する商店街、食堂、工房などを紹介することで、一般的な観光案内とは異なる魅力も伝えられます。
観光庁の調査では、2025年の訪日外国人旅行消費額は9兆4,549億円と推計されています。宿泊費だけでなく、買い物や飲食にも多くの金額が使われているため、動画は観光施設以外の事業者にとっても海外の視聴者と接点を作る方法になります。
参考:観光庁「インバウンド消費動向調査2025年暦年の調査結果(確報)の概要」
日本の商品を海外へ紹介できる
海外向け動画は、観光地への集客だけでなく、日本の商品をオンラインで販売するときにも活用できます。
✓ 和菓子、お茶、調味料、地域限定の食品
✓ 着物、浴衣、帯、和装小物
✓ 陶器、漆器、刃物、木工品などの工芸品
✓ おもちゃ、文房具、生活雑貨
✓ 化粧品、美容用品
✓ 地域の工場や職人が製造している商品
✓ 日本国内でのみ販売している商品
商品の形を見せるだけでなく、素材、製造工程、使用方法、食べ方などを動画にすると、その商品を知らない視聴者にも特徴を伝えやすくなります。
日本国内でのみ販売している商品を紹介する場合も、動画をきっかけに、日本を訪れた際の購入、海外発送に対応したオンラインショップの利用、海外の販売店からの問い合わせなどにつながる可能性があります。
言葉だけでは伝わらない価値を見せられる
商品名や説明を翻訳しても、質感、動き、音、使い心地まですべてを文章で伝えることは難しい場合があります。
動画では、次のような価値を視覚的に伝えられます。
✓ 着物の生地が動いたときの光沢
✓ 陶器を手に持ったときの大きさ
✓ おもちゃの動きや音
✓ 食品を調理して盛り付けるまでの流れ
✓ 刃物の切れ味や道具の使い方
✓ 職人が一つずつ仕上げる工程
✓ 商品を梱包して発送する様子
ナレーションの内容を完全に理解できない視聴者にも、映像だけで商品の用途や魅力が伝わる構成を意識することが大切です。
海外からの反応を次の発信へ活用できる
動画を公開した後は、視聴された国・地域、視聴時間、コメント、問い合わせなどを確認できます。
最初から多数の国へ向けて別々の動画を制作するのではなく、まず日本語の動画を公開し、どの国・地域から反応があるのかを確認する方法もあります。
反応がよい国が分かれば、その国の言語による字幕を追加する、サムネイルを変更する、専用の商品紹介動画を制作するなど、次の施策を決めやすくなります。
海外への発信は、一度の動画で成果を決めるものではありません。視聴データや問い合わせの内容を確認しながら、対象とする市場や動画の見せ方を調整していきましょう。
2.海外向け動画は対象とする国・視聴者を決める
海外向け動画を制作するときは、「海外の人に見てもらいたい」と広く考えるのではなく、どの国・地域の、どのような人へ届けたいのかを決めます。
対象が明確になると、動画で紹介する内容、使用する言語、公開する時期、問い合わせへの対応方法などを具体的に準備できます。
発信する目的を決める
最初に、動画を見た人に何をしてほしいのかを整理しましょう。
✓ 日本の観光地や施設を知ってもらう
✓ 宿泊や体験を予約してもらう
✓ 飲食店や店舗へ来てもらう
✓ オンラインショップで商品を購入してもらう
✓ 日本を訪れた際に商品を購入してもらう
✓ 海外の販売店や代理店から問い合わせてもらう
✓ 地域、企業、職人の認知度を高める
✓ 日本の文化や技術に興味を持ってもらう
認知度を高める動画と、商品の購入を目的とした動画では、必要な情報が異なります。
商品の販売が目的であれば、特徴や使用方法だけでなく、購入ページ、海外発送、送料などの案内が必要です。観光客の来訪が目的であれば、場所、営業時間、交通手段、予約方法などを分かりやすく伝えます。
対象とする国・地域を決める
国や地域によって、気候、休暇の時期、使用する言語、日本までの距離、訪日経験などが異なります。
対象を決めるときは、興味を持たれやすい題材だけでなく、自社で対応できる範囲も確認しましょう。
✓ どの国・地域からの視聴や問い合わせが多いか
✓ 商品を発送できる国か
✓ 予約や問い合わせに対応できる言語か
✓ 日本への直行便や移動手段があるか
✓ 旅行を検討する時期はいつか
✓ 現地の長期休暇や学校休暇はいつか
✓ 商品に輸入や販売の制限がないか
最初から世界中を対象にする必要はありません。対応しやすい国や、すでに問い合わせがある地域など、一つか二つの市場から始める方法もあります。
対象とする人物像を具体的にする
同じ国の視聴者でも、年齢、家族構成、訪日経験、予算などによって関心は変わります。
✓ 年齢や性別
✓ 一人、カップル、友人、ファミリーなどの構成
✓ 初めて日本を訪れる人か、訪日リピーターか
✓ 観光、食、買い物、自然、文化などの関心
✓ 旅行に使える期間や予算
✓ 商品を自分で使うのか、贈り物にするのか
✓ YouTube、Instagram、TikTokなど、利用する媒体
✓ 動画を視聴する場面や目的
細かな架空の人物像を作ることが目的ではありません。動画で何を優先して見せるべきか判断できる程度に、対象を具体化します。
同じ場所でも対象者によって見せ方を変える
例えば、北海道の冬を紹介する場合でも、対象とする人によって必要な情報は異なります。
東南アジアなど、雪を見る機会が少ない地域のファミリーへ向ける場合は、雪景色、子どもが参加できる体験、防寒着、移動方法などを紹介すると役立ちます。
スキー経験者へ向ける場合は、雪質、コース、用具のレンタル、宿泊施設、長期滞在の方法などが重要です。
訪日リピーターへ向ける場合は、有名な観光地だけでなく、地方の温泉、地域の食、冬の祭りなどを紹介する方法があります。
商品でも同様です。着物を日本文化に興味がある初心者へ紹介する場合と、和装の知識がある購入者へ紹介する場合では、説明する内容や使用する言葉が変わります。
相手国の季節や休暇を考える
日本と季節が反対になる国へ発信するときは、相手国の気候も考えます。
南半球が夏を迎えている時期に、北海道の雪景色、スキー、温泉などを紹介すると、自国では体験しにくい季節の魅力を伝えられます。
桜や紅葉など、見頃が限られている題材は、見頃を迎えてから公開するのではなく、旅行の計画や予約に間に合う時期から発信を始めましょう。
✓ 対象国の季節
✓ 年末年始や祝日
✓ 春節などの長期休暇
✓ 学校の夏休みや冬休み
✓ 航空券や宿泊施設を予約する時期
✓ 商品需要が高まる行事や贈答シーズン
日本側の都合だけで公開日を決めず、対象者が旅行や購入を検討する時期から逆算することが大切です。
3.国・地域ごとの興味や傾向を調べる方法
対象とする国や視聴者を決めたら、どのような観光地、食、文化、商品に関心があるのかを調べます。
日本で好まれる映像やサムネイルが、海外でも同じように好まれるとは限りません。紹介する内容だけでなく、色、構図、人物の見せ方、動画のテンポなども確認しましょう。
国・地域別の傾向を確認する
国・地域ごとに関心を持たれやすい題材の例を整理すると、次のようになります。
| 国・地域 | 関心を持たれやすい題材の例 | 動画で見せたい内容 |
|---|---|---|
| 韓国 | 日本食、買い物、温泉、都市観光、短期間で楽しめる地方 | 価格、店舗までの行き方、周辺スポット、短い滞在でも楽しめる内容 |
| 台湾・香港 | 桜、紅葉、雪、温泉、鉄道、地方の食 | 季節の風景、見頃、周遊方法、公共交通機関やレンタカーでの移動 |
| 中国 | 買い物、日本製品、自然、歴史文化、特別な体験 | 商品の品質、限定性、体験の内容、予約・購入方法 |
| タイ・東南アジア | 桜、雪、紅葉、日本食、買い物、自然 | 自国では体験しにくい季節、服装、移動方法、食べ方 |
| 米国・カナダ | 日本食、歴史文化、自然、アウトドア、地域の暮らし | 背景にある物語、地域の人、職人、体験の過程 |
| 英国・フランス・ドイツなどの欧州 | 伝統文化、建築、工芸、食文化、自然 | 歴史や文化的な意味、製法、地域とのつながり |
| オーストラリア | スキー、自然、アウトドア、長期滞在 | 雪質、アクティビティ、宿泊、移動、安全に関する情報 |
この表は、すべての旅行者や購入者へ当てはまるものではありません。同じ国でも、年齢、収入、訪日経験、旅行目的などによって関心は異なります。
「この国の人は必ずこれを好む」と決めつけず、発信内容を考えるための傾向として利用しましょう。
JNTOの市場別情報では、各国・地域の基礎情報、訪日旅行の動向、現地での取り組みなどを確認できます。
参考:日本政府観光局(JNTO)「訪日インバウンド市場別情報」
JNTOや観光庁のデータを確認する
日本政府観光局(JNTO)の「日本の観光統計データ」では、国・地域ごとの訪日人数だけでなく、訪日前に期待していたこと、旅行中に行ったこと、次回したいことなどを確認できます。
✓ 国・地域別の訪日人数
✓ 平均滞在日数
✓ 同行者
✓ 訪日前に期待していたこと
✓ 旅行中に行ったこと
✓ 次回の訪日で行いたいこと
✓ 旅行前に役立った情報源
✓ 訪問した都道府県
✓ 宿泊施設の利用状況
訪日人数の多さだけでなく、対象市場の人がどのような目的で日本を訪れているのかを確認しましょう。
観光庁のインバウンド消費動向調査では、国籍・地域別の旅行支出や買い物の傾向などを確認できます。観光施設だけでなく、食品、工芸品、化粧品などを海外へ紹介するときにも参考になります。
Google Trendsで検索傾向を比較する
Google Trendsでは、検索キーワードの関心度を国・地域や期間で絞って比較できます。
例えば、対象国の言語を使用して、次のような言葉を比較します。
✓ Japan travel
✓ Japan food
✓ Japanese crafts
✓ Kimono
✓ Japanese toys
✓ Hokkaido snow
✓ Japan autumn leaves
自社の商品名だけでは検索数が少ない場合は、商品が属するカテゴリー、素材、使用目的など、少し広い言葉でも調べましょう。
Google Trendsの数値は、実際の検索回数をそのまま表示したものではなく、指定した地域と期間における相対的な関心度です。数値だけで需要を判断せず、複数の情報と組み合わせます。
参考:Google Trendsヘルプ「検索キーワードを比較する」
対象国で公開されている動画や投稿を調べる
YouTube、Instagram、TikTokなどで、対象国の言語を使って検索します。
✓ 再生回数や反応が多い題材
✓ サムネイルの色や文字の量
✓ 人物と風景のどちらを大きく見せているか
✓ 動画の長さとカットの速さ
✓ ナレーション、字幕、BGMの使い方
✓ コメントで質問されている内容
✓ 視聴者が評価している点や不満に感じている点
再生回数だけを参考にするのではなく、誰に向けた動画なのか、どのような内容に反応が集まっているのかを確認することが大切です。
商品を販売したい場合は、対象国の通販サイト、競合商品のレビュー、SNSのコメントも調べます。
✓ どのような用途で購入されているか
✓ 購入者が評価している特徴
✓ サイズや使用方法に関する質問
✓ 価格、送料、配送期間への反応
✓ 説明が不足している情報
✓ 商品写真や動画で確認したい部分
視聴者の疑問や不安を動画内で先に説明すると、購入を検討しやすくなります。
公開後は自社の視聴データを確認する
動画を公開した後は、YouTube Studioで視聴者の国・地域、年齢、性別などを確認します。
✓ どの国・地域から視聴されているか
✓ どの動画が長く見られているか
✓ サムネイルから動画が再生された割合
✓ 動画のどの部分で視聴をやめているか
✓ どの言語によるコメントや問い合わせがあるか
視聴者に関するデータが十分に蓄積されていない場合、一部の項目が表示されないこともあります。最初から細かな分析を求めすぎず、視聴や問い合わせが増えた段階で見直しましょう。
参考:YouTubeヘルプ「視聴者について理解するためのヒント」
💡編集者のワンポイント
海外で人気の動画をそのまま再現するのではなく、色、構図、テンポ、コメント内容などを分けて確認しましょう。自社の商品や地域に取り入れられる部分だけを選ぶことで、独自性を残しながら対象者に伝わる動画を制作できます。
4.海外へ発信しやすい日本の観光・文化・商品
海外向け動画の題材は、富士山や桜などの有名な観光資源だけではありません。
日本で暮らす人にとって身近な食、道具、習慣、仕事の様子なども、海外の視聴者にとっては新しい発見になることがあります。対象とする国や視聴者の関心に合わせて、紹介する内容を選びましょう。
季節を感じられる観光地や自然
日本の四季が分かる風景は、海外向け動画と相性のよい題材です。
✓ 春の桜や花畑
✓ 夏の海、山、川、祭り
✓ 秋の紅葉や収穫風景
✓ 冬の雪景色、スキー、温泉
✓ 富士山、湖、棚田、渓谷
✓ 地域に生息する動物や植物
✓ 季節によって変わる町並み
美しい風景だけで終わらせず、見頃、アクセス、必要な服装、混雑しやすい時間なども伝えると、旅行を計画する際に役立ちます。
対象国と日本で季節が反対になる場合は、自国では体験できない気候や景色として紹介する方法もあります。
歴史や文化を体験できる場所
神社仏閣、お城、歴史的な町並みなどを紹介するときは、外観だけでなく、その場所の背景や見学時の決まりも伝えます。
✓ 建物や地域の歴史
✓ 参拝や見学の方法
✓ 写真や動画を撮影できる場所
✓ 靴を脱ぐ必要がある場所
✓ 触れてはいけない展示物
✓ 祭りや行事の開催時期
✓ 着物、茶道、書道などの文化体験
日本人にとって一般的な習慣でも、海外の旅行者には分かりにくい場合があります。映像の美しさに加えて、現地で困らないための情報も入れましょう。
観光動画による地域の発信方法は、次の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:観光動画で町おこし・集客につなげる方法
日本の食や地域の料理
料理は、完成した状態だけでなく、作る工程や食べる様子も動画にできます。
✓ 寿司、天ぷら、ラーメンなどの日本食
✓ 地域の郷土料理
✓ 和菓子、お茶、調味料
✓ 季節限定の料理や商品
✓ 商店街や市場での食べ歩き
✓ 農作物や水産物の収穫
✓ 職人による調理や盛り付け
食べ方が分かりにくい料理は、箸の使い方、調味料を加える順番、温め方などを実演すると伝わりやすくなります。
宿泊施設や飲食店では、予約時に相談することで、食べられない食材を除いた料理を用意できる場合があります。宗教、菜食、アレルギーなどへの対応が可能であれば、対応できる範囲と事前連絡の方法を動画や公式サイトで案内しましょう。
ただし、豚肉を使用していないだけで、必ずしもハラール対応になるわけではありません。調味料、アルコール、調理器具の共用なども関係するため、正式な認証がない場合は「対応できる内容」を具体的に伝えます。
着物や日本の工芸品
着物、陶器、漆器、木工品などは、完成品だけでなく、素材や制作工程にも魅力があります。
✓ 着物、浴衣、帯、和装小物
✓ 陶器、磁器、漆器
✓ 包丁、はさみなどの刃物
✓ 木工品、竹細工、籐製品
✓ 染物、織物、組紐
✓ 扇子、うちわ、風鈴
✓ 地域の職人が製作する生活用品
着物であれば、生地の柄だけでなく、広げた状態、着用した姿、動いたときの光沢を見せます。
工芸品であれば、材料を選ぶところから完成までの工程、職人の手元、道具の音などを丁寧に撮影すると、価格だけでは判断できない価値を伝えられます。
おもちゃや文房具などの日本の商品
海外向けに紹介できるものは、伝統的な商品だけではありません。
✓ おもちゃ、知育玩具
✓ カプセルトイ
✓ 文房具、画材
✓ キッチン用品
✓ 収納用品、生活雑貨
✓ 化粧品、美容用品
✓ アウトドア用品
✓ 地域限定の商品
✓ 日本国内でのみ販売している商品
おもちゃは、実際に動かした様子や音を見せると、写真よりも遊び方が伝わります。文房具や生活用品は、使用前後の違い、便利な機能、細部の作りなどを接写しましょう。
海外で販売する場合は、対象国の安全基準、成分表示、輸入規制などの確認も必要です。
作り手や地域の物語も一緒に伝える
海外の視聴者へ商品を紹介するときは、「日本でしか売っていない」という希少性だけでなく、その商品が生まれた背景も伝えましょう。
✓ どの地域で作られているか
✓ どのような人が作っているか
✓ なぜ現在の形や用途になったのか
✓ どのような素材や技術が使われているか
✓ 地域の暮らしや産業とどう関係しているか
✓ 長く使うためにどのような手入れが必要か
地域の風景、作り手、制作工程、使い方、購入方法を一つの動画にまとめることで、観光と商品を関連付けることもできます。
動画をきっかけに地域を訪れてもらい、現地で商品を購入してもらうなど、観光と販売の両方につなげることも考えられます。
5.海外の視聴者へ伝わる動画制作のポイント
海外向け動画では、外国語のナレーションや字幕だけでなく、映像そのものの見やすさも重要です。
対象とする国・地域によって好まれる色、構図、テンポが異なる可能性があります。日本向け動画の見せ方をそのまま使用するのではなく、事前に対象市場の動画や広告を確認しましょう。
高画質な映像を用意する
観光地、料理、着物、工芸品などを紹介する動画では、景色や商品の細部が分かる画質を意識します。
ただし、解像度を高くするだけで、見やすい動画になるわけではありません。
✓ ピントを主役へ合わせる
✓ 白飛びや黒つぶれを抑える
✓ 手ぶれを少なくする
✓ 色を不自然に加工しすぎない
✓ 商品や料理の質感が分かる距離で撮影する
✓ レンズの汚れを確認する
✓ 暗い場所では照明を使用する
✓ 動画内で画質や明るさを揃える
4Kで撮影しても、激しい手ぶれや暗さがあると、内容を確認しにくくなります。使用する媒体や制作環境に合わせて解像度を決め、安定した映像を優先しましょう。
観光地の雄大さを見せるときは広い画角、料理や商品の質感を見せるときは接写など、内容に合わせて撮り分けます。
複数の大きさと角度で撮影する
同じ場所や商品を一つの角度から撮り続けると、形や使い方が伝わりにくい場合があります。
✓ 場所全体が分かる広い映像
✓ 人物と周囲の関係が分かる中距離の映像
✓ 料理、素材、手元などを見せる接写
✓ 正面、横、斜め、上から見た映像
✓ 使用前と使用後
✓ 制作、調理、梱包などの工程
✓ 実際に使用している様子
観光動画では、風景だけでなく、人物が歩く、食べる、体験する様子を入れると、その場所で何ができるのかを想像しやすくなります。
商品動画では、大きさが分かるように手に持つ、身近な物と並べるなどの方法もあります。
映像だけでも内容が分かる構成にする
海外向け動画は、視聴者がナレーションや字幕をすべて理解できるとは限りません。
映像を見ただけでも、場所、商品の用途、体験の流れなどが分かる構成にしましょう。
✓ 施設の入口から利用するまでを順番に見せる
✓ 商品を開封して使用するまでを見せる
✓ 食品を調理して食べるまでを見せる
✓ 着物を広げ、着用した姿を見せる
✓ おもちゃを実際に動かす
✓ 工芸品が完成するまでの工程を見せる
✓ 動画の最後に予約・購入方法を案内する
海外向けに字幕を追加するときも、映像だけで伝わる部分が多ければ、長い説明文を表示せずに済みます。
自然音や作業音も活用する
日本らしさを伝えるために、すべての場面へBGMや効果音を入れる必要はありません。
✓ 雨や風、川、波などの自然音
✓ 祭りのお囃子や周囲の音
✓ 料理を焼く音、切る音
✓ お茶を点てる音
✓ 機織りや木工などの作業音
✓ 商品を開封したときの音
✓ おもちゃや道具を動かしたときの音
現地で聞こえる音や職人の作業音を残すことで、その場所や商品の雰囲気を伝えられます。
一方、周囲の会話、車のナンバー、施設内の案内、商品の伝票など、公開してはいけない情報が収録されていないか確認が必要です。
BGMや効果音を使用するときは、YouTubeへの掲載や商用利用が認められている音源を選びましょう。
対象市場に合わせて見せ方を調整する
海外向けに好まれる映像の特徴を一つに決めることはできません。
対象とする国・地域で公開されている観光動画や商品広告を確認し、次の項目を比較します。
✓ 明るく鮮やかな色と、落ち着いた自然な色
✓ 人物を中心にした構図と、風景や商品を中心にした構図
✓ 短くテンポの速い編集と、ゆっくり見せる編集
✓ 文字の多いサムネイルと、写真を生かしたサムネイル
✓ 高級感、親しみやすさ、かわいらしさなどの表現
✓ 有名な日本文化と、地域の日常的な風景
調べた動画をそのまま再現するのではなく、自社の商品や地域に合う表現を選びましょう。
同じ国でも、年齢、旅行経験、関心によって好みは異なります。複数の動画や投稿を比較し、公開後の視聴データも確認しながら見せ方を調整することが大切です。
海外向けに日本の観光情報を発信している公式サイトを確認することも、題材、写真の構図、色、情報の伝え方を考える参考になります。
日本政府観光局(JNTO)の海外向け公式サイト「Travel Japan」では、観光地だけでなく、日本の食、工芸品、文化体験、自然、買い物なども紹介されています。対象国向けの動画を制作するときは、どのような写真や言葉で日本の魅力を伝えているか確認してみましょう。
参考:日本政府観光局(JNTO)「Travel Japan – The Official Japan Guide」
言語を変更しやすい状態で編集する
日本語版と海外向け版を制作する可能性がある場合は、最初から文字や音声を差し替えられる状態にしておくと、制作費を抑えやすくなります。
✓ テロップを撮影映像へ直接入れず、編集で追加する
✓ ナレーション、BGM、効果音を別々に管理する
✓ 文字を入れられる余白を確保して撮影する
✓ 翻訳後に文章が長くなることを想定する
✓ 商品名や料金を後から変更できる形にする
✓ ナレーションがなくても使える映像を多めに撮影する
✓ 縦型と横型で使用できる構図も撮影する
同じ映像素材を使用しながら、字幕、ナレーション、冒頭、最後の案内を変更すれば、日本向けと海外向けの両方へ展開できます。
最初の撮影段階から複数言語での使用を想定しておくことが、撮り直しや再編集の負担を減らすポイントです。
6.日本語の動画を海外へ届ける方法
海外向け動画だからといって、最初から外国語の台本を作成し、外国語を話せるナレーターへ依頼しなければならないわけではありません。
日本語で撮影やナレーションを行い、YouTubeの字幕、翻訳したタイトル・説明文などを利用して、海外の視聴者へ届ける方法もあります。
日本語のナレーションから始める
外国語によるナレーションを制作する場合は、台本の翻訳、内容の確認、ナレーターの手配、音声の収録、動画とのタイミング調整などが必要です。
複数の言語へ対応すると、その分だけ制作費や確認作業も増えます。
最初から多くの費用をかけることが難しい場合は、次の順番で進める方法があります。
✓ 日本語で台本を作成する
✓ 日本語でナレーションを収録する
✓ 正確な日本語字幕を用意する
✓ 対象言語へ字幕を翻訳する
✓ タイトルと説明文も翻訳する
✓ 海外からの視聴や反応を確認する
✓ 必要に応じて外国語ナレーションを追加する
映像だけでも商品の使い方や体験の流れが分かるようにしておけば、日本語の音声を理解できない視聴者にも内容を伝えやすくなります。
自動字幕の日本語を確認する
YouTubeでは、音声認識技術によって字幕が自動的に作成されることがあります。
ただし、話し方、発音、方言、周囲の雑音、複数人の会話などによって、正しく字幕が作成されない場合があります。
✓ 人名、地名、会社名
✓ 商品名、施設名
✓ 専門用語
✓ 料金や数量
✓ 材料や成分
✓ 営業時間や日付
✓ 否定を含む文章
誤った日本語字幕を基に翻訳すると、翻訳先の言語でも意味が変わってしまいます。海外向けに翻訳する前に、元となる日本語字幕を必ず確認しましょう。
録音時に周囲の雑音を減らし、聞き取りやすい速さではっきり話すことも、自動字幕の精度を高めるために役立ちます。
タイトルと説明文を翻訳する
YouTubeでは、動画のタイトルと説明文に翻訳を追加できます。
海外の視聴者が自分の言語で動画を検索したときに見つけてもらうためには、字幕だけでなく、タイトルや説明文も対象言語へ翻訳することが大切です。
説明文には、次の情報を掲載します。
✓ 動画で紹介している場所や商品の名称
✓ 所在地や公式サイト
✓ 予約・購入ページ
✓ 海外発送の対応地域
✓ 問い合わせ方法
✓ 動画内で使用した情報の補足
✓ 関連する動画や再生リスト
機械翻訳を使用する場合も、商品名、地名、料金、予約条件など、間違えると困る部分は人が確認しましょう。
複数言語の音声や自動吹き替えを利用する
YouTubeでは、一つの動画へ複数言語の音声を追加できる機能があります。視聴者は、動画プレーヤーの設定から利用できる音声を選択できます。
自動吹き替えを利用できるチャンネルでは、動画の音声を別の言語へ自動的に吹き替えることもできます。
ただし、機能の利用状況、対応する言語、動画の内容などによって使用できない場合があります。自動生成された音声には、発音や翻訳の誤りが含まれる可能性もあるため、公開前に確認しましょう。
複数言語の音声へ対応する場合も、最初から多数の言語を用意するのではなく、対象とする一つか二つの言語から始める方法があります。
反応がある言語から対応を増やす
海外向け動画を公開した後は、YouTube Studioで視聴者の国・地域や視聴時間を確認します。
✓ 特定の国から継続して視聴されている
✓ 同じ言語によるコメントが増えている
✓ 海外から商品や予約の問い合わせが届いている
✓ 特定の動画だけ海外で長く視聴されている
✓ 公式サイトの海外からのアクセスが増えている
このような反応が見られた場合は、その国向けの字幕、サムネイル、説明文、ナレーションなどを優先して整えます。
需要が分からない段階で各国版を多数制作するよりも、反応が確認できた市場へ費用をかける方が、無理なく継続できます。
YouTubeの字幕、タイトル、説明文、音声を翻訳する方法は、次の記事で詳しく解説しています。
関連記事:YouTubeの翻訳機能とは?字幕・タイトル・音声で海外へ発信する方法
7.海外へ発信する前に準備しておくこと
海外向け動画を公開すると、旅行の予約、商品の購入、施設の利用方法などについて、海外から問い合わせが届く可能性があります。
動画を公開することだけを目的にせず、視聴者が次の行動へ進める状態を整えておきましょう。
公式サイトや購入ページを確認する
動画を見て興味を持った視聴者は、概要欄などから公式サイト、予約ページ、オンラインショップへ移動します。
可能であれば英語などのページを用意すると親切ですが、すべてのページを多言語化できない場合もあります。
その場合は、ブラウザの翻訳機能を利用してもらう方法もあります。ただし、固有名詞、料金、予約条件などが正しく翻訳されない可能性があるため、重要な情報だけでも外国語で用意することを検討しましょう。
✓ 施設、体験、商品の概要
✓ 料金と支払い方法
✓ 営業時間や定休日
✓ 所在地と交通手段
✓ 予約方法
✓ キャンセル条件
✓ 海外発送の対応地域
✓ 問い合わせ方法
✓ 対応できる言語
✓ 利用時の注意事項
翻訳したページを用意しても、古い料金や終了したサービスが掲載されたままでは、トラブルにつながります。日本語ページを更新したときは、外国語ページも確認しましょう。
海外からの問い合わせに対応できるようにする
動画で海外へ発信する前に、誰が問い合わせへ対応するのかを決めます。
✓ 問い合わせを受け付けるメールアドレス
✓ 対応する担当者
✓ 対応できる言語
✓ 翻訳ツールを使用する場合の確認方法
✓ 返信までにかかる日数
✓ 予約や注文内容を社内で共有する方法
✓ 緊急時の連絡先
外国語を話せるスタッフがいない場合も、メールや問い合わせフォームであれば、翻訳ツールを利用しながら対応できることがあります。
よくある質問への回答や定型文を事前に用意しておくと、毎回一から文章を作成する負担を減らせます。
対応できない言語を無理に「対応可能」と表示せず、利用できる問い合わせ方法と返信に必要な時間を正確に伝えましょう。
予約やキャンセルの流れを整える
観光施設、宿泊施設、飲食店、体験サービスなどを紹介する場合は、海外からでも予約できるか確認します。
✓ 予約フォームへ外国語を入力できるか
✓ 海外で発行されたクレジットカードを利用できるか
✓ 予約確認メールが正しく届くか
✓ キャンセル期限と料金を説明しているか
✓ 遅刻や無断キャンセルへの対応を決めているか
✓ 天候や交通機関の運休時の対応を決めているか
✓ 予約内容を現場のスタッフへ共有できるか
動画内ですべてを説明する必要はありません。動画では予約できることを簡潔に伝え、詳しい条件は公式サイトや予約ページへ案内します。
宗教・アレルギー・食習慣への対応範囲を決める
宿泊施設や飲食店では、宗教、アレルギー、菜食などによって食べられないものがある旅行者から相談を受けることがあります。
対応できる場合は、動画で次のような情報を伝えると安心材料になります。
✓ 予約時に食べられない食材を相談できる
✓ 豚肉、牛肉、アルコールなどを除けるか
✓ ベジタリアンやヴィーガン向けの料理を相談できるか
✓ アレルギーのある食材を事前に確認できるか
✓ 何日前までに連絡が必要か
✓ 調味料や調理器具を共用しているか
✓ 対応できない内容は何か
豚肉を使用しないことだけで、必ずしもハラール対応になるわけではありません。豚由来の調味料やゼラチン、アルコール、調理器具の共用なども関係します。
正式な認証がない場合は、「ハラール対応」と断定せず、使用していない食材、調理方法、器具の共用などを具体的に説明しましょう。
参考:日本政府観光局(JNTO)「Muslim Travelers in Japan」
海外販売の条件を確認する
商品を海外へ販売する場合は、動画を公開する前に、対象国へ発送・販売できる商品なのかを確認します。
✓ 対象国へ発送できるか
✓ 送料と配送期間
✓ 関税や税金を誰が負担するか
✓ 返品や交換の条件
✓ 破損や紛失があった場合の対応
✓ 対象国で必要な表示や認証
✓ 食品、酒類、化粧品などの輸入規制
✓ 電化製品の電圧やプラグ
✓ おもちゃなどの安全基準
✓ 商標、画像、キャラクターなどの権利
販売する国や商品によって、必要な手続きや規制は異なります。動画で販売を案内する前に、対象国の制度と利用する販売サービスの規約を確認しましょう。
JETROでは、越境ECへ取り組む際の市場調査、規制、認証、税制などに関する情報を公開しています。
参考:日本貿易振興機構(JETRO)「越境ECの課題と克服ポイント」
対応できないことも明確に伝える
海外の視聴者へ安心してもらうためには、対応できることだけを大きく見せるのではなく、対応できないことも伝える必要があります。
✓ 対応していない言語
✓ 発送できない国・地域
✓ 使用できない支払い方法
✓ 当日には変更できない食事
✓ 対応できないアレルギーや宗教上の要望
✓ 予約できない日や時間
✓ 海外から返品できない商品
条件を正確に伝えることで、申し込み後の認識違いや現場の負担を減らせます。
海外向け動画は、公開した時点で終わりではありません。視聴者が予約、購入、問い合わせへ進んだ後まで想定し、対応できる状態を整えてから発信しましょう。
8.海外向け動画の制作費を抑える方法
日本向けと海外向けで、台本、撮影、ナレーション、編集をすべて別にすると、制作費が高くなります。
理想的には対象国に合わせた動画を制作しますが、最初から多数の国へ向けて専用動画を用意する必要はありません。同じ映像素材を活用しながら、段階的に海外向けの内容を増やす方法があります。
日本語版へ翻訳字幕を追加する
最も始めやすい方法は、日本語で制作した動画へ翻訳した字幕、タイトル、説明文を追加することです。
✓ 撮影映像は日本向けと共通にする
✓ ナレーションは日本語を使用する
✓ 日本語字幕を正しく修正する
✓ 対象言語の字幕を追加する
✓ タイトルと説明文を翻訳する
✓ 予約・購入ページを概要欄へ掲載する
外国語のナレーション収録や映像の再編集を行わないため、海外専用動画を一から制作する場合よりも費用を抑えられます。
ただし、日本人にしか分からない略語や表現が多い動画は、字幕を翻訳しても意味が伝わりにくい場合があります。日本語の台本を作る段階から、簡潔で具体的な言葉を使用しましょう。
映像を共通にして一部だけ変更する
日本向けと海外向けで必要な情報が異なる場合は、撮影映像を共通にしながら、一部だけを変更します。
✓ 冒頭の案内
✓ テロップと字幕
✓ ナレーション
✓ サムネイル
✓ 動画タイトルと説明文
✓ 料金やサイズの表示
✓ 予約・購入方法
✓ 最後の問い合わせ案内
例えば、日本向けの商品動画では説明していない使用方法や文化的な背景を、海外向けのテロップで補うことができます。
撮影をやり直さずに、海外の視聴者が必要とする情報を追加できるため、字幕を付けるだけでは足りない場合にも利用しやすい方法です。
対象国専用の動画は反応を確認してから制作する
対象国専用の動画では、その市場に合わせて台本、ナレーション、映像の順番、サムネイルなどを変更できます。
一方で、翻訳、外国語ナレーション、再編集などの費用が必要です。
最初は日本語版と翻訳字幕で発信し、次のような反応が見られた国から専用版を検討しましょう。
✓ 継続して多く視聴されている
✓ 視聴時間が長い
✓ 商品や予約の問い合わせが届いている
✓ 実際に購入や来訪へつながっている
✓ 現地の販売店や旅行会社から相談がある
✓ 今後重点的に販売・集客したい市場である
需要が確認できた動画へ優先して費用をかけることで、制作した海外向け動画が使用されないリスクを減らせます。
最初から差し替えやすい形で撮影する
海外向けへ展開する可能性がある場合は、撮影段階で準備しておくと、後から必要になる作業を減らせます。
✓ ナレーションがなくても内容が分かる映像を撮影する
✓ 同じ商品を複数の角度から撮影する
✓ 文字を配置できる余白を残す
✓ 日本語の看板や説明文だけを大きく映しすぎない
✓ ナレーションとBGMを別々に管理する
✓ 料金、日付、商品名を後から変更できるようにする
✓ 横型と縦型の両方で使いやすい構図を撮影する
✓ 使用していない映像素材も整理して保存する
動画へ文字を直接焼き付けた状態で保存すると、別の言語へ変更するときに映像から作り直す必要があります。編集データや文字の入っていない映像も保管しましょう。
一つか二つの言語から始める
対象国を決めないまま、多数の言語へ翻訳すると、費用だけでなく、内容確認や更新の負担も増えます。
✓ すでに問い合わせがある国
✓ 自社で対応しやすい言語
✓ 海外発送に対応できる国
✓ 訪日客が多い国・地域
✓ 今後重点的に発信したい市場
このような条件から、最初に対応する言語を一つか二つ選びます。
料金、営業時間、販売条件などを変更したときは、各言語の字幕や説明文も更新する必要があります。継続して管理できる範囲から始めることが大切です。
予算に合わせて制作方法を選ぶ
海外向け動画の制作方法は、予算と目的に合わせて選びます。
| 制作方法 | 主な内容 | 向いている段階 |
|---|---|---|
| 日本語版を活用する | 翻訳字幕、タイトル、説明文を追加する | 海外発信を試したい段階 |
| 一部を変更する | 共通映像へ対象国向けのテロップや案内を追加する | 特定の国から反応がある段階 |
| 専用版を制作する | 台本、ナレーション、編集を対象国向けに作る | 販売や集客を強化したい段階 |
最初から完成度の高い多言語展開を目指すのではなく、対応できる範囲で公開し、視聴データや問い合わせを確認しながら必要な部分へ費用をかけていきましょう。
9.海外向け動画の制作を外注するときに伝えること
海外向け動画の制作を動画編集会社へ依頼するときは、「海外の人に見てもらいたい」という希望だけでなく、対象とする国・地域、視聴者、動画の目的を共有することが大切です。
必要な情報を最初に整理しておくことで、映像の選び方、字幕、テンポ、最後の案内などを決めやすくなります。
対象とする国・視聴者を伝える
動画を誰に届けたいのかを伝えます。
✓ 対象とする国・地域
✓ 使用する言語
✓ 想定する年齢や性別
✓ 一人、カップル、ファミリーなどの構成
✓ 初めて日本を知る人か、訪日リピーターか
✓ 関心を持っている観光、食、文化、商品
✓ 想定している予算や価格帯
✓ 使用するYouTube、Instagram、TikTokなどの媒体
対象が決まっていない場合は、現在多い海外からの問い合わせ、公式サイトへのアクセス、商品の購入者などの情報を共有し、どの市場から始めるか相談する方法もあります。
動画の目的と視聴後の行動を伝える
動画を見た人に何をしてほしいのかを明確にします。
✓ 観光地や地域を知ってもらう
✓ 宿泊施設や体験を予約してもらう
✓ 飲食店や店舗へ来てもらう
✓ オンラインショップで商品を購入してもらう
✓ 公式サイトで詳しい情報を確認してもらう
✓ 海外の販売店や旅行会社から問い合わせてもらう
✓ チャンネル登録や関連動画の視聴につなげる
動画の目的が分かれば、最後に表示する案内や、概要欄へ掲載するリンクを決められます。
調査した内容や参考資料を共有する
対象市場について調べた内容がある場合は、動画編集会社へ共有しましょう。
✓ 国・地域ごとの関心や旅行傾向
✓ 対象国で人気の動画や投稿
✓ 参考にしたいサムネイルや色
✓ 視聴者から届いた質問
✓ 通販サイトの商品レビュー
✓ 自社のYouTubeやSNSの視聴データ
✓ 競合商品や施設との違い
✓ 動画で必ず伝えたい情報
参考動画を共有するときは、「全体的に似せたい」と伝えるのではなく、どの部分を参考にしたいのかを具体的に説明します。
✓ 映像の明るさが近い
✓ 商品の接写が分かりやすい
✓ 編集のテンポが対象者に合っている
✓ 字幕の表示方法を参考にしたい
✓ 自然音の使い方が好みに合う
第三者の動画をそのまま再現するのではなく、自社の目的に合う部分だけを参考にします。
使用する言語と翻訳の担当を決める
海外向け動画を依頼するときは、誰が翻訳し、誰が内容を確認するのかを決めます。
✓ 日本語字幕のみを制作する
✓ 依頼者が翻訳文を用意する
✓ 翻訳会社や翻訳者へ依頼する
✓ 機械翻訳した文章を使用する
✓ 外国語を理解できる人が最終確認する
✓ 外国語ナレーターを手配する
✓ YouTubeの翻訳機能や自動吹き替えを使用する
商品名、料金、予約条件、成分、注意事項などは、誤訳によってトラブルになる可能性があります。外国語の字幕やナレーションを使用する場合は、最終的な確認方法まで決めておきましょう。
使用できる素材をまとめて渡す
編集に使用する素材は、内容が分かるように整理して渡します。
✓ 撮影した動画
✓ 商品や施設の写真
✓ ロゴデータ
✓ 日本語の台本
✓ 正式な商品名や施設名
✓ 料金、営業時間、所在地
✓ 予約・購入ページのURL
✓ 使用したいBGMや効果音
✓ 翻訳した字幕やナレーション
✓ 使用してはいけない映像や情報
動画、写真、音楽、ロゴなどは、海外を含むWebサイトやSNSで使用できる権利があるか確認します。
観光地や工場で撮影した映像には、旅行者や従業員の顔、車のナンバー、伝票、顧客情報、製造上の機密情報などが映り込むこともあります。公開できない部分は、編集前に伝えましょう。
納品形式と今後の使用方法を伝える
完成した動画をどこで使用するのかも共有します。
✓ YouTubeの通常動画
✓ YouTube Shorts
✓ Instagramリール
✓ TikTok
✓ 公式サイト
✓ 展示会や商談
✓ 海外向けオンラインショップ
✓ 店頭や施設内のモニター
横型、縦型、字幕の有無、言語別の動画など、必要な形式によって編集内容が変わります。
今後別の言語へ展開する予定がある場合は、文字の入っていない動画や、ナレーション、BGM、効果音を分けたデータが必要かも相談しましょう。
日本語の動画から制作を始める
外国語の台本やナレーションを最初から用意できない場合は、日本語の動画を先に制作し、翻訳字幕などを追加して海外へ届ける方法があります。
株式会社インテックでは、企業・個人を問わず、撮影済みの映像や写真をもとに、YouTube動画の編集、字幕、BGM、効果音、サムネイル、注釈画像などを制作しています。
対象とする国や視聴者、動画を見た後にしてほしい行動を共有していただければ、日本語で制作する動画について、海外への発信も想定しながら見やすい構成へ整えられます。
英語などの外国語ナレーションを最初から用意することが難しい場合も、まずは日本語の動画を制作し、YouTubeの翻訳機能を活用しながら段階的に海外発信を始める方法を検討しましょう。
まとめ
日本の観光地、文化、食、着物、工芸品、おもちゃなどは、動画を通して海外へ発信できます。
海外向け動画を制作するときは、「海外の人」と広く考えるのではなく、対象とする国・地域、年齢、性別、家族構成、訪日経験、関心などを具体的にすることが大切です。
対象者を決めた後は、JNTOや観光庁の資料、Google Trends、YouTube、SNS、通販サイトの商品レビューなどを使い、関心を持たれやすい観光地、食、文化、商品を調べます。
国・地域によって気候や休暇の時期も異なります。南半球が夏の時期に日本の雪景色を紹介するなど、対象者が旅行や購入を検討する時期から逆算して発信しましょう。
動画では、高い解像度だけを求めるのではなく、ピント、明るさ、色、手ぶれ、音にも注意します。風景、人物、商品の接写、制作工程、使用方法などを組み合わせ、ナレーションや字幕を理解できなくても内容が伝わる構成を意識します。
海外向けだからといって、最初から外国語の台本やナレーションを用意する必要はありません。日本語で制作した動画に、正確な日本語字幕、翻訳字幕、翻訳したタイトル・説明文などを追加し、海外からの反応を確認する方法もあります。
動画を見た人から予約、購入、問い合わせがあった場合に対応できるよう、公式サイト、問い合わせ担当者、予約・キャンセル条件、海外発送、返品、食事制限への対応範囲なども整理しておきましょう。
最初から多数の国へ向けて専用動画を制作すると、翻訳やナレーション、編集に多くの費用がかかります。まずは対応できる一つか二つの国・言語から始め、視聴データや問い合わせを確認しながら、必要な市場へ字幕や専用動画を増やす方法が現実的です。
株式会社インテックでは、撮影済みの映像や写真をもとに、YouTube動画の編集、字幕、BGM、効果音、サムネイル、注釈画像などを制作しています。
英語などの外国語ナレーションを用意することが難しい場合も、まずは日本語の動画を制作し、YouTubeの翻訳機能を活用しながら海外への発信を始められます。
日本の観光、文化、商品を海外へ伝える動画を制作したい場合は、お気軽にお問い合わせください。
MOVIE CREATION
伝わる動画を、企業の力に。
株式会社インテックでは、YouTube・SNS動画・採用動画・企業紹介動画など、
お客様の目的に合わせた動画制作を行っています。
撮影済みの素材を活用した動画編集についても、お気軽にご相談ください。
